バーベイン(クマツヅラ)|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

バーベイン(クマツヅラ)|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

バーベインの特徴・形状

  • 鳩が好きなハーブで藤色の美しい花が咲く
  • 神経の緊張を和らげてリラックス効果をもたらす
  • 消化不良や食欲不振がある時にも穏やかに働きかける

バーベインはアジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産のハーブで、クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草です。日本でもクマツヅラの名で山野に自生しています。

クマツヅラ科の植物は観賞用を含め200種類以上があり、品種によって花の色は白や青紫、ピンクなど様々。

鳩がこの草を好むため、英語では「pigeon grass(鳩の草)」や「pigeon meat(鳩の餌) 」と呼ばれることもあります。

植物的な特徴

草丈30㎝~80㎝に育ち、茎は細く直立して丈夫で枝分かれします。茎の断面は四角く、茎葉には細かな毛が生えています。葉は長さ3~10cm、切れ込みがあって葉に対生します。

6月~9月になると茎先に長さ30㎝にもなる穂状の花が咲きます。花は約4㎝の藤色をした筒型で、花弁が5つに分かれており、茎の周りで密集します。バーベインは種子のほか、地下茎が広がって繁殖する性質を持ちます。

効果・効能

バーベインは中枢神経を落ち着かせて、神経症(不安・不眠・頭痛など)を緩和してくれるハーブです。

①緊張状態を和らげる

軽度のうつ症状がある時やイライラするとき、緊張でお腹が痛いときにハーブティーなどでバーベインを摂取すると症状が改善され、同時にストレスに対する抵抗力が付きます。

②胃の不調を改善させる

また、唾液や胃液の分泌を促す苦味質が含まれるため、消化不良、食欲不振など肝臓・胃の不調に有効とされます。抗炎症作用があるので、胃炎や腸炎がある時の対策にもよいでしょう。

③その他の働き

そのほか、バーベインには体内の余分な水分を排出する利尿作用、解熱や解毒に役立つ発汗作用、母乳の出を良くする催乳作用、など多くの効能があるといわれます。

サポニンなど、含まれる成分から見れば咳や痰の解消効果もあると考えられます。

ローズマリーにも含まれる精油のベルベリンには、鎮痛作用や血圧上昇作用、むくみやセルライトの解消に役立つ働きがあるといわれています。

適応

神経性の不安、不眠、緊張、頭痛、生理痛、消化不良、食欲不振など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 鎮静作用
  • 鎮痛作用
  • 抗菌作用
  • 利尿作用
  • 消化促進作用
  • 抗炎症作用
  • 肝機能亢進作用
  • 子宮強壮作用

禁忌・副作用

  • 多量摂取すると麻痺がおこる可能性があります。
  • 妊娠中、高血圧の人、子供は使用を控えてください。

安全性・相互作用

安全性クラス2b…妊娠中に使用しない
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

バーベインの主な使い方

使用部位
  • 地上部(主に葉・茎)

バーベインは主にハーブティーに使用されています。

ハーブティー

花の時期に収穫して乾燥させた葉をティーにして飲用します。心の疲れを感じる時、緊張を感じる時に飲むと良いでしょう。食後の満腹感や不快感がある時や、夜眠れないときにもおすすめです。

渋味や苦味があるので、飲みにくいときや三温糖やはちみつを加えると味がまろやかになります。

薬用

抗菌作用があるので、ティーでうがいをすればのどの痛みの改善、風邪・感染症予防に役立ちます。また、ティーを使った湿布剤は傷口の殺菌などに使えます。

漢方では葉を生薬の「馬鞭草(バベンソウ)」として利用します。神経強壮、うつ、黄疸、生理不順、便秘、頭痛などの症状に用います。

味・香り

草の香りがあり、やや渋味や苦みのある味。

バーベインの基本情報

学名Verbena officinalis
英名Common Vervain、Common Verbena
和名・別名クマツヅラ(熊葛)、バベンソウ(馬鞭草)、ピジョングラス、ピジョンミート
科名クマツヅラ科クマツヅラ属
分類多年草
原産地アジア、ヨーロッパ、北アフリカ
使用部位地上部
主要成分サポニン、タンニン、苦味質、アルカロイド、ベルベリン、ベルべノン、精油など
作用鎮静、鎮痛、抗菌、利尿、消化促進、抗炎症、肝機能亢進、子宮強壮
適応神経性の不安、不眠、緊張、頭痛、生理痛、消化不良など

語源・由来

属名のVerbenaは神聖な植物に対するラテン名「予言の花」に由来し、種小名のofficinalisは「薬用の」という意味があります。

歴史・エピソード他

バーベインは紀元前から利用されており、古代エジプトやギリシャでは神事にも使われる神聖なハーブでした。古代エジプトでは「イシスの涙」、ギリシャでは「ヘラの涙」と呼ばれており、最高神ゼウスの祭壇にもバーベインが捧げられました。

古代ローマでは戦いの際、使者が敵陣に向かう時はバーベインの首飾りを付けていったそうです。これは敵から身を守る効果があると信じられたためで、休戦の際にも「和解」の象徴としてバーベインが旗代わりに使われました。

12世紀ドイツのハーブ療法家・静ヒルデガルトはバーベインのワインを黄疸に、湿布を扁桃腺や歯痛に勧めています。

伝説ではイエスが十字架から外された後、イエスの傷を止血するためにバーベインが使われたといいます。

魔術とも結びつけられ、占いや呪術、魔除け、予言などに欠かせないハーブとして「万病草」「肝臓草」「聖なる草」「魔法使いの草」などの別称が付いています。ケルトでも「神の恵みのハーブ」としてドルイド僧たちに崇拝されました。

日本でも古くから薬用されており、平安時代の承平年間(931年 – 938年)に編纂された『和名抄』には「久末都々良」という植物名があり、これがバーベイン(クマツヅラ)とされています。

参考文献

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