イブニングプリムローズ(月見草)オイルの特徴
イブニングプリムローズオイルは月見草油(オイル)とも呼ばれており、必須脂肪酸の中でもγ-リノレン酸を多く含むのが特徴です。
オイルの色は薄い黄色で独特の香りがあります。保湿性があるので乾燥肌によく、湿疹や炎症などによるかゆみがある時にはその症状を鎮めるといわれます。
粘性が高くとろみ感が強めですが、伸びは良い方。酸化しやすく空気や光にさらされるとすぐに酸化が始まるため、早めに使い切るべきとされます。
エピソード
- 伝統的にはネイティブアメリカンが、イブニングプリムローズの種子を傷口の治療に用いたそうです。
イブニングプリムローズ(月見草)オイルの効果・効能
イブニングプリムローズ油は、マッサージではフェイシャルからフットまで幅広く使うことができるオイルです。
このオイルには必須脂肪酸のγ-リノレン酸(GLA)が多く含まれているため、抗炎症作用があり、肌に塗ることで湿疹やニキビ、アトピーなどの肌トラブルを鎮めます。また、乾燥による水分の蒸発を防ぐ働きもあります。
また、原料となるイブニングプリムローズには女性ホルモンの調整作用があり、オイルにもPMSや更年期の症状を和らげる効果があるといわれます。
抗酸化作用の高いビタミンE、美白に役立つエラグ酸などの成分も含まれており、美肌効果も高めです。
用途 | 顔やボディのマッサージ、化粧品の基材、食用油 |
色 | 無色~ごく薄い黄色 |
香り | 香りは強め、こっくりとした独特の香り |
肌タイプ | 普通肌、乾燥肌、敏感肌 |
含有成分 | γ-リノレン酸、ビタミンE、プロアントシアニジン、エラグ酸、没食子酸、ペンタガロイルグルコースなど |
和名 | 月見草油 |
使用時の注意点
酸化しやすいので、空気や光に触れないように保存し、開封したら早めに使い切るようにします。
含まれる成分
不飽和脂肪酸が9割近くを占めているオイルです。
最も多いのはリノール酸で、γ-リノレン酸は10%ほどですが、リノール酸は体内で一部がγ-リノレン酸に代謝されるため、γ-リノレン酸はもう少し多めに含まれていると考えても良さそうです。
- リノール酸:71.6%
- γ-リノレン酸:10.6%
- オレイン酸:7.9%
- ステアリン酸:6.2%
- その他:3.7%
飽和脂肪酸 | ステアリン酸 |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
イブニングプリムローズ(月見草)オイルの使い方
- マッサージ
- パック
- クリームなどの化粧品基材
フェイシャルやボディ・フットのマッサージ、しわやたるみ予防のパック、クリーム、美容液等の原料に活用できます。
顔に直接塗るほか、肌の炎症を抑えるので、肌の浄化・抗菌を目的としたクレイなどのパック剤に混ぜて使うのもいいですね。
酸化しやすいので、肌に塗る場合は室内・短期間で使い切れる活用法がおすすめです。食用ではサプリが使いやすいです。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:イブニングプリムローズ
イブニングプリムローズはアカバナ科マツヨイグサ属の越年草で、夕方に花が咲いたあと朝にしぼむため日本でも「月見草」「雌待宵草(メマツヨイグサ)」と呼ばれます。
原産地は北アメリカ。現地のネイティブアメリカンは種子に限らず、根や茎などの全草を薬として使いました。
イブニングプリムローズの特徴
イブニングプリムローズは耐寒性があり、やや乾燥気味の土地を好む植物です。
野生のものは草丈1mになることも多く、植える時期によりますが、初夏を過ぎると茎先に4枚の花びらを持つ黄色の花を咲かせます。
咲いている時は黄色ですが、花がしぼむ頃にはややピンク色に変化。種子は秋10月頃までに収穫できる場合が多いです。
学名 | Oenothera biennis |
英名 | Evening Primrose |
科名・属名 | アカバナ科マツヨイグサ属 |
原産地 | 北アメリカ |
使用部位 | 種子 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |