フェンネルはどんなハーブ？｜ハーブティーやお菓子作りに役立つ甘い香りの種子

フェンネルってどんな味？

フェンネルは小茴香(ショウウイキョウ)と呼ばれるスパイス・ハーブの一種で、セリ科の植物です。主にハーブとして使うのは種子なのですが、葉茎や、肥大した茎も野菜として食べられます。

インドではこのフェンネルの種子を噛んで口臭予防に活用するそう。実際、日本のインド料理店でもテーブル横の調味料みたいにちょこんと置いてあったりするそうですが、私はまだ見たことがありません…(;^ω^)

見かけたら食後に数粒つまんでみては。フェンネルは噛むと独特の甘い香りが口いっぱいに広がります。

料理で活躍！

フェンネルは葉の爽やかな香りが魚料理とよく合うため、「魚のハーブ」とも呼ばれています。白身魚など臭みが気になるお魚をマリネにする時におすすめ。

フローレンスフェンネルと呼ばれる品種は株元が大きくなるので、それを野菜として食べることができます。この株元のことをイタリアでは「フィノッキオ」と呼んでおり、ざっくりと切った断面はタマネギに似ています。

個人的にはよくお菓子に活用していて、種子をパウンドケーキやカップケーキといった焼き菓子を作る際に加えています。

フェンネルの効果・効能は？

成分	油脂、フラボノイド(ケンフェロール、クエルセチン)、フラボノイド配糖体(ルチン)、タンパク質、精油(トランスアネトール、フェンコン、エストラゴール)
効能	利尿、発汗、駆風、女性ホルモン様、口臭除去、健胃、催乳、解毒など
適応	消化不良、腹部の不快感、デトックス、便秘、生理不順、更年期障害など

本によって記載は様々ですが、フェンネルには上記のような効能があるとされています。

特に健胃作用や駆風作用に優れており、胃腸の不調に用いられてきました。また、女性ホルモンの一種であるエストロゲンのような働きをする成分が含まれるので、女性の揺らぎがある時にも良い効果を発揮するといいます。

フェンネルやその仲間に含まれる甘い香りには、呼吸器や消化器の不快な症状を改善する働きがあるとされます。

ハーブティーでブレンドするならどのハーブ？

スパイス的な扱いをされることが多いですが、ハーブティーのブレンドに使うこともできます。この場合も独特の甘い香りが強く出るので、風味を変えたい時に役立ってくれるでしょう。食後の満腹感が苦しい時や、胃の調子が悪い時にブレンドすると良い効果があると考えられます。

満腹感を解消するブレンド

沢山食べた後などにお腹いっぱいで苦しい時に役立つブレンドです。フェンネルの仲間であるアニス・キャラウェイにも駆風作用があるのでこの2つを代わりに使ってもOK。アニスやキャラウェイにも同じ甘い香り成分が含まれています。

それ以外だとシナモンやレモンバーム、レモンバーベナなどに駆風作用があるといわれます。シナモン風味やレモン風味など味わいをアレンジしたい時に加えてみると良いかもしれません。

緊張による満腹感が苦しい時は、腸過敏性症候群に適用されるペパーミントも活用できます。

胃の不調を整えるブレンド

もう一つのブレンドでも紹介しましたが、シナモンの香りには胃の働きを整える作用があります。ジャーマンカモミールは鎮痙作用や消炎作用があり胃の不調時に良く使われます。胃の痛みを感じる時は、とろみのある成分で組織を保護するウスベニアオイなども良さそう。

ブレンド的には甘味が強くなるので、甘さが苦手な場合は麦茶やほうじ茶など風味のベースになるお茶を加えると風味がまろやかになります。

フェンネルの伝統的な活用方法

フェンネルはディルと共に北欧料理によく活用されるハーブで、サーモンや白身魚を使った魚料理のほか、パンにも使われるそう。マリネやザワークラウトなどの漬け込み系料理にも活用されます。また、伝統的には子供の夜泣きを鎮めるのに役立てられていたといいます。

古代エジプト時代からその薬効が知られており、ローマ時代に数多くのスパイス・ハーブ料理が生まれた際、フェンネルも様々なレシピで活用されました。中国のスパイスミックス・五香粉にも配合されており、甘い香りづけに役立ってくれるハーブです。

まとめ

フェンネルには甘くて独特な香りがあり、ハーブティーや料理の香り付けに活躍してくれます。切っていろどり野菜のような使い方もできるので、手元にあるとなにかと便利。

たくさん食べてお腹いっぱいな時や、おなかが張る時にはフェンネルを使ったハーブティーを飲むと落ち着くと思います。

栽培用・ハーブティー用ともに比較的入手しやすいので、野菜作りがお好きな方にもおすすめ。温かい時期にハーブ園に行くと、よく葉っぱが茂ってワサワサしたフェンネルに出会えます。

参考文献