ボリジ(ボラージ)オイルの効能・成分・特徴【マッサージに使われるキャリアオイル】

ボリジ(ボラージ)オイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】
目次

ボリジ(ボラージ)オイルの特徴

ボリジオイルはボリジと呼ばれるハーブの種子から採れるオイルで、不飽和脂肪酸のγ-リノレン酸(ビタミンFともいう)を多く含むのが特徴です。

γ-リノレン酸は母乳にも含まれる成分で、食べ物からはほとんど摂取できない貴重な脂質。中性脂肪の上昇抑制作用のほか、ホルモンバランスを整える働きがあるといわれます。

ヨーロッパではボリジオイルのサプリメントがPMSや更年期障害対策に使われるそう。

肌への刺激が少ないのでマッサージにも使うことができ、粘性・特有の香りはありますが普通肌、乾燥肌、敏感肌へのケアに用いることができます。

ボリジオイルは不飽和脂肪酸の含有量が多く、酸化しやすいため取扱いに注意が必要です。

早めに使い切るか、ウィートジャームオイルなど酸化力の強いオイルとブレンドして使います。

エピソード

  • ヨーロッパ中世の頃、ボリジオイルが抗炎症剤に用いられたことが伝わっています。
  • ボリジは気持ちの落ち込みや、悲しみを癒すハーブとして評価されてきました。

ボリジ(ボラージ)オイルの効果・効能

ボリジオイルにはγ-リノレン酸以外にも、保湿やコレステロール値の低下に役立つリノール酸や、肌の柔軟作用・悪玉コレステロールの抑制といった効果を持つオレイン酸が含まれます。

肌になじませることで保湿によく、シワの予防に効果があるといわれます。

γ-リノレン酸はボリジオイルに含まれる全脂肪酸のうち16~23%を占めるとされ、数ある植物油の中で最も含有量が高いことで知られています。

γ-リノレン酸はコレステロール値の低下を防ぐほか、中性脂肪の上昇を抑えたり、女性ホルモンの分泌を調整して女性特有の「揺らぎ」を改善する働きが。

ホルモンバランスの乱れからくる気持ちの落ち込みの改善にも役立ちます。

また、このオイルを肌に塗ることで、湿疹や乾癬などの肌トラブルを緩和させる働きがあるといわれています。

用途顔、ボディのマッサージ、サプリ
ほぼ無臭
香り植物特有のやや臭みがある香り
肌タイプ普通肌、乾燥肌、敏感肌
含有成分リノール酸、γ-リノレン酸、オレイン酸、ビタミンE
和名

使用時の注意点

γ-リノレン酸は光や熱、湿気、酸素などにより壊れやすいので、オイルは涼しく暗い場所で保管する必要があります。

含まれる成分

  • リノール酸:45%
  • γ-リノレン酸:25%
  • オレイン酸:20%
  • その他:10%
飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸オレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸
飽和脂肪酸とは?

飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。

不飽和脂肪酸とは?

人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。

ボリジ(ボラージ)オイルの使い方

  • マッサージ
  • 肌用クリーム
  • ボディミルク

マッサージオイルとしては酸化しやすくやや伸びが悪いという弱点があるため、サラサラの伸びが良いオイルや抗酸化力の強いオイルとブレンドすることで、デメリットを改善させることができます。

顔・ボディのマッサージに〇。スキンケア用品ではクリームやボディミルクに配合されています。

γ-リノレン酸を含むオイルにはイブニングプリムローズオイル(月見草油)もあるので、そちらを選択肢に入れてもOK。

キャリアオイル以外ではサプリが販売されているので、手軽さを求めるならサプリもよいでしょう。

基本的なキャリアオイルの使い方
  • 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
  • オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
  • 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
  • フェイシャルの場合は0.5%以下にします

原料となる植物:ボリジ

ボリジ(ボラージ)オイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】

ボリジオイルの原料となるのはボリジというハーブの種子です。

ボリジはムラサキ科ルリジサ属の一年草で、南ヨーロッパあるいは中東が原産地の植物です。

古代ギリシャ時代からその薬効が注目され、「心を明るくする」「喜びをもたらす」として評価されていました。

また、ボリジの花から取れる汁は「マドンナブルー」という絵具の材料になり、昔はこの色を使って聖母マリアが羽織る青いマントの色を塗ったそうです。

ボリジの特徴

日当たりが良く水はけのよい土地を好みます。春まき・秋まきどちらもできますが、温暖地域では秋に、寒冷地域では春に蒔くのが良いとされます。

高さは約60~80㎝で、大きく広がって成長します。

茎や葉、花まで全草に白い毛が生えているのが特徴。キュウリに似た香りがあります。

葉は地上付近から出る根出葉と茎葉に分かれており、根出馬は楕円形で5~20cmほど。茎葉はそれよりも小さくなります。

6~8月になると、茎先に2㎝ほどの星形の青い花を咲かせます。花後に収穫できる種子は丸型です。

学名Borago officinalis
英名Borage
科名・属名ムラサキ科ルリジサ属
原産地南ヨーロッパ
使用部位種子

主なキャリアオイル

アプリコットカーネルアボカドアルガン
アルニカイブニングプリムローズウィートジャーム
オリーブカメリアカレンデュラ
キャスターククイナッツグレープシード
ココナッツサンフラワーシアバター
スイートアーモンドセサミセントジョンズワート
ピーチカーネルピーナッツフラックスシード
ヘーゼルナッツホホバボリジ(ボラージ)
マカダミアナッツローズヒップ

参考文献

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