アルガンオイルの効能・成分・特徴【マッサージに使われるキャリアオイル】

アルガンオイル
目次

アルガンオイルの特徴

アルガンオイルはアルガンノキという植物の種子から抽出されます。

ナッツ類のような芳香があり、色味は薄い黄金色をしています。

日本でもシャンプーなどに配合されているのを見かけますが、本来は希少なオイルで、100㎏の仁からできるオイルはわずか1ℓ。

希少性が高く優れた効能を持つことから、原産地の名をとって「モロッコの黄金」と呼ばれています。

べたつきのないさらさらとしたオイルで、肌に素早く浸透する性質があります。ややしっとり感があり、顔のマッサージやヘアケア、ボディに使いやすいオイルです。

エピソード

  • アルガンノキの原産地モロッコでは、古くから食用・美容にアルガンオイルが用いられてきました。
  • 伝統的には、現地の女性たちが石臼で低温圧搾(コールドプレス)を行い、アルガンの種子からオイルを取り出します。この作業には約10時間が必要とされます。

アルガンオイルの効果・効能

アルガンオイルは抗酸化に優れたビタミンEが多く含まれるため、アンチエイジング・生活習慣病予防に良い効果が期待できます。

ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールと呼ばれる8つの成分の総称で、トコフェロールにはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類があるのですが、アルガンオイルはそのすべてを含んでいます。

保湿力にも優れているので、肌や髪の潤いを保ちたい時にも便利。

フィトケミカル成分も多く、皮膚や紫外線のダメージを修復したり、抗炎症作用で肌の炎症を抑えるなどの効果があるといわれます。

用途顔のマッサージ、髪のケア、食用油、肌ケア用品や化粧品の基材
薄い黄色
香りナッツのような香ばしい香り
肌タイプ敏感肌、老化肌
含有成分ビタミンA、ビタミンE、γ-トコフェロール、カフェイン酸、ティルカロール、β-アミリン、プチロスベルモル、ルベロール、β-カロテンなど
和名アルガン油

使用時の注意点

酸化しやすいので、開封後は3カ月程度で使い切るようにします。

含まれる脂肪酸

アルガンオイルは不飽和脂肪酸が多く含まれるオイルで、オイル全体のうち約8割を占めています。特に多いのはオレイン酸、全体の半分を占めています。

オレイン酸やリノール酸は人の皮脂に近い成分なので、これらを多く含むアルガンオイルは肌に対するなじみが良いのが特徴です。

  • オレイン酸 : 47.3%
  • リノール酸 : 33.2%
  • パルチミン酸 : 13%
  • その他:6.5%
飽和脂肪酸パルミチン酸 、ステアリン酸
不飽和脂肪酸オレイン酸、リノール酸、リノレン酸
飽和脂肪酸とは?

飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。

不飽和脂肪酸とは?

人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。

アルガンオイルの使い道

  • マッサージオイル
  • 整髪料、肌ケア用品や化粧品の基材

化粧品用のアルガンオイルはヘッドからボディまで使い勝手が良く、マッサージのほか整髪料に使われます。

洗髪後タオルで軽く髪の水分をふき取り、適量のオイルを髪になじませて使います。

潤いをもたらすので、普段髪がパサパサしがちであれば、アルガンオイルが配合されたシャンプーなどを探してみるとよいかもしれませんね。

そのほか、リップやクリーム、乳液、美容液などの原料に加えることができます。食用のオイルも販売されているので、料理が好きな方はこちらも〇。

基本的なキャリアオイルの使い方
  • 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
  • オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
  • 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
  • フェイシャルの場合は0.5%以下にします

原料となる植物:アルガンノキ

アプリコットカーネルオイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】

アルガンノキ(アルガンの木)はアカテツ科アルガンノキ属の被子植物で、アフリカ大陸の北西端に自生しています。

国でいうとモロッコ南部~サハラ砂漠のあたりで、アルガンオイルはこの植物の種子を圧搾して作られます。

地元では家畜のヤギがこの木に登って実を食べるそうで、なかなか珍しい光景が見れるのだとか。

美容オイルとして世界的に人気ですが、近年は伐採により生息数が減少しており保全対象になっているとのことです。

アルガンノキの特徴

乾燥地帯で育つことから暑さや乾燥に強い植物です。

アルガンの育つ地域は寒暖差が大きく、気温は3~50℃とふり幅が大きいのですが、その環境にもよく耐える性質があります。

また、寿命の長い木で、150年以上生きているものが多いそう。成長すると8~10mほどになり、トゲのある枝に披針形の細長い葉が生えてきます。

小さなレモンに似た形の果実は、熟してから6~7月頃に収穫され、種子がアルガンオイルの原料に用いられます。

学名Sideroxylon spinosum
英名Argania
科名・属名アカテツ科
原産地アフリカ大陸北西
使用部位種子

主なキャリアオイル

アプリコットカーネルアボカドアルガン
アルニカイブニングプリムローズウィートジャーム
オリーブカメリアカレンデュラ
キャスターククイナッツグレープシード
ココナッツサンフラワーシアバター
スイートアーモンドセサミセントジョンズワート
ピーチカーネルピーナッツフラックスシード
ヘーゼルナッツホホバボリジ(ボラージ)
マカダミアナッツローズヒップ

参考文献

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