キャスター(カスター)オイルの効能・成分・特徴【マッサージに使われるキャリアオイル】

キャスター(カスター)オイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】
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キャスターオイルの特徴

キャスターオイルはトウゴマの種子から採れるオイルで、日本では「ヒマシ油」の名で知られています。

身体に溜まった毒素や老廃物を排出する働きがあるとされ、5000年の歴史を持つインドの伝統医学・アーユルヴェーダでも使われてきました。

粘度が高いオイルのため伸びが悪く、肌への浸透性も良くないため、マッサージよりもリップクリームやヘアケア用品、石鹸の原料に用いられるオイルです。

エピソード

  • インド・中国などの東洋では便秘の解消に用いられました。
  • ヨーロッパでは古代ギリシャ時代から用いられており、インド産のキャスターオイルは「インドの胡麻」と呼ばれたそうです。

キャスターオイルの効果・効能

キャスターオイルは、その成分のうち9割近くをリシノール酸が占めています。

リシノール酸はω-9系の不飽和脂肪酸で、自律神経の調子を整えて免疫を高める働きがあるといわれています。

また、 鎮痛作用や抗炎症作用があり、肌の炎症や火傷、傷の治りを早める働きがあるとされます。

保湿効果が高いので、乾燥肌に使いやすいオイルです。保湿を目的としたケア用品の原料にも〇。マッサージに使いたい場合は、他のオイルとブレンドすると肌なじみがスムーズになります。

また、精油をブレンドしたときに香りの持ちを良くするという性質があるそうです。

用途ヘッドのマッサージ、ヘアケア、化粧品の基材、石鹸など
無色~薄い黄色
香り淡白。油特有の香りが強め。
肌タイプ乾燥肌
含有成分リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ビタミンEなど
和名ひまし油、蓖麻子油

使用時の注意点

  • 不飽和脂肪酸が多く酸化しやすいオイルです。開封後はなるべく早めに使い切りましょう。
  • 妊娠中や生理中の使用は避けた方が良いオイルです。

含まれる脂肪酸

全体の9割を占めるリシノール酸の他、不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸が含まれます。

  • リシノール酸:87%
  • オレイン酸:7%
  • リノール酸:3%
  • その他:3%
飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸リシノール酸、オレイン酸、リノール酸
飽和脂肪酸とは?

飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。

不飽和脂肪酸とは?

人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。

キャスターオイルオイルの使い道

  • 化粧品などの基材
  • 整髪料
  • マニキュア、リムーバー
  • 口紅、リップクリーム
  • 石鹸

キャスターオイルは重厚でしっとり感が強く、髪のコンディションを整えるためのオイルや、リップクリームなどの原料に使いやすいオイルです。

乾燥で肌や髪がゴワゴワ・パサパサしてしまう時にキャスターオイルを取り入れてみては。

ネイル用オイルにもおすすめで、光沢のあるきれいな爪を作りたいとき助けになってくれます。その他、保湿を目的とした石鹸などにも使い道があります。

基本的なキャリアオイルの使い方
  • 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
  • オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
  • 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
  • フェイシャルの場合は0.5%以下にします

原料となる植物:トウゴマ

キャスター(カスター)オイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】

キャスターオイルの原料となるトウゴマはトウダイグサ科トウゴマ属の多年草で、原産地ははっきりしませんが、インドや北アフリカといわれています。

別名を「ヒマ」といい、世界各地で灯油や便秘薬として活用されていました。基本的に食用ではなく外用のみに使われるオイルで、アーユルヴェーダでは腰痛、胸膜痛、坐骨神経痛、リウマチの症状を鎮めるのに使われていたといいます。

トウゴマの特徴

トウゴマは原産地では常緑の多年草ですが、温かい気候を好むため日本では冬に枯れてしまい1年草として扱われます。

高さは2~3mほどのサイズで、原産地では10mを超すものもあるそう。天狗のうちわに似た形の大きめの葉が特徴的です。

7月を過ぎると開花期を迎えます。花は赤い色の雌花と薄い黄色の雄花に分かれており、花後には独特の模様を持つ種子が収穫できます。この種子を圧搾してオイルを作ります。

学名Ricinus communis
英名Castor bean
和名トウゴマ(唐胡麻)
科名・属名トウダイグサ科トウゴマ属
原産地東アフリカといわれる
使用部位種子

主なキャリアオイル

アプリコットカーネルアボカドアルガン
アルニカイブニングプリムローズウィートジャーム
オリーブカメリアカレンデュラ
キャスターククイナッツグレープシード
ココナッツサンフラワーシアバター
スイートアーモンドセサミセントジョンズワート
ピーチカーネルピーナッツフラックスシード
ヘーゼルナッツホホバボリジ(ボラージ)
マカダミアナッツローズヒップ

参考文献

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