ローズヒップオイルの特徴
ローズヒップオイルは、ローズヒップと呼ばれるバラの偽果を圧搾して作るオイルです。
オイルとしての特徴は、日本人の食生活で不足しがちなn-3α系不飽和脂肪酸・α-リノレン酸が多く含まれていることです。
α-リノレン酸は血流を改善させたり、アレルギーを抑制する働きがあるとされ、身体にとっては必要不可欠な成分。ローズヒップは栄養価が高くメディカルハーブとしても使われます。
ローズヒップオイルは酸化しているかのような独特の香りがあるため、他のキャリアオイルとブレンドして使われる場合が多め。
赤色色素のリコピンが含まれているので、オイルの色は薄いオレンジ色です。
とても酸化しやすいので早めに使い切ることが大切です。
エピソード
- ローズヒップはレモンの20倍ものビタミンCが含まれているため、「ビタミンCの爆弾」と呼ばれます。ビタミン
Cは水溶性なのでハーブティーなどで摂取するのがおすすめです。 - 南米のチリではローズヒップオイルが肌の老化防止に役立てられているそうです。
ローズヒップオイルの効果・効能
保湿効果の高いリノール酸が含まれるので、普通肌や乾燥肌への使用がすすめられるオイルです。
オイルに含まれる成分は脂溶性ビタミンのビタミンA、Eのほか、フィトケミカルのアントシアニン類、ティリロサイドなどなど。
ローズヒップオイルは抗酸化や動脈硬化など生活習慣病の予防に良い効果が期待できます。また、ローズヒップから採れるティリロサイドという成分には、脂肪の代謝を促進する作用があります。
特徴的な成分・α-リノレン酸にはアレルギーの抑制効果があるため、湿疹など肌にアレルギー性の炎症がある時に良い効果があるといわれます。血液の滞りが気になる場合も良いでしょう。
オレイン酸による肌への柔軟作用もあります。
そのほか、火傷や肌に残る傷跡の解消にも効果があるとされています。
主な用途 | 足、顔、ボディのマッサージ、スキンケア用品や化粧品の基材、髪のケア、食用油 |
色 | ごく薄い黄色 |
香り | 渋味、苦味を感じる香り |
肌タイプ | 普通肌、乾燥肌 |
含有成分 | リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、ビタミンA、ビタミンE、ティリロサイド、アントシアニジン、プロアントシアニジン、ケルセチン、ヘスペレチン、カフェイン酸、β-カロテン、リコピン |
和名 | 野生バラ油 |
使用時の注意点
酸化しやすいオイルなので、管理には注意が必要です。
含まれる成分
ローズヒップオイルの脂肪酸はほとんどが不飽和脂肪酸で構成されています。
不飽和脂肪酸は人の体内では生成することができないので、オイルを上手に使うことで補給に役立ちます。
- リノール酸:43.6%
- α-リノレン酸:36.2%
- オレイン酸:13.4%
- その他:6.8%
飽和脂肪酸 | ー |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
ローズヒップオイルの使い方
- フェイシャルクリーム
- ローション
- ナイトオイル
独特の香りがあるので外出前は使いにくいですが、ナイトオイルやリラックスタイムのマッサージに便利です。
ローズヒップオイルはボディ用のローションや、フェイシャルクリームなどの原料として使われています。
肌になじみやすく抗酸化効果が高いので、アンチエイジングを目的とした使い方がおすすめ。
シミやたるみ、肌の老化を予防したい時にローズヒップオイルを活用してみてください。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:ローズヒップ(セイヨウノイバラ)
ローズヒップとは、バラ科バラ属の常緑低木からとれる「偽果」と呼ばれる部位のことを言います。
ハーブとして使われるのはセイヨウイノバラやドッグローズ(学名:Rosa canina)と呼ばれる種類で、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどの地域が原産地とされています。
イギリスなどでは、昔から砂糖漬けにして甘くしたシロップが活用されていました。
ローズヒップは美容効果が高いため、ハーブティーやサプリ、美容液などの商品の原料に使われています。
ローズヒップ(セイヨウノイバラ)の特徴
セイヨウノイバラは日当たりが良く、水はけのよい土地を好みます。
木の高さは1~5mほどですが、半つる性のため、他の木などに絡みつきながら蔓を伸ばしていきます。
トゲのある枝には、5~9枚の小葉で構成される羽状複葉が対生。5~6月頃になると、5㎝ほどの白~ピンク色をした一重咲きの花が咲きます。
果実は秋に収穫でき、大きさは1~3cmくらいで、果皮は赤く果肉はオレンジ色をしています。乾燥させると赤いレーズンのようになり、ハーブティーや食用に使うことができるようになります。
学名 | Rosa canina |
英名 | rose hip、dog rose |
科名・属名 | バラ科バラ属 |
原産地 | ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア |
使用部位 | 偽果 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |