ウィートジャームオイルの特徴
ウィートジャームオイルは小麦胚芽を原料にして作られるオイルで、抗酸化に優れたビタミンEが多く含まれるため油としては酸化に強いのが特徴です。
このオイルは他のオイルに酸化防止剤としてブレンドされることも多く、グレープシード、フラックスシードなどの酸化しやすいオイルをよく使う場合はこちらも別途用意しておくと便利。
基本的にウィートジャームオイル自体は粘性が高く、とろみがあります。保湿には向きますが伸びはあまりよくないので、単独よりもブレンド向きのオイルです。
エピソード
- 未精製のウィートジャームオイルには独特の香りがあります。
ウィートジャームオイルの効果・効能
ウィートジャームオイルは皮膚を柔らかくする作用のほか、皮膚炎の症状を緩和するのによい働きがあるといわれています。
また、ビタミン類やミネラル類が豊富なため、肌に潤いを与えて調子を整えます。
抗酸化に役立つビタミンEの含有量も多いので、肌の乾燥や老化を防止するのに役立つオイルです。
ビタミン類の中では、ビタミンB₁など疲労回復に役立つ栄養素も含まれているため、全身のマッサージに活用すると疲労回復効果があるといいます。
用途 | 顔やボディ、フットのマッサージ、肌ケア用品や化粧品の基材、食用油 |
色 | 薄い黄色 |
香り | 麦など穀類のような香り |
肌タイプ | 普通肌、乾燥肌、敏感肌 |
含有成分 | ビタミン類(ビタミンA、B₁、B₂、B₃、B₆、E、F)、ミネラル類(塩素、コバルト、鉄、カリウム、マグネシウム、マンガン、ナトリウム、硫黄、ケイ素、亜鉛)など |
和名 | 小麦胚芽油 |
使用時の注意点
小麦アレルギーがある場合は使用しないようにします。
含まれる脂肪酸
- リノール酸:58%
- オレイン酸:18%
- パルミチン酸:17%
- リノレン酸:10%
飽和脂肪酸 | パルミチン酸 |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸、リノレン酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
ウィートジャームオイルの使い道
- マッサージ
- 植物油のベースオイル
ウィートジャームオイルは防腐剤として、酸化しやすいオイルに10%ほど加えて使われます。
粘性があるので、ブレンドするときはサラサラしたオイルと混ぜると伸びの良さが良い具合に。
マッサージに使うと皮膚柔軟作用により肌がしなやかになるほか、皮膚の再生をも促します。
疲れを感じている時や肌がガサガサしがちな時に使いたいオイルです。
イブニングプリムローズ、グレープシード、サンフラワー、セサミ、フラックスシード、ローズヒップなど
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:小麦
ウィートジャームオイルの原料になるのは小麦の胚芽と呼ばれる部位です。胚芽は種子の中にあり、将来新芽になる部分のことをいいます。(残りの部分は発芽のために必要な栄養分)
小麦はもともと西アジア原産の植物ですが、温暖な気候であれば栽培しやすいため、世界各地で生産されています。パンやパスタ、ピザ、菓子類など日本でも見かけない日はないくらい重要な食材ですよね。
世界三大穀物のひとつで、人間とも長い付き合いのある植物です。最も古い栽培の形跡は、なんと紀元前1万5千年ほど前にさかのぼるといわれています。
小麦の特徴
小麦はイネ科コムギ属の1年草で、暖かい気候を好み、乾燥にも比較的耐性のある植物です。
茎は成長すると1mほどになり、秋まきであれば春に茎先に穂状の花が連なります。その後7月頃に穂が褐色に色づくと、収穫が始まります。
小麦の種子には3大栄養素の炭水化物、たんぱく質、脂質のほかデンプンや食物繊維が含まれており、胚芽の部分にはビタミン類やミネラル類が豊富に含まれています。
- パンコムギ(学名: Triticum aestivum)
- クラブコムギ(学名: Triticum compactum)
- デュラムコムギ(学名: Triticum durum)
学名 | Triticum vulgare、Triticum aestivum |
英名 | Wheat |
科名・属名 | イネ科コムギ属 |
原産地 | ユーラシア大陸中部 コーカサス~メソポタミア地域 |
使用部位 | 仁(種子) |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |