立春の時期はいつ頃?
立春は2月4日~2月18日頃の時期を指します。
「立」には始まりという意味があり、旧暦では立春の初日となる2月4日が新年の始まりとされています。
豆まきを行う2月3日が「節分」と呼ばれるのは、前年と新年の境目になるため。1年というサイクルが終わり、次の新たなサイクルを始める前の特別な時間です。
万物が新たな始まりを迎える季節。新しく計画を立てたり、物事を初めてみたりするのによい時期です。
寒い中にも春が訪れる
暦の上では春ですが、時期的には2月の上旬~中旬にあたるため、地域によってはまだまだ寒さの厳しい季節。
しかし、寒いながらも自然界では時折東から暖かな風が吹いてきたり、鶯(うぐいす)が鳴きはじめたり、カチカチだった氷が解け始めたり…と春の芽吹きを感じられます。
東洋思想では、春の季節は東西南北のうち「東」に対応しており、春は東から訪れると考えられています。
少しずつ「ああ春が来たんだな」と感じられるシーンが増えていきます。
立春の七十二候
2月4日頃 | 東風解凍 (はるかぜこおりをとく) | 東から吹いてきた風が皮や湖の氷を溶かし始める頃です。「東風」(こち)は春風を表す呼び名です。 |
2月9日頃 | 黄鶯睍睆(うぐいすなく) | 山里で、黄色の羽を持つ鴬が鳴き始める頃。紀貫之の逸話「鶯宿梅(おうしゅくばい)」に鶯が登場します。 |
2月14日頃 | 魚上氷(うおこおりをいずる) | 水が温かくなり、氷が割れて魚が飛び跳ねる頃。厳しい寒さが鎮まり、水辺にも春がやってきます。 |
立春の行事・イベント
事納め | 2月8日 |
針供養 | 2月8日 |
初午 | 2月最初の午の日 |
建国記念日 | 2月11日 |
バレンタインデー | 2月14日 |
鳥羽火祭 | 2月の第二日曜日 |
12月8日の「事始め」は新しい年を迎えるための神事が始められる日で、すべての行事を終えて後片付けを済ますべき日が2月8日の「事納め」です。
立春の頃が旬の食材
野菜 | かぶ、白菜、水菜、ごぼう、小松菜、キャベツ、ほうれん草、春菊、菜の花、カリフラワー れんこん、セロリ、ニラ、あさつき、京菜、ワサビ、ふきのとう |
果物 | 金柑、みかん、はっさく、いよかん |
魚・魚介類 | 蛤(はまぐり)、ブリ、ふぐ、ホタテ、イワシ、アンコウ、白魚、ボラ、サヨリ、イトヨリ、カニ、タコ |
立春の頃に見かける動植物
植物 | 梅、椿、福寿草、水仙、コデマリ、ボケ、木蓮、パンジー、シクラメン、サザンカ、冬咲き牡丹、ハコベ |
動物 | ウグイス、メジロ、ツグミ、ルリビタキ、オオハクチョウ、イワナ |
2月に入ると早春の花と呼ばれるクロッカスやシクラメン、パンジー、ビオラなどが咲き始めます。
動物界では春を告げるウグイスやメジロが姿を現します。東北以北であれば、寒い時期にだけ日本に滞在するオオハクチョウなどを見かけることができるかもしれません。
立春の言葉・挨拶
立春の頃の季語
時候 | 春寒、初春、早春、余寒、寒明、旧正月、魚氷に上る |
天文 | ー |
地理 | 薄氷、堅雪、雪解、残雪、凍解、氷解、薄氷 |
生活 | 蕗味噌 、海苔掻き、味噌豆煮る、白魚飯 、梅見、鶯餅、鶯笛 、麦踏、野焼、芝焼く、山焼、畑焼く、藍蒔く、春スキー |
「春」がつく季語が多め。自然界には氷や雪がまだまだ残っていることがわかります。
この時期に使いたい挨拶文
- 立春とはいえ余寒の厳しい時節ですが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅花のみぎり、春が近づいてまいりました。お変わりありませんか。
- 上春の候、ますます御発展のこととお喜び申し上げます。
- 立春の候
- 初春の候
- 早春の候
- 新春の候
- 余寒の候
- 残寒の候
- 春寒の候
- 向春の候
- 上春の候
- 梅花の候
- 解氷の候
新しい一年を迎えたことの喜びや、新年に対する抱負、寒さをいたわる言葉を使ったあいさつ文が使いやすいです。
梅やうぐいすなど春の訪れを告げる動植物の名前を使うと、春らしさを感じられます。
まとめ
立春は一年の始まりとなる節句で、二十四節気の中では一番初めに置かれます。
こたつ必須の時期に「春」といわれてもピンとこないですが、植物や動物は新しい季節に向けて活動の準備を始めています。
東洋思想的には万物における「気」の流れが変わって、新たな世界が形作られるための重要な節目の時期。
現代の感覚だと一年の始まりは1月1日ですが、明治6年にグレゴリオ暦(新暦)に変更される前は旧暦(天保暦など)が使用されていました。
二十四節気は、日本古来の暮らし方を知りたい時に役立つ区分法です。