処暑の時期はいつ頃?
処暑は初秋の節気のひとつで、8月23日~9月6日頃にあたります。
処暑は「暑さが止む」という意味があり、暑さのピークを越え緩やかに気温が下がり始めるのがこの時期の特徴。
実際には9月半ばまで暑い日が続きますが、朝晩は涼しさを感じられ過ごしやすさが増します。
空には筋雲が見えることも。9月1日の雑節「二百十日」頃は台風が来る時期とされています。
夏の暑さが少しずつ鎮まるころ
処暑の頃になると、綿の花から繊維の原料となる綿が収穫できます。
白くてフワフワしているのは種子についている綿毛。雨が降る前にサッと取り除きます。
次第に暑さが収まり、稲などの穀類が稲穂を結びます。秋の実りのシーズンがやってきます。
処暑の七十二候
8月23日頃 | 綿柎開(わたのはなしべひらく) | 綿を包む萼(がく)が開き始める頃です。この時期になると綿花の実がはじけて中から綿が現れます。 |
8月28日頃 | 天地始粛 (てんちはじめてさむし) | 夏の暑さが収まり始める頃です。「粛」には鎮まるという意味があります。 |
9月2日頃 | 禾乃登 (こくものすなわちみのる) | 田んぼの稲が豊かに実る頃です。「禾」は稲や栗などの穀類を意味します。 |
処暑の行事・イベント
地蔵盆 | 8月24日 |
野菜の日 | 8月31日 |
おわら風の盆 | 9月1日~3日 |
二百十日 | 9月1日 |
宝くじの日 | 9月2日 |
地蔵盆(地蔵会)は地蔵菩薩の縁日で、子供の無病息災を願います。
おわら風の盆は富山県の行事のひとつ。収穫前の稲が風の被害にあわないよう祈願をします。
処暑の頃が旬の食材
野菜 | きゅうり、ピーマン、トマト、ナス、かぼちゃ、ししとう、オクラ、とうもろこし、えだまめ、いんげん、にがうり、ゴーヤ、とうがん、白うり |
果物 | スイカ、桃、イチジク、ナシ、ブドウ |
魚・魚介類 | イワシ、アナゴ、スズキ、イサキ、シタビラメ、クロダイ、ハモ、アワビ、クルマエビ |
処暑の頃に見かける動植物
植物 | 月下美人、ヒマワリ、コスモス、ダリア、ハギ、リンドウ、ワレモコウ、シオンなど |
動物 | ヒグラシ、ツクツクボウシ、バッタ、カマキリ、アキアカネ、サンマ、イワシ、ミソサザイ、サンコウチョウ、オジロワシ、オオワシ、ハヤブサなど |
秋の花が増えてきました。月下美人は日本的な名がついていますが、サボテンの仲間でメキシコの原産なのだそう。
ワシやタカの仲間は冬鳥で、9月上旬ごろになると日本に渡来し始めます。
処暑の季語・挨拶
処暑の頃の季語
時候 | 仲秋、二百十日、八朔 |
天文 | 秋の初風、秋の雷、盆東風、御山洗、初嵐、送りまぜ |
地理 | 秋出水、盆波 |
生活 | 秋扇、秋の蚊帳、秋日傘、扇置く、大根蒔く、豆引く、大豆干す、秋の鵜飼 |
立春から数えて210日の日は「二百十日」と呼ばれ、台風の来る目安とされます。
八朔はミカンの仲間の呼び名ですが、季節の言葉のひとつで「旧暦八月一日」のことをいいます。
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 初秋の折、暑さが収まり心穏やかな日々となりました。つつがなくお過ごしでしょうか。
- 秋暑のみぎり、しばしの残暑が残りますが、お障りなくお過ごしでしょうか。
- 夏が過ぎ、清涼の季節が訪れました。ご健勝にてお暮らしのことと存じます。
9月に差し掛かる頃ですが、気温は30℃前後になることもあり暑さがまだ続きます。
はがきや手紙の書き出しは、残暑、秋暑、残炎などを使った一文が使いやすいです。
秋の季節感を出したいなら初秋、新秋といった言葉を用いるとよさそうです。
- 初秋の候
- 早秋の候
- 新秋の候
- 残暑の候
- 秋暑の候
- 早涼の候
- 残炎の候
- 新涼の候
- 清涼の候
- 爽涼の候
まとめ
処暑は8月23日~9月6日頃にやって来る時候で、暑さが収まる目安とされています。
暑い中にも涼しい日も混じり、身体の熱を取りやすくなってきます。
伝統的には夕涼みに縁側で風に当たったり、蚊帳をかけて部屋に外の空気を取り入れたりしていました。
この時期には寒暖差による「寒暖差アレルギー」が多く、鼻詰まりやくしゃみなどの症状が出やすくなります。
ダニやハウスダストなどが原因となる場合が多いため、秋の準備もかねて家の掃除をしてみては。