清明の時期はいつ頃?
清明は春の節気のひとつで、4月4日~19日頃に当たります。
清明とは清らかな春の景色を表す「清浄明潔」という言葉の略で、万物の気が純真で美しい様子を表しています。
春先に芽吹いた生命が輝きを増す頃、春の心地よい風景がみられる春爛漫のシーズンです。
時期的には入学、入社、転勤などで環境が大きく変わることが多く、気分をリフレッシュして新たな一年に臨むべき時でもあります。
渡り鳥が動くころ
温かい気候で暮らすツバメが日本にやって来る頃です。
ツバメの巣は春の風物詩。毎年同じ場所に巣ができることも少なくありません。
反対に、雁など冬場を日本で過ごす鳥は春になると北方へと帰っていきます。
4月前半は強い風と共に雨が降ることも多いのですが、その後は大気中に残った水分に太陽の光が反射して、きれいな虹を見せてくれることがあります。
清明の七十二候
4月5日頃 | 玄鳥至(つばめきたる) | ツバメが南方からやってくる頃です。「玄鳥」(げんちょう)はツバメの別名です。 |
4月10日頃 | 鴻雁北(こうがんかえる) | 雁が北へと飛びたつ頃です。夏の時期はシベリアに滞在し、秋になると日本に戻ってきます。 |
4月15日頃 | 虹始見(にじはじめてあらわる) | 雨上がりの空に虹がかかり始める頃です。夕立の後に、地平線から七色の半輪を見つけられます。 |
清明の行事・イベント
世界保健デー | 4月7日 |
花祭り | 4月8日または5月8日 |
女性の日 | 4月10日 |
春の土用 | 4月17日頃 |
花祭り(灌仏会)は、お釈迦様がこの世に誕生したお祝いの日です。
お釈迦様が生まれた日、空から竜が現れ口から甘い水を出し、それを産湯に使ったと伝えられます。そのため、花祭りでは、仏像に甘茶をかける習わしがあります。
清明の頃が旬の食材
野菜 | キャベツ、からし菜、シイタケ、さやえんどう、たけのこ、三つ葉、じゃがいも、ごぼう、ワラビ、ふき、ゼンマイ、木の芽、うど、アスパラガス |
果物 | いちご、はっさく、いよかん、夏みかん |
魚・魚介類 | タイ、サワラ、ヒラメ、アイナメ、アジ、サバ、タチウオ、サヨリ、メバル、ニシン、トビウオ、蛤(はまぐり) |
清明の頃に見かける動植物
植物 | 桜、桃、菜の花、チューリップ、タンポポ、アカツメクサ、カーネーション、スイートピー、ライラック、バラ、ハナミズキ |
動物 | イワツバメ、キジ、ニホンノウサギ、タイ、オタマジャクシ、アゲハ蝶 |
涼しい地域では、桜の花が咲き始めるころです。ハナミズキやチューリップ、ライラックの花が美しい頃。
地面にはタンポポやアカツメクサ(赤クローバー)が見られます。
動物ではノウサギのほか、田んぼの水辺などでオタマジャクシがたくさん見られる時期です。
清明の季語・挨拶
清明の頃の季語
時候 | 晩春、卯月、花冷え、苗代時、花時 |
天文 | 初虹、花の雨 、花曇、春驟雨、春の露、忘れ霜 |
地理 | 苗代、弥生山、凍返る、凍解、潮干潟 |
生活 | 藍植う、朝顔蒔く、鯛網、田打、花盗人、花の宴、夜桜、苺ミルク |
桜など多くの花が咲き誇るので、花に関する季語が多めです。
雨や露に関するものも。田植え準備のひとつ「田打ち」が始まる頃です。
この時期は温かい日が続きますが急に冷え込む日もあり、この寒さのことを「花冷え」といいます。
この時期に使いたい挨拶文の書き出し
- 陽春を迎え清らかな空気が流れる今日この頃、お元気でお過ごしのことと思います。
- 桜花爛漫の折、桜が満開を迎えました。つつがなくお過ごしでしょうか。
- 春のうららかな季節が巡ってきました。お変わりございませんでしょうか。
入学・入社など新しい季節を迎えるのによい、清らかさや明るさのあるあいさつ文が使いやすいです。
日常的なあいさつなら春の温かさや草花の美しさを述べたものが〇。雨風が強い時期なら「春嵐」などの言葉もつかえます。
- 春暖の候
- 陽春の候
- 春和の候
- 桜花の候
- 麗春の候
- 春嵐の候
- 惜春の候
- 春風駘蕩の候
- 桜花爛漫の候
- 春日遅日の候
まとめ
清明は春の爽やかな頃で、新暦では4月の上旬~中旬にかけての時期にあたります。
天候が荒れることもありますがとても爽やかな季節です。花盛りで外に出ればカラフルな花壇を見かける機会も多いはず。
緊張や不安によるストレスの溜まりやすい時期なので、不眠やイライラに気を付けたいところ。疲れすぎに注意して、新たな物事に取り組みたいところ。
幸い、この頃の旬の食材には心身の回復に役立つ種類がたくさんあります。