春分の時期はいつ頃?
春分は春の節気の1つで、3月20日~4月3日頃の時期を指します。
一年の中で昼と夜の長さが等しくなる「春分の日(3月21日頃)」は祝日に指定されているので、春分という言葉を耳にする機会も多いですね。
東洋思想的には春分を迎えたのち、夏の夏至に向けて次第に陽の気が強まっていきます。春は時期によって初春・仲春・晩春に分類されますが、春分は仲春の1つで、啓蟄と共に最も春らしい風景が見られる季節です。
春が深まる季節
自然界ではスズメの子供が生まれ、桜が咲き始める頃です。日本で古くから愛されてきた桜は出会いや別れの象徴となって、様々な感情を呼び起こします。
この時期は大陸性高気圧により「春の長雨」が現れやすいのもこの時期の特徴。菜の花や桜の咲く時期に現れるので「菜種梅雨」や「桜流し」と呼ばれることも。また、新しい年を迎えてから一番初めに雷が鳴る季節でもあります。
春分の七十二候
3月20日頃 | 雀始巣(すずめはじめてすくう) | スズメが巣を作り始める頃です。春はスズメの繁殖期で、枯草や羽を集めて巣を作ります。 |
3月25日頃 | 桜始開(さくらはじめてひらく) | 桜の花が咲き始める頃です。薄桃色をした花びらがぽつぽつと開き、やがて満開になります。 |
3月30日頃 | 雷乃発声 (かみなりすなわちこえをはっす) | 雷が鳴り始める頃です。春の時期に鳴る雷「春雷(しゅんらい)」は、すぐにやむことが多いようです。 |
春分の行事・イベント
復活祭 | 3月中~4月中 |
彼岸明け | 3月23日頃 |
利休忌 | 3月27、28日 |
エイプリルフール | 4月1日 |
復活祭は西洋でいうイースターのこと。イエス・キリストが死後に復活したお祝いの日です。
利休忌は安土桃山時代の茶人・千利休の忌日で、茶道の流派ごとに集まって茶会を開きます。
春分の頃が旬の食材
野菜 | うど、からし菜、小松菜、春菊、あさつき、ネギ、カブ、レタス、キャベツ、水菜、たけのこ、菜の花、ほうれん草 三つ葉、ごぼう |
果物 | いちご、はっさく、いよかん、さんぽうかん |
魚・魚介類 | ワカサギ、サワラ、サヨリ、コハダ、ニシン、サザエ、蛤(はまぐり)、アサリ、ヒラメ、アマダイ |
春分の頃に見かける動植物
植物 | 菜の花、桃、桜、桃、片栗、チューリップ、タンポポ、アネモネ、カーネーション、フリージア、ヒヤシンス、スミレ、デイジー |
動物 | テントウムシ、モンシロチョウ、ダンゴムシ、ツバメ、ヒヨドリ、ウミネコ、セグロカモメなど |
3月~5月頃にかけて菜の花畑が各地で見られるようになります。春分の七十二候の1つにも数えられる桜は、是非見に行きましょう。誰かを誘って花見もいいですね。
この時期はテントウムシが葉についているのをよく見かけます。また、ヒヨドリやカモメなどの渡り鳥が、日本に渡来し始めます。
春分の季語・挨拶
春分の季語の一例
時候 | 春社、仲春、初朔日、彼岸 |
天文 | 春疾風、春三日月、春北斗、初電 初雷 |
地理 | 春の野、春の堤、春の水、春の山、残雪、水温む |
生活 | 南瓜蒔く、夕顔蒔く、卒業、枸杞茶、嫁菜飯、わらび餅、農具市 |
春風や雷、彼岸などこの時期ならではの季語が並びます。
旬を迎えるクコの葉や嫁菜は、ご飯と一緒に炊いて食用に。わらび餅もこの時期の季語です。
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 春分を迎え、明るさを感じる季節が訪れました。
- 春の暖かな日和が続き、菜の花が見頃を迎えた今日この頃、お元気にお過ごしでしょうか。
- 桜の花が咲き始め、もうじき満開を迎えます。つつがなくお過ごしでしょうか。
- 仲春の候
- 春分の候
- 春暖の候
- 軽暖の候
- 浅暖の候
- 萌芽の候
- 麗春の候
- 春和の候
- 桜花の候
春分や桜などの言葉のほか、陽春や麗春といった春の明るさ・美しさを使ったあいさつ文を入れたいところです。これからさらに日が長くなり活動しやすいシーズンがめぐってくるので、元気が出るような文章を考えてみては。
まとめ
春分は3月下旬から4月初めの頃を言います。昔の暦や天文学では春分の日が一年の始まりに設定されることも多く、古くから重要な節目の1つでした。起源こそ中国ですが、日本でも平安時代から用いられているそうです。
春分は「自然をたたえ生物をいつくしむ日」と定められているので、この時期の天気がいい春日和には自然の多い場所へ出かけてみては。忙しくてなかなか遠出ができない場合でも、食材や身近な風景から春を取り入れてみると季節感を感じられると思います。