大寒の時期はいつ頃?
大寒は冬の節気のひとつで、1月20日~2月3日の節分までが大寒に当てはまります。
旧暦では最後に訪れる時候で、小寒に続き冬の寒さが厳しい時期とされます。
一方で「小寒の氷大寒に解く」という言葉があり、実は大寒の方が温かいというウワサも。冷気に隠れていますが、自然界では既に春の準備が始まっています。
次の節気が立春のため、立春前の18日間に当たる大寒は「冬の土用」期間でもあります。
水も氷になる凍てつく寒さ
蕗(フキ)の花が咲く時期です。フキの花はふきのとうと呼ばれ、葉よりも先に花が開き始めます。
川や湖の水が凍り、厚い氷となってあたりを覆います。水道の水も凍るので、この時期水抜きが欠かせない地域もありますね。
また、昔はこの時期に鶏が卵を産む季節とされていました。
大寒の七十二候
1月20日頃 | 款冬華(ふきのはなさく) | 雪の下から芽を出したフキの花が咲き始める頃。寒さは厳しいですが、少しずつ春の準備が進められています。 |
1月25日頃 | 水沢腹堅 (さわみずこおりつめる) | 沢に厚い氷が張り詰める頃です。日本では最も寒い時期で、さらさらと流れる沢も凍てつきます。 |
1月30日頃 | 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく) | 鶏が鶏舎で卵を産み始める頃です。昔は春ごろに卵の生産が行われていました。 |
大寒の行事・イベント
初地蔵 | 1月24日 |
初天神 | 1月25日 |
初不動 | 1月28日 |
二日灸 | 2月2日 |
節分 | 2月3日 |
冬の土用明け | 2月3日頃 |
厄落とし | 2月3日 |
一年の最終日となる2月3日までに、その年の穢れをはらい身を清めておくことで、新年をつつがなく迎えることが出来ます。
節分には豆まきをして「恵方巻」を食べるのが習わしとなっていますね。
大寒の頃が旬の食材
野菜 | ほうれん草、白菜、水菜、小松菜、春菊、大根、かぶ、にんじん、れんこん、山いも、芽キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ごぼう |
果物 | オレンジ、きんかん、はっさく、キウイフルーツ |
魚・魚介類 | ブリ、マナガツオ、アマダイ、イワシ、ヒラメ、アンコウ、フグ、サケ、タラ、ワカサギ、エビ、ヤリイカ、カニ、牡蠣、シジミ、蛤(はまぐり) |
大寒の頃に見かける動植物
植物 | 梅、蝋梅、福寿草、シクラメン、マンサク、パンジー、クリスマスローズ、ポインセチア、カランコエ、シンビジウム、プリムラ、マリーゴールド、カレンデュラなど |
動物 | ニホンザル、エゾリス、エゾユキウサギ、エゾモモンガ、シマエナガ、オオハクチョウ、シラサギ、マナヅル、タンチョウなど |
寒さの中、梅の花が咲き始めます。梅は「早春」の花で、人に春を告げる植物。
蝋梅はウメの仲間ではなく、ロウバイ科の黄色い花を咲かせる樹木です。
大寒の季語・挨拶
大寒の頃の季語
時候 | 晩冬、冬深し、冬尽く、寒の内、寒土用、厳寒、しばれる、春近し、春隣 |
天文 | 雨氷、風花、氷晶、樹氷、吹雪、ダイヤモンドダスト、しまき、雪晴、寒晴、雪時雨、霧氷 |
地理 | 寒の水、氷、氷橋、氷海、氷湖、氷柱、凍滝、御神渡、波の花 |
生活 | 厄払、氷餅作る、寒稽古、すが漏り、吹雪倒れ、雪兎、霜焼、蒟蒻氷らす、寒梅、冬桜、春支度 |
冬の暮れなので「冬尽く」や「春隣」が季語になります。
小雪と同じく氷や雪に関わる言葉がたくさんあります。
御神渡しは冬の諏訪湖で見られる自然現象。湖が凍り氷の堤ができ、それが神が渡った後のように見えるため御神渡しと呼ばれます。
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 晩冬の折、春の温かさが待ち遠しい季節ですが、皆様におかれましては清栄のこととお慶び申し上げます。
- 酷寒が続き冬の深まりを感じる頃、つつがなくお過ごしでしょうか。
- 大寒の候、一段と寒さが増しましたが、ご健勝のことと存じます。
雪が深く水が凍りつく頃なので、時候のあいさつでもよく冬の厳しさが述べられます。
雪や寒さの程度は住んでいる場所にもよるので、晩冬や暮冬のほか、節句をそのまま使って「大雪の候」と書くと無難に収まります。
- 晩冬の候
- 暮冬の候
- 厳寒の候
- 厳冬の候
- 大寒の候
- 酷寒の候
- 極寒の候
- 寒冷の候
- 三寒四温の候
まとめ
大寒は二十四節気の最後に巡ってくる時候で、1月20日~2月3日までが大寒の時期となります。
太陽のエネルギーが届きにくい時期なので、体が冷え縮こまりやすい頃です。
身体が冷えると体内の熱を逃さないよう、身体は緊張状態(交感神経優位の状態)になるため、疲れやすさや寝つきの悪さを感じるようになります。
天気の良い日には、朝から太陽の光を浴びるのがおすすめ。
太陽の光を浴びると朝の眠気が晴れるだけでなく、眠気を誘発するメラトニンの分泌が行われ、夜眠りにつきやすくなります。