ククイナッツオイルの特徴
ククイナッツオイルは、ハワイ語で「ククイ」と呼ばれるトウダイグサ科の樹木が原料です。
その実を圧搾することでオイルを取り出すことができます。香りはナッツ系でオイルの色は明るい色。
高い保湿力があるため、ハワイなどの熱帯地域では暑い陽射しから身を守るためにこのオイルが用いられてきました。
ハワイ式マッサージ・ロミロミでは、ククイナッツオイルの使用がすすめられます。
肌なじみが良いので、日光の力が強く暑い時期に塗るオイルとして重宝します。
エピソード
- ハワイでは太陽や潮から肌を守るため、新生児に塗られたそうです。
- 伝統的にククイナッツオイルは切り傷の手当てや便秘薬、下剤などに用いられたそうです。
ククイナッツオイルの効果・効能
ククイナッツオイルは、脂肪酸全体のうちリノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸が約9割を占めています。
不飽和脂肪酸は酸化しやすいですが、人の体内では生成できない必須成分。ククイナッツオイルを上手に使うことで不足しがちな脂質を摂取することができます。
リノール酸、オレイン酸による保湿効果が期待できるので、乾燥肌の人にとっては使いやすいオイルの1つ。
水分を保つのでシワ・たるみの予防にも良いです。
n-3系脂肪酸のα-リノレン酸は、アレルギー体質の改善や抗炎症に役立つといわれています。日焼けによる炎症や肌の湿疹などがある時に試してみたいオイルです。
ビタミンEによる抗酸化作用もあります。
肌への刺激が少ないため、ベビーマッサージ用オイルとしても人気。子供のあせも予防にもおすすめです。
用途 | ボディ、足、顔、ヘッドのマッサージ |
色 | 明るい黄色 |
香り | ナッツのような香り |
肌タイプ | すべての肌質 |
含有成分 | リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、ビタミンE |
和名 | ククイナッツ油 |
使用時の注意点
特に知られていません。
含まれる成分
含まれる脂肪酸の中ではn-6系のリノール酸の割合が最も多いですが、n-3系のαリノレン酸、n-9系のオレイン酸が程よく含まれており、1つのオイルから多様な脂質を用いることができます。
- リノール酸:41.8%
- α-リノレン酸:28.9%
- オレイン酸:19.8%
- その他:9.5%
飽和脂肪酸 | ー |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
ククイナッツオイルの使い方
- マッサージ
- キャンドル
- シャンプー
ボディマッサージによく使われる印象ですが、肌に優しいのでスキンケアにも活用できます。
ククイナッツオイルは保湿力に優れるので、オイルシャンプーにもGood。頭皮や毛髪の乾燥を防ぎ、水分の蒸発から肌・髪保護してくれます。
他の使い道としては、キャンドル用オイルとしても用いられます。
ククイナッツは別名「キャンドルナッツ」とも呼ばれ、ハワイに鯨油がもたらされる前は灯油として使われていたそう。
キャンドルづくりの材料として揃えてみるのもいいですね。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:ククイノキ(ククイナッツ)
ククイノキはトウダイグサ科アレウリテス属の植物で、ハワイの広い地域に分布する熱帯性の植物です。
原産地は東南アジアとされ、ポリネシア地域の人々がハワイに持ち込んだことで広まったと考えられています。
ククイノキはハワイ州の州木で、ハワイの創世神話では「我々人間を護る木」と呼ばれます。また、太平洋の国・タヒチでも「我々の土地に光をもたらす木」と称されているそうです。
ククイの実を連ねたブレスレッドやお守りなどが土産物として販売されているので、ハワイに行く機会があったら購入してみるとよいかもしれませんね。
ククイノキの特徴
ククイノキは樹高15~20mに育つ木で、熱い気候にも強い植物ですが落葉性でもあります。
花期はは比較的長い期間あり、春~秋ごろまで見かけることができるようです。
小さな白い花が集まってできる円錐花序で、見た目的にはエルダーフラワーに似ている感じもします。
ククイナッツと呼ばれる果実は初めオリーブのような緑色ですが、熟すると黒く変化。硬い皮に覆われており、内側には白~薄い茶色の果肉が入っています。
学名 | Aleurites moluccanus |
英名 | candlenut |
科名・属名 | トウダイグサ科アレウリテス属 |
原産地 | 東南アジア |
使用部位 | 果実 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |