春は会社など様々な場所で人の入れ替わりがあるため、新しい環境に慣れるまで緊張状態が続いてしまうことも少なくありません。
緊張・不安な状態が続くと夜眠れなくなってしまうことも。だんだん気温が上がってくる春先は、どうしても自律神経の乱れが生じやすいため、余計に気分が不安定になりがちです。
不安を感じる時や緊張状態がなかなか鎮まらない時でも、リラックス効果のあるハーブティーを飲むことで心の落ち着きを取り戻せることがあります。
ハーブショップには大体置いてあるハーブを中心に、いくつかのハーブを紹介します。
緊張するときに活用しやすいハーブ
パッションフラワー
紫色がアクセントになる、少し変わった形をしたお花です。
根以外のほとんどの部位を薬用でき、中枢神経に働きかけて神経を強化してくれます。「植物性の精神安定剤」という異名もあるほど効果が高く、緊張で不安を感じている時や、夜眠れない時に飲むと気持ちが落ち着くでしょう。
けいれんを鎮める作用があるため、緊張によって起こることが多い過敏性腸症候群などの症状にも用いられることがあるようです。
バーベイン
和名をクマツヅラといい日本でも自生している植物です。園芸用にも人気で、ハーブとしては中枢神経の昂りを抑えるため、不安、緊張、不眠といった神経症の症状に活用されます。
緊張による腹痛や頭痛がなかなか収まらないときに、ブレンドしてみると良いでしょう。
ハーブティーはやや苦みがありますが、この苦味が健胃薬の働きをして消化不良や食欲不振などの不調を改善するといいます。
他にも利尿作用や抗炎症作用など多くの薬効を持ち合わせます。
妊娠中は使用を避けるべきハーブとされています。
バレリアン
バレリアンも神経系の不調に良く名が挙がるハーブで、特に不眠に効果的とされるハーブです。
やや効果が強いので、車の運転前などは眠気を避けるた目摂取量を控えめにした方が良いです。パッションフラワーとの相性が良く、緊張や不安がある時のブレンドに最適。
ドライハーブは硫黄のような独特の匂いがありますが、ハーブティーにすれば特に気になりません。
催眠系の薬剤を飲んでいる場合や、肝機能不全の人は使用しないこと。
ラベンダー
「ハーブの女王」ラベンダーも緊張を鎮めるハーブの1つです。香りが強いのでサシェなどによく使われていますが、ハーブティーに加工しても華やかな芳香が漂います。
ラベンダーに含まれる酢酸リナリル・リナロールという香り成分には鎮静作用があるため、精油もおすすめ。夜眠れないときにディフーザーなどに精油を垂らして香りをかぐと、リラックス効果を得られます。
ドライハーブをスワッグなどにして部屋に吊るしておくと、香りが漂います。
リンデン
黄色い花を咲かせる樹木から取れるハーブです。神経をリラックスさせて血管を拡張させるので、高血圧症などに効果を持つとされます。
花の部位を使用したハーブティーは、花の甘い香りが特徴でお茶の味をまろやかにしてくれます。肌の保湿に役立つ成分が含まれているため、美肌効果もあるのだとか。
また、発汗・利尿作用があり、水分と共に体内の老廃物を排出します。神経の鎮静だけでなく、デトックス効果も期待できる便利なハーブです。
レモンバーム
別名「ビーバーム」と呼ばれ、ミツバチが好むハーブとして知られます。薬効は古代ギリシャ時代から知られており、当時から「長寿のハーブ」と呼ばれていました。
フレッシュハーブはレモンのような香りがあって、ハーブティーにする場合も香りづけ役でブレンドに活躍します。
レモンバームに含まれる、タンニンや精油のシトラールには抗菌作用があります。オイルやビネガーの香り付けや、魚などの臭み消しなどにも使えます。
ハーブティー以外の方法
フラワーエッセンス
感情的に不安定な時はフラワーレメディも取り入れるとよいかもしれません。
緊張、不安がある時に役立ちそうなレメディ
レメディ名 | 効果 |
---|---|
インパチェンス | 緊張や不安でイライラ、ピリピリしがちな時に寛容さを取り戻す |
ミムラス | 原因や理由がはっきりしている不安に対して、心の落ち着きを取り戻す |
ゲンチアナ | 自信を失いがちな時に、挑戦する勇気を取り戻す |
マスタード | 理由もなく落ち込みがあり気力を失いがちな時に、明るい気持ちを取り戻す |
上記は一例です。是非本などで調べて自分に合ったレメディを見つけてください。
38種類あるのですが、「5フラワー」があれば多くのことに対処できるといわれます。
インパチェンス、スターオブベツレヘム、ロックローズ、クレマチス、チェリープラムという5つの植物のエキスで作られた「5フラワー」は驚いたとき、パニックになった時など、感情の浮き沈みが激しい状態に作用し、気持ちに穏やかさを取り戻してくれます。
緊張状態になってしまう理由
基本的に不安・緊張の状態は、交感神経の昂りが原因と考えられています。
神経系には大きく分けて中枢神経と末梢神経という2つの神経があり、末梢神経の中に自律神経というしくみがあります。
さらに、自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経に分かれてそれぞれがバランスを取りながら、呼吸、消化、体温の調整や代謝のコントロールを行います。
交感神経が強まると緊張状態が続く
身体が外部から何らかのストレスを受けると、交感神経の働きが強まります。交感神経が亢進すると呼吸が荒くなる、血管が収縮する、血圧が上がるなど体の様々な場所で影響が出てきます。
緊張状態になり汗が出る、顔が赤くなるといった症状はこの交感神経の強まりが原因となる反応。
そのため、体をリラックスさせる副交感神経を優位にし、自律神経のバランスをとることが必要になってきます。
まとめ
ハーブティーは効果が出るのが早いので、緊張しそうな状況が発生する少し前に飲むことで神経の強壮効果が得られると思います。
ただ、鎮静作用のあるハーブティーを飲みすぎると体が休息モードに入ってしまい、眠くなることも。飲むときのルールに決まりはないですが、1日3杯くらいにとどめた方が良いでしょう。
個人的にはハーブティーの他に砂糖玉のレメディをたまに飲んでいます。正直飲んだ直後はいまいち実感ないものの、しばらくすると心が落ち着いていることに気づきます。