ハーブの使い方として最も基本的といえる「ハーブティー」。カフェなどの飲食店でも出される時がありますよね。
市販のティーバッグにお湯を注げばすぐに作れそうなイメージですが、実際にはよく見る乾燥ハーブを使用したものだけでなく、生のハーブで作るハーブティーや、ホット・アイスなどの区別によって作り方が異なってきます。
そこで今回は、ドライ/フレッシュ/ホット/アイスの4つのハーブティーの作り方について紹介します。
ハーブティー作る前の確認
- 使いたいハーブが自分の体質や症状に合っているか確認する
- 飲む人の体質や体調に合わせてハーブの量を調整する
- 妊娠中・授乳中・持病がある場合は飲まない方がよいハーブもある
使いたいハーブが自分の体質や症状に合っているか確認する
その日の体調や気分によって使いたいハーブを選びます。
ハーブティーを作る前に、必ず本などで作用と使用上の注意点をチェックします。
飲む人の体質や体調に合わせてハーブの量を調整する
基本的に1日2~3杯くらいを飲むだけなら副作用の心配はありませんが、幼児、高齢者、体調がすぐれない人にハーブティーを出す場合は、使用するハーブを半分量くらいから始めるようにするのが良いとされます。
妊娠中・授乳中・持病がある場合は飲まない方がよいハーブティーもある
また、ハーブの利用については妊娠中、授乳中、アレルギー・持病がある場合、注意が必要です。
使用前に医師に相談し許可が出てからハーブティーを飲むようにしてください。

基本の道具
ティーポット | 陶器または耐熱ガラス製のものを使う (鉄やアルミは避ける) |
ティーカップ | 陶器または耐熱ガラス製のものを使う |
計量カップ | 使用するお湯や水の分量をはかる。ティーカップ1杯分は約180ml |
ティースプーン | 使用するお湯や水の分量をはかる。ティーカップ1杯分は、ドライハーブならティースプーン山盛り1杯~3杯。フレッシュならドライの2~3倍量が基準になる。 |
茶こし | ハーブ・スパイスを漉すときに利用する。ティーカップに茶こしが付いている場合が多いため、使わなくても良い。ハーブによっては葉などが細かくなるので、粗目の細かいものがおすすめ。 |
タイマー | 抽出時間を計るために利用 |
ハーブティーは軟水/硬水で味が異なります。
一般的に軟水が飲まれている日本では、茶葉を少なめにした方がおいしく飲めます。※日本で販売されている書籍の情報に従えばOKです。
ドライハーブティーの淹れ方

乾燥したハーブに含まれる成分を、熱湯で抽出する方法です。
ハーブティー1杯(180~200cc)につき、ティースプーン3杯分くらいがちょうどよい量ですが、味の濃さに合わせて増減できます。※濃すぎるのはNG
葉や茎などの部位は指先でつまむと落ちるくらいの大きさにし、大きい場合は手で細かく刻みます。
- ジャーマンカモミール・・・2杯
- ペパーミント・・・1杯
- 清潔な状態のティーポットを選ぶ。
- 1人分の分量180㏄~200㏄のお湯を準備する。
- 準備している間にポットにドライハーブを入れる。
- ポットにお湯を入れたらすぐに蓋をして軽くゆすぐ。
- 3分~5分くらい待つ。
- カップにハーブティーを注ぐ。ポットから出すときはすべて出し切るようにする。
ポイント
空気が冷える冬場は、ポットとカップ事前に温めておくとハーブティーが少し冷めにくくなります。
固い根の部分などを使用する場合は、抽出に5分~10分ほど時間をかけるようにします。
ローズヒップやフェンネルなど硬い実や種子、ダンディライオンなど根の部分を使用する場合は、乳鉢などでつぶしておくと、お湯にあたる部分が多くなりより成分が抽出しやすくなります。
また、抽出時にあまり長い時間おくと、えぐみや苦みが出てくるので注意が必要です。
ポットにお湯を入れたらすぐに蓋をするようにしてください。蓋を開けたままだと精油など揮発性の抽出成分が蒸発します。

フレッシュハーブティーの淹れ方

作り方はドライハーブティーとほとんど同じですが、フレッシュハーブティーの場合は、通常約3倍量のハーブが必要です。
家庭菜園などで摘んできたハーブは事前に洗っておきましょう。
なるべく柔らかい新しいハーブを使うようにします。また、飲む分量よりも少し多めにハーブを入れるとよいとされます。(1杯分が必要な場合は1杯半くらいの分量をポットに入れる)
- 清潔な状態のティーポットを選ぶ。
- 1人分の分量180㏄~200㏄のお湯を準備する。
- 準備している間にポットにフレッシュハーブを入れる。
- ポットにお湯を入れたらすぐに蓋をして軽くゆすぐ。
- 3分~5分くらい待つ。
- カップにハーブティーを注ぐ。ポットから出すときはすべて出し切るようにする。
ポイント
フレッシュハーブはたくさん入れてもあまり色が出ませんが、水溶性の成分が抽出されます。
フレッシュハーブを使用する際には、使用直前に必要な分だけカットするようにします。
一番香りを引き立たせたいハーブは、手で軽くもんでおくと香りが出やすくなります。
フレッシュハーブをカップの中に入れて、見た目を楽しむこともできます。
フレッシュハーブを使い残した場合は、水に差しておけば別途料理などで活用できるほか、ビニール袋に水を少し入れて冷蔵庫で保存することが可能です。

アイスハーブティーの淹れ方①

ハーブをお湯で抽出した後に、氷で冷やしてティーを作る方法です。
アイスハーブティーの場合はドライハーブ・フレッシュハーブ、いずれもホットと同じ分量を用い、半分量のお湯を注いでつくります。
後から入れる氷の量で、ハーブティーの量や味の濃さを調整します。
- 初めにお湯で煮出す場合はホットの半分量でつくり、後から氷を入れます。
- ハーブティーをカップに注ぐときは、やや高い場所からお湯を落として淹れます。
- そのあと、味が濃い状態のハーブティーに後から氷を加えて味を薄めます。
ポイント
グラスにハーブの葉やフルーツなどを添えると、加えると映えておしゃれになります。
アイスハーブティーの淹れ方②
上記とは別に、水を使用し時間をかけて成分を抽出する方法もあります。
この方法のメリットは、熱で抽出されるカフェインやタンニンといった成分があまり出ないことで、ハーブを容器に入れた後、冷蔵庫に入れておけば出来上がります。
- 容器に細かくしたハーブを入れ、常温の水を灌ぐ
- 蓋をして冷蔵庫で6~8時間抽出する
- 茶こしを使ってグラスやティーカップに注ぐ
ポイント
抽出時に水を使う場合の注意点としては、加熱せず時間をかけて成分を出すため、雑菌が入りやすい点です。
事前に容器を熱湯消毒しておくことで雑菌が入るリスクを減らせます。

ハーブティーを作る時に注意すること
- 作ったその日のうちに飲む。
- 雑菌が入らないよう注意する。
- 長い期間同じハーブティーを飲んだり、多量しない。
- ハーブは薬ではないため、症状が重いときは病院に行くこと。
複数回に分けて飲む
ハーブティーでは、ハーブの有用な成分のうち水溶性のものを抽出するため、約5~6時間後には体内から排出されます。
そのため一度にたくさん飲むよりも、1日3回~4回に分けて飲んだ方が効果的です。
また、作ったハーブティーは時間がたつと酸化するため、その日のうちに飲むようにしたいところです。
雑菌が入らないように注意する
水だしをする場合は雑菌が入らないように注意します。
水出しの場合は、容器を煮沸消毒をしてからハーブティーを作るのが良いとされます。また、容器などの道具類は清潔な状態で保管するようにします。
長期連用はしないこと
長い間同じハーブティーを飲んだり、一度にたくさんの量を飲むと体に不調が起こることがあります。
もし副作用などが出てきた場合はすぐに摂取をやめ、お水(真水)を摂るようにします。
もともとの症状が重い場合は、まず医師の判断を仰ぐことが大切です。
ハーブティーの購入・保存について
基本的にハーブはフレッシュよりもドライの方が日持ちがよく、保管も簡単です。
ハーブティー用のハーブはできるだけ新しいものを選ぶようにしたいため、少量ずつ買い足してすぐに使い切る方が無駄なく活用できます。
- 密閉度の高い容器を利用する。
- 直射日光のあたらない場所に保存する(冷蔵庫でなくてもOK)。
- 温度に気を付ける。
- あれば乾燥材を入れる。