胡椒(ペッパー)|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

胡椒(ペッパー)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
目次

胡椒(ペッパー)の特徴

その汎用性の高さから「香辛料の王様」と呼ばれ、各国の料理で使われる香辛料です。

ピリッとした香りの中に上品さのある胡椒は、日本の食卓にも当たり前に用意されているスパイスですね。原産地のインドの他、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ問わず世界各国で香辛料として使われます。

生産地によって多少味が異なる他、胡椒が持つアルカロイドの一種ピペリンという成分の含有量によって刺激や辛みに違いが出てきます。さらに白胡椒(ホワイトペッパー)・黒胡椒(ブラックペッパー)、グリーンペッパー、ピンクペッパーなど種類によって風味の特徴が異なるのも特徴的です。

胡椒(ペッパー)の味・香り

ピリッとした辛みと刺激的な味がある。香りは爽やかですっきりしている。

胡椒(ペッパー)の種類

生の実、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ピンクペッパー、塩漬けの実など

種類ごとの胡椒

ブラックペッパー緑色の未熟な果実を収穫した後に、黒く完熟するまで乾燥させたもの。辛みが強い。
ホワイトペッパー赤色に熟した実を収穫し、乾燥後に水に浸けて皮をとったもの。辛みがあるが上品な味。
グリーンペッパー緑色の未熟な果実を収穫し、塩漬けまたはフリーズドライ加工したもの。あまり辛くなく爽やかな香りがある。
ピンクペッパー「赤胡椒」とも呼ばれる。赤色に熟してから収穫し、皮をはがさずに利用する。
ウルシ科サンショウモドキ属の「コショウボク」という木から取れる果実から取れたものを指すこともアリ、ペッパーと風味が似ているが上の3種類とは別種で、正確にはペッパーではない。

ホール・粉末の違い

丸い実の状態で流通するものを「ホール」といいます。ホールのハーブ・スパイスはミルなどで削る必要がありますが、香りが良く新鮮な味わいを楽しめます。

「粗びき」は胡椒の実をざっくり引いたもので、特にブラックペッパーの粗びきは香りが強いのが特徴。ワイルドな味が食欲をそそりますよね。

「粉末」はその名の通り細かく挽いて粉上にしたもので、料理に胡椒の風味をなじませたい時やクリーム、ソースなどに加えたい時に〇。香りが飛びやすいので料理の完成前に加えます。

料理での活用方法

胡椒(ペッパー)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

料理の風味付けに

肉や魚の臭み消しや風味づけに用いられますが、野菜・お菓子など比較的食材問わず使うことができます。特に肉料理に合わせやすく、鶏肉・豚肉・牛肉・ラム肉などに加えると肉のうまみと胡椒の辛みが組み合わさって、絶妙なおいしさを引き出します。

調味料

数種類のペッパーをミックスさせたペッパーミックス、ハーブミックスに使われます。粗びきの黒胡椒をガーリックと組み合わせれば、ステーキ用のスパイスにもおすすめです。

お湯に入れると溶けるコンソメスープの素などにも加えられていますね。その他、各種サラダのドレッシング、ソースなどで味を調整したい時に欠かせないスパイスです。

その他

どんな食材でも、少しだけ辛味を加えたい時にいつでも使えます。

辛味づけ目的の方が多いですが、ケーキ、クッキー、ビスケットなどの菓子類やパンなど甘味が強い料理にも用いることができます。胡椒自体は強い味がなく、香りが刺激的なだけなので、適量加えるだけなら食材の味を壊すことはありません。

料理本などでもよく塩と組み合わせて、煮汁やスープストック、マリネ液など、味付けのもととなるベースを作る時の材料として記載されています。

辛味で身体を温める作用があるため、寒い時期にはブラックペッパーやショウガなどを飲み物に加えると体が温まります。

種類ごとの活用法

ブラックペッパー

辛味・香りが強くステーキやカルボナーラ、ジャーマンポテトなどによく振りかけられます。味付けや香りのアクセントを付けたい時によく、おつまみなど味の濃い料理と相性が良いのが特徴。ジャガイモ料理や米料理など淡白な味の料理に使うと味・香りの中心になってくれます。

ホワイトペッパー

香りはマイルドですが強い辛味があります。上品な風味で洋風料理とよく合い、オムレツやクリームシチュー、ポテトサラダ、グラタン、ムニエルなど素材そのものの味を活かしたい時に用いられます。ブラックペッパーよりも香りが弱いのは加工の家庭で外皮に含まれる精油(辛み成分)が取り除かれるためです。

グリーンペッパー

まだ熟す前の果実を収穫したもので、爽やかな香りと辛味を持ちます。シナモンやショウガ、フェンネル、ローリエなどのハーブとも相性が良く、組み合わせて肉や魚料理の臭み消し・香りづけに使うことができます。

グリーンペッパーはソースやケチャップ、ピクルス、に加えられることがあり、生の果実もオイル漬けなどに便利。塩水漬けの実を使う場合は、使う前に水洗いしてから使用します。

ピンクペッパー

上記3種類のような辛味は無いので、主にお菓子類やアイスクリームの飾り付けに用いられます。

ペッパーを使った主な料理と合わせやすい食材

胡椒(ペッパー)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
ホワイトペッパー白身魚のソテー、ホワイトソース、鶏肉料理、卵料理、マリネ、ピクルスなど
ブラックペッパーステーキ、ベーコンエッグ、ジャガイモ料理、カルボナーラ、サラダ、ドレッシングなど
グリーンペッパー魚の香草焼き、ステーキ、オイスター炒め、サラダ、ピクルス、ソースなど
ピンクペッパーカルパッチョ、ステーキ、サラダ、マリネなど

組み合わせやすい素材

食材

ほとんどの素材

ハーブ・スパイス

バジル、カルダモン、クローブ、コリアンダー、ガーリック、ナツメグ、パセリ、ジンジャー、タイム、ターメリック、香りがレモン系のハーブ(レモングラス)など

効能・効果

料理の味付けに使われるペッパーですが、脂肪の燃焼や血行促進、食欲増進、消化不良解消などの効能があるといわれています。また、ペッパーの辛み成分であるピペリンには、血管を拡張して血流を良くしたり抗酸化のの働きもあるそう。

ピペリンはブラックペッパーに多く含まれており、上記以外にも抗菌作用、防腐作用、殺虫作用を持つとされ、食材の保存効果があります。

  • 健胃作用
  • 駆風作用
  • 防虫作用
  • 抗酸化作用
  • 血行促進作用
  • 抗菌作用

胡椒(ペッパー)の基本情報

学名Piper nigrum
英名pepper
別名コショウ(胡椒)、ペッパー
科名・属名コショウ科コショウ属
原産地インド南部マラバル地方
使用部位果実、種子(白コショウ)

胡椒の原産地はインドのマラバル地方で、約3000年前には既に使われていたといわれます。

胡椒の木は熱帯地方で育ち、高さ5~10mほどに伸びるつる性植物です。樹木などに巻き付いて伸びる習性があり、小さな白い花を咲かせた後、房状に数十個の果実をつけます。この果実が丸い形をしたホールの胡椒になります。

歴史・エピソード

大航海時代が始まるきっかけとなったといわれるスパイスで、貴重なスパイスを得たいという動機が航海技術や貿易航路を発展させる一因になりました。

古くは貴重なスパイスで、中世のヨーロッパでは金と同じ価値を持っていた時期もありました。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

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