コーディアルはシロップのような甘い飲み物で、ハーブに水や砂糖とレモン汁などの酸味を加えて作ります。
イギリスの家庭では手作りされることもあり、風邪や花粉症の予防に活用されてきました。特にエルダーフラワーやジンジャーを使ったものが有名です。
ハーブ以外でもベリー類やハチミツを使ってコーディアルが作れるので、ここでは基本となる作り方について簡単に解説します。
コーディアルの作り方
材料
- 好みのハーブ(フレッシュ) … 40g(ドライハーブを使う場合は20g)
- 水 … 200ml
- 砂糖 … 100g
- レモンのしぼり汁(またはクエン酸) … 大さじ1~2
使用する道具
- 鍋2つ(または鍋とボウル)
- 茶こし・ざる
- 密封容器
作り方
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて、洗って水けをきったハーブを入れる。
- 3分ほど煮だしたら火を止め、蓋をして5分ほど蒸らす
- 茶こしや目の細かいざるでこして別の鍋に移す。砂糖を入れてよく溶かす
- 火にかけて混ぜ、弱火で5分ほど煮る。レモン汁を加えて混ぜ、火を止める。
- 冷ましてから保存容器に入れ、冷蔵庫で保存する。
ポイント
エルダーフラワーやジンジャーを利用したコーディアルが定番です。
砂糖はより栄養価の高いてんさい糖などで代替することもできます。てんさい糖は体を温める効果があるため、冷え性対策にもなります。
保存方法
保存容器に密閉し、冷蔵庫に入れれば1週間ほど保存がききます。
長い間冷蔵庫に入れたままだと、砂糖の種類によっては底の方で固まることもあるので、なるべく早めに使い切るようにした方が良いです。
ハーブコーディアルとは?
コーディアル(英語でcordial)とは、薬用または滋養強壮目的で作られるドリンクのことを指します。
古くは薬用されており、特に心臓に良いとされた飲み物をブレンドしたため、コーディアルは「心臓(ラテン語でcor)」を含めた「心からの」という意味を持ちます。
現在ではハーブや果物を原料としたノンアルコール飲料がコーディアルと呼ばれており、季節のハーブやフルーツを砂糖やはちみつと一緒にブレンドするのが一般的です。
免疫力UPや美容や健康維持に活用できるシロップとしてされています。
ハーブコーディアルの歴史
ルネサンス期のイタリアで、薬剤師によって製造されたのが始まりとされています。
明るい黄色を持つコーディアルは当時、一部の錬金術師によって太陽の光のしずく「cordial vertues(“太陽のしずく”の意味)」が含まれていると考えられていました。
初期のコーディアルはアルコールが含まれており、食後に胃もたれや食べ過ぎによる不快感を鎮めるため胃を落ち着かせる作用を持つと考えられていたスパイス・ハーブで味付けされていました。
水蒸気蒸留法の確立後、15世紀後半にイギリスに伝播し「コーディアルウォーター」と呼ばれたそうです。
コーディアルは心臓や体、精神の活性化を目的として病気の治療に用いられ、18世紀になると娯楽用の飲料として急速に広まりました。今ではイギリスの伝統的な飲み物の一つとして知られています。
最終的にはリキュールとして完成され、コーディアルはフランスで「リキュール・ダルタリー」と呼ばれることがあります。