芒種の時期はいつ頃?
芒種(ぼうしゅ)は夏の節気の1つで、新暦の6月5日~20日頃に訪れます。
「芒」はノギと読み、イネ科の小穂を構成する実の先端にある針状の突起のことを指します。
芒種は「この突起がある植物の種をまく時期」という意味があり、稲や麦など穀類の種まきに適した時節とされてきまいた。
昔は冷害を避けるため、梅雨時期に田植えをしていました。芒種という言葉はそのころの名残でもあります。
梅雨に入り始める
芒種に入ると梅雨前線が日本にやってきます。北からの寒気と南からの暖気のぶつかり合いにより、梅雨特有の湿気と雨天が生じます。
芒種の頃には、庭先でカマキリの赤ちゃんを、自然の多い川辺では草の中から出てきた蛍を見かける機会があるかもしれません。
梅雨時期のおいしい飲み物「梅酒」の原料となる梅が、黄色く色づくのもこの頃です。
芒種の七十二候
6月5日頃 | 蟷螂生(かまきりしょうず) | カマキリの赤ちゃんが現れる頃です。カマキリは益虫とされ、農作物を食い荒らす虫を駆除します。 |
6月10日頃 | 腐草為螢 (くされたるくさほたるとなる) | 草の中から出てきた蛍が光を放つ頃です。昔は腐った草が蛍になるといわれていました。 |
6月15日頃 | 梅子黄(うめのみきばむ) | 梅の実が黄色く熟す頃です。梅の実は梅雨の頃が収穫時期。未熟な青梅は6月初めから採取されます。 |
芒種の行事・イベント
田植え | 6月6日頃 |
時の記念日 | 6月10日 |
入梅 | 6月13日 |
嘉祥の日・和菓子の日 | 6月16日 |
父の日 | 第三日曜日 |
芒種の頃が旬の食材
野菜 | じゃがいも、タマネギ、ナス、オクラ、キュウリ、トマト、ピーマン、ソラマメ、トウモロコシ、ラッキョウ、ししとう、青じそ |
果物 | 梅、ビワ、スイカ、いちご、夏みかん、サクランボ、ユスラウメ、グミ |
魚・魚介類 | ハマチ、カツオ、イサキ、ハモ、アナゴ、カマス、タチウオ、スズキ、ハモ、アユ、アイナメ、シタビラメ、マス、アワビ、キス |
芒種の頃に見かける動植物
植物 | 菖蒲、杜若、アジサイ、アイリス、アザミ、ユリ、グラジオラス、スズラン、タチオアオイ、ラベンダー、サルビアなど |
動物 | アマガエル、アメンボ、ザリガニ、ゲンゴロウ、蛍、ウナギ、ナマズ、キジ、ツバメ、コサギ、ムクドリ、オオヨシキリなど |
梅雨の花・アジサイが見頃となるシーズンです。
6月頃水温が温かくなってくると、水辺の動物を多く見かけるようになります。ザリガニ釣りもこの時期から。
芒種の季語・挨拶
芒種の頃の季語
時候 | 仲夏、皐月、田植時、入梅、 梅雨寒、白夜 |
天文 | 迎へ梅雨、梅雨空、梅雨の月、梅雨の星、五月雨、夏ぐれ、いなさ、黒南風、ながし、虎が雨 |
地理 | 代田、五月富士、五月川、出水、皐月波、植田、富士の雪解 |
生活 | 菜種刈、蒼朮を焼く、苗取、田植、早乙女、田下駄、糸取、新糸、新真綿、蛍売、蛍狩、蛍籠、麦藁籠 |
芒種は6月頃なのに「五月」の名がつく季語が多いですよね。旧暦で五月は6月頃を指します。
そのため、6月頃に見れる風景には「五月」が付くことも多く、五月富士、五月川などの季語が見受けられます。
蛍や田植え、梅雨に関連する季語のほか、この時期に採れる生糸も芒種の頃のキーワードです。
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 入梅の折、雨の日が続きますが、どうぞお健やかにお過ごしください。
- 向暑の候、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 小夏のみぎり、梅雨の晴れ間には青空が広がり、夏の訪れを感じますね。
6月の季節的な特徴である梅雨や、じんわりとした暑さを書き出し分に加えると時節のあいさつ文になります。
季節感が伝わりにくいかもしれませんが、麦秋というのも風情がある言葉ですね。
麦が獲れる頃という意味です。
- 入梅の候
- 向暑の候
- 薄暑の候
- 小夏の候
- 梅雨の候
- 麦秋の候
まとめ
芒種の時節である6月5日~20日頃は梅雨に入る時期ということもあり、あまり実感がわかないのですが、暦の上では「仲夏」と呼ばれる夏真っ盛りのシーズンです。
植物が茂り、雑草取りに追われるのもこの季節…。
しかし、植物たちは好きなように枝や葉を伸ばして成長していきますよね。
実は、東洋思想的に夏は伝達や表現の季節でもあります。
じめじめとしがちな梅雨を楽しむため自分なりの自己表現方法を見つけておくと、どんよりしがちなこのシーズンを楽しく乗り越えることができます。