カメリアオイル(椿油)の特徴
カメリアオイルは日本では「椿油」の名でよく知られているオイルです。
日本原産のツバキの種子を圧搾することで採取でき、平安時代初期から整髪料に用いられていました。
ホホバオイル、オリーブオイルと並ぶ世界三大油の1つで、オリーブオイルに多く含まれる不飽和脂肪酸・オレイン酸が豊富なのが特徴です。
オレイン酸は人の皮膚に近い成分なので、カメリアオイルは肌なじみがとても良いです。
また、オレイン酸の働きにより保湿・浸透性に優れているため、肌に塗るとしっとり・なめらかになるのがポイント。
カメリアオイルは乾燥しにくい性質があるので、肌の潤いを保ちたい時に役立ってくれます。
エピソード
- 椿油は平安時代の頃、不老長寿の薬の1つとされており、当時日本から中国へ貢物をするときに贈答品として椿油が送られたそうです。
- 椿油の原産地は各地にあり、東京都の伊豆大島・利島、静岡県の伊豆、長崎県にある五島列島の福江島、新潟県の佐渡島のものが特に有名です。
カメリアオイル(椿油)の効果・効能
カメリアオイルは肌や髪の保湿に使いやすいオイルです。
そのため、普段から肌が乾燥気味の人や、水分が失われてシワやたるみが出ている時に用いると、肌からの水分の蒸発を抑えて潤いを取り戻してくれるでしょう。
脂肪酸のうち約85%を占めるオレイン酸には、悪玉コレステロールを抑えてコレステロール値の上昇を抑える働きがあります。
コレステロール値が上がると動脈硬化が進み、血管系の疾患(心筋梗塞や脳卒中など)にかかるリスクが高まるので、カメリアオイルは生活習慣病の予防にも良い効果があるといわれています。
オレイン酸を含む脂肪酸のグループ・不飽和脂肪酸は体内で動脈硬化を防いだり、炎症を抑えたりする働きがありますが、化学的には不安定で酸化しやすいのが難点。
しかし、オレイン酸は不飽和脂肪酸の中では酸化に強いため、オレイン酸を多く含むカメリアオイルも比較的酸化に強い特徴があります。
用途 | 全身のマッサージ、髪のケア、食用油 |
色 | 薄い黄色 |
香り | ほぼ無臭 |
肌タイプ | 乾燥肌、老化肌 |
含有成分 | オレイン酸、リノール酸、ビタミンEなど |
和名 | 椿油 |
使用時の注意点
一度にたくさん使用するとべたつきの原因になります。
含まれる成分
- オレイン酸:85%
- リノール酸:3.8%
- その他:11.2%
飽和脂肪酸 | ー |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸、リノール酸 |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
カメリアオイル(椿油)の使い方
- マッサージ
- ヘアクリーム
- シャンプー
カメリアオイルは全身のマッサージに使えますが、特におすすめなのが頭皮のマッサージです。
お風呂上りにカメリアオイルを少量手に取って、頭や体を優しくマッサージしてみてください。肌がすごーくしっとりします。ややヌルヌル感がある場合もありますが、保湿効果はピカイチです。
髪が痛んだりパサパサしがちな時には、カメリアオイル配合のヘアケア用品を使ってみるとよい効果があるかもしれません。
市販のオイルシャンプーやヘアクリームが数多く販売されています。
世界三大油に並べられるすごいオイルなのに、日本では比較的安価に入手できることも多いので機会があれば手に取ってほしいオイルです。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:ツバキ
ツバキはツバキ科ツバキ属の常緑高木で、日本原産の樹木です。
日本では北海道の南西部から鹿児島の南西諸島まで広範囲で見かけることができ、昔から観賞用や美術のモチーフとして親しまれてきました。
学名もカメリア・ジャポニカ (Camellia japonica)といい、「日本の」という名がつけられています。
椿油は平安時代初期、まだ遣唐使が派遣されていたころ既に用いられていたそうで、当時から食用・灯用・化粧用と幅広く活用されていたといいます。
ツバキの特徴
ツバキは高温すぎない程度に温かい気候と、日本に多い弱酸性の土・水はけのよい土を好みます。
庭で育てられるものは5メートル程度のものが多いですが、本来は高木で15m以上に育つそう。葉は先の尖った楕円形で光沢のある濃緑色です。
ツバキの花は秋11月頃から、春温かくなる4月頃にかけての時期に咲くことが多いです。品種によって花の色や形は様々ですが、赤や濃いピンクが多め。
種は8月中旬ごろ~11月頃に採取できるので、これを圧搾してオイルを作ります。
学名 | Camellia japonica |
英名 | Camellia |
科名・属名 | ツバキ科ツバキ属 |
原産地 | 日本 |
使用部位 | 種子 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |