啓蟄の時期はいつ頃?
啓蟄は二十四節気のうち「春」に分類されており、おおよそ3月5日~3月19日頃にあたります。
啓蟄という聞きなれない言葉の意味ですが、啓は「閉じたものを開ける」、蟄は「土の中で眠っている虫」という意味があります。
この時期になると、冬ごもりしていた虫たちが姿を現し始めることを表しているわけです。
春になり気温が上がってきたとはいえ全国的には10℃を下回る日も多いので、身体が冷えないように過ごしたいところです。
春らしさを感じられる頃
地域によりますが、3月を過ぎるころには桃の花が咲き始めたり、さなぎがかえって蝶々を見かけるようになります。
色とりどりの花を見かけるようになるのも啓蟄の頃からで、春らしい穏やかな風景を体験できるでしょう。
3月3日の桃の節句はひとつ前の節気である雨水の終盤に行われますが、啓蟄の頃が最も桃の花が美しい時期です。
ひな祭りの雛人形は、啓蟄のころまでに片付けるべきといわれます。
啓蟄の七十二候
3月5日頃 | 蟄虫啓戸 (すごもりのむしとをひらく) | 冬の間土に潜っていた虫たちが、姿を現す頃です。春の訪れに伴い、ざまざまな生き物が活動し始めます。 |
3月10日頃 | 桃始笑(ももはじめてさく) | 桃の花が咲き始める頃です。昔は花が咲くことを「笑う」といいました。「山笑う」は春の季語です。 |
3月15日頃 | 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) | さなぎがかえって蝶になる頃です。菜虫はいわゆる青虫のこと。花の周りを蝶が飛ぶ春らしい風景が見られます。 |
啓蟄の行事・イベント
十三参り | 3月13日 |
春日祭 | 3月13日 |
ホワイトデー | 3月14日 |
お松明式 | 3月15日 |
涅槃会 | 3月15日 |
彼岸入り | 3月20日頃 |
春の彼岸の時期はその年によって前後しますが、おおよそ啓蟄の終わり頃に始まります。
彼岸は年2回行われており、春分・秋分の前後3日間を加えた時期のことです。
彼岸の時期の先祖供養は日本独自の習慣だそうなので、時間があるようならお墓参りに行ってみては。
啓蟄の頃が旬の食材
野菜 | うど、からし菜、小松菜、春菊、あさつき、カブ、レタス、キャベツ、水菜、たけのこ、菜の花、ほうれん草 三つ葉、ごぼう |
果物 | いちご、はっさく、いよかん、さんぽうかん |
魚・魚介類 | ワカサギ、サワラ、サヨリ、ニシン、サザエ、蛤(はまぐり)、ヒラメ、アマダイ |
啓蟄の頃に見かける動植物
植物 | 菜の花、桃、桜、梅、片栗、タンポポ、アネモネ、フリージア、ヒヤシンス、スミレ、デイジーなど |
動物 | クサガメ、ヒバリ、シジュウカラ、オシドリ、トモエガモなど |
梅や桃など樹木の鮮やかな花が見られるのがこの頃。根を片栗粉にする、カタクリの可憐な花が咲き始める時期でもあります。
自然の多いところに行けば、春の鳥であるヒバリやシジュウカラ、クサガメなどの動物に出会えることでしょう。
啓蟄の季語・挨拶
啓蟄の季語の一例
時候 | 仲春、春の宵、春の夜、春日和、春めく |
天文 | 春霖、春一番 |
地理 | 春の野、春の堤、春の水、春の山、残雪、水温む |
生活 | 春障子、春外套、春暖炉、春の夢、雲雀笛 風船、若布(わかめ)刈る、草餅、花種蒔く |
春の半ば(仲春)に入り、春らしいこの季節限定の風景を身近に感じられるのが啓蟄の頃。
春に見られるのどかな風景を表す季語が多いです。
季語からは里山の美しい風景が思い浮かんできませんか?
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 浅春のみぎり、暖かな風が気持ちの良い季節です。
- 桃の花が美しく咲く今日この頃、お元気でお過ごしのことと存じます。
- 春暖の候、長く続いた寒さが収まりつつあります。皆様にはいががお過ごしでしょうか。
- 春暖の候
- 春寒の候
- 浅春の候
- 軽暖の候
- 浅暖の候
- 桃花の候
- 萌芽の候
この時期には、春の風景や温かさを交えたあいさつ文を書いてみるとよさそうです。
春が深まり身近な風景に華やかさが訪れた喜びや、新たな命の成長を寿ぐ言葉を加えるとより春らしさが出てきます。
まとめ
啓蟄は3月上旬~中旬ごろを指す節気です。
虫が姿を現し始め、桃の花が咲き、蝶々が飛び交う…そんな穏やかな風景が見られるようになる頃です。
現代の日本社会では3月末から4月初めに多くの物事が切り替わるので、あわただしい時期となることも多いですが、そんな日常の中にも春のうららかな風景が入り込んできます。
ガーデニングでも種まきのシーズンなので、花屋やホームセンターに行くと面白い発見がありそうですね。