フラックスシード(亜麻仁)オイルの特徴
フラックスシードオイルは亜麻の種子から圧搾して作られるオイルで、独特の香りと透き通った黄金色を持ちます。
別名をリンシードオイルといい、食用ほのか、油絵の具の顔料をキャンバスに定着させるのにも用いられます。
肌への浸透性は良い方ですが、粘性が高く伸びはあまりよくないため、マッサージに使う場合は他のオイルとブレンドして使うのがおすすめ。
アレルギーによる肌の炎症などを改善する働きがあるといわれ、アトピー肌や火傷など肌の炎症がある時に良い効果があるとされます。
エピソード
肌用クリーム、シェービングクリーム、薬用せっけんなどとして使われています。
フラックスシード(亜麻仁)オイルの効果・効能
フラックスシードオイルには、必須脂肪酸のα-リノレン酸が多く含まれています。α-リノレン酸は必須脂肪酸のうち、不足しがちなω-3系の脂肪酸に分類されます。
人の体内では生成することができないので、是非摂取したい成分。
血の流れを良くしたり、アレルギー体質を改善させてアトピーや花粉症の症状を和らげる働きがあるといわれています。
このオイルにはビタミンAやEも含まれており、いずれも抗酸化ビタミンと呼ばれています。アンチエイジング効果も期待できるでしょう。
フラックスシードは肌の水分を保つ効果があるという研究結果もあり、保湿効果も高めだとされます。そのため、乾燥肌の傾向がある場合にも有用なオイルです。
用途 | 顔、ボディのマッサージ、肌ケア用品の基材、食用油 |
色 | 薄い黄色 |
香り | 魚のような独特の香り |
肌タイプ | アトピーなどアレルギー体質がある場合の肌 |
含有成分 | ビタミンA、ビタミンE、ピノレシノール、ラリシレシノール、セコイソラシレシノール、β-カロテン |
和名 | 亜麻仁油 |
化粧品表示名称 | アマニ油 |
使用時の注意点
酸化しやすいので、開封したら早め(3カ月くらい)で使い切るようにします。
含まれる成分
フラックスシードの脂肪組成はほとんどが不飽和脂肪酸です。コレステロール値や血圧が気になる場合にも、活用しやすいオイルです。
- α-リノレン酸:50%
- オレイン酸:14%
- リノール酸:15%
- その他:21%
飽和脂肪酸 | ー |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
フラックスシード(亜麻仁)オイルの使い道
- マッサージ
- オイルクレンジング
- パック
- 食用
肌の炎症を抑えたり保湿に役立つ働きがあるので、オイルクレンジングやパックに使うとフラックスシードのパワーをうまく活用できます。
ただ、フラックスシードオイルは酸化しやすいので、肌に使う場合はなるべく早めに落とした方が良いと考えられます。
酸化した油分を肌に付けたまま紫外線を浴びると、いわゆる「油焼け」と呼ばれるシミなどの原因になることがあるためです。
特に肌への使用にこだわらないのであれば、食用のオイルをスムージーなどに加えて摂取するのもアリです。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:亜麻
亜麻はアマ科アマ属の一年草で、アマニ(亜麻仁)と呼ばれる種子がオイルの原料になります。
フラックス(flax)は英語名で、毛髪の色として表現されることもありますね。
人類が最も古くから栽培してきた植物の1つとされ、亜麻の茎から採れる繊維は、紀元前3500年頃に栄え始めた古代メソポタミア時代から衣服に使われていたそうです。
現在でもリネンと呼ばれる生地はこの亜麻から作られています。
亜麻の特徴
亜麻は中東地域が原産地なので温かい気候を好むイメージですが、高温に弱く乾燥に強い植物で、日本では北海道のみで栽培されています。
高さは50㎝~1mほどに育ち、茎からは線形の細長い葉が互生します。5月頃になると青くてきれいな花が開花します。
繊維として収穫する場合は、7月頃に花が終わってから収穫。種子を収穫する場合は、晩夏に種子が熟してから収穫を行うそうです。
学名 | Linum usitatissimum |
英名 | Flax、 Linseed |
科名・属名 | アマ科 |
原産地 | コーカサス~中東 |
使用部位 | 種子 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |