ココナッツオイルの特徴
温かい地域で収穫できるココナッツの果実を用いたオイルで、種子にあたる核果の胚乳から油が採取されます。
ココナッツオイルの特徴は、動物に多く含まれる飽和脂肪酸の含有量が多いことです。
植物に含まれるオイルの多くは不飽和脂肪酸のため酸化が速いのですが、ココナッツオイルは酸化に強い飽和脂肪酸が約50%以上も含まれているため、他にオイルに比べると長持ちしやすいというメリットがあります。
25~27℃の温度でほぼ透明の液体になり、0℃では白みのある固形に。
オイルは粘性が低く、肌に塗るとサラサラとした質感があります。
エピソード
- インドの伝統医学・アーユルヴェーダではココナッツオイルを火傷や抜け毛、循環器系の治療などに用いていたといいます。
- 敵視的にココヤシは東南アジアやオセアニア地域では神聖視される植物で、オイルも実用的な食材・健康品として評価されてきました。
ココナッツオイルの効果・効能
ココナッツオイルは肌を滑らかにする効果があり、塗るとサラサラの肌触りになります。
特にカサカサしがちな乾燥肌によく、手足や頭皮の乾燥がある時にココナッツオイルを少量手に取ってなじませると改善が期待できます。
ただし、ココナッツオイルに含まれる成分のうちラウリン酸は肌に残りやすいため、沢山塗るとニキビや湿疹の原因になることも。乾燥肌、敏感肌の人は塗りすぎに注意が必要です。
一方ラウリン酸は母乳と同じ成分で、免疫力を高める働きがあります。
ココナッツオイルには脂溶性かつ抗酸化に優れたビタミンEが含まれているため、肌のアンチエイジングにも役立ちます。浸透性に優れているので、アンチエイジング用オイルとして使うのもアリですね。
その他、ダイエットやアルツハイマー病の予防にも効果があるといわれています。
用途 | ヘッドのマッサージ |
色 | 無色(固形の時は白くなる) |
香り | ほのかにココナッツの香りがする |
肌タイプ | すべての肌質 |
含有成分 | トリグリセリド:ラウリン酸、カプリン酸、カプロン酸、トリミリスチン、トリラウリン、トリオレイン、トリステアリン、トリパルミチン、カプリル酸グリセリド その他の成分:ビタミンEなど |
和名 | ヤシ油 |
医薬部外品表示名称 | ヤシ油 |
使用時の注意点
- 含まれる成分のラウリン酸は肌に残りやすいため、沢山塗るとニキビや湿疹の原因になることがあります。
- ナッツ系のアレルギーがある場合は注意。
含まれる成分
- ラウリン酸:48%
- ミリスチン酸:16%
- カプリル酸:4%
- カプリン酸:5%
- その他:27%
飽和脂肪酸 | ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリル酸、カプリン酸 |
不飽和脂肪酸 | ー |
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。
不飽和脂肪酸とは?
人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。
ココナッツオイルの使い方
- マッサージ
- ヘアーコンディショナー、ポマード
- サンオイル
- 口紅
- 石鹸
ココナッツオイルは皮膚を柔らかくしたい時のマッサージに用いる他、ヘアケア用品(ヘアーコンディショナー、ポマード)の基材として使われます。
ココナッツオイルを古くから用いてきた熱帯地域の人は、小さい頃からココナッツオイルを体に塗りこむため、頭皮や髪の傷みがすくないのだとか。
紫外線を通さない(日焼けは促進)ので、肌を守る効果が高くサンオイルにも使われます。
その他、肌なじみが良いので石鹸や口紅などの原料として役立てられます。
夏の時期に外に出る機会が多い人は、持っていると便利かもしれませんね。
- 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
- オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
- 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
- フェイシャルの場合は0.5%以下にします
原料となる植物:ココナッツ(ココヤシ)
ココナッツはココヤシと呼ばれる、ヤシ科ココヤシ属の木から採れる果実のことです。
「ヤシの実」と呼ばれることもありますが、食品としては「ココナッツ」の方が一般的。ココヤシの起源はよくわかっていませんが、東南アジアからマレーシア、ポリネシア地域に広がったと考えられているようです。
そのため、東南アジア諸国やハワイなどの地域では、ココナッツミルクを使ったレシピも多数見かけます。
ココナッツ(ココヤシ)の特徴
ココヤシは熱帯地域の植物なので、常時20℃~30℃の気温が必要とされています。15℃以下では枯れてしまうため、日本でも基本的に九州以南の温かい地域でしか見かけません。
背の高い植物で、育つと25~30mに達する高さまで成長します。
また、木の頂上付近につく羽状複葉の葉も大きく、5mほどの長さになるものもあるそう。ココヤシは雌雄同株で、真夏になると大きな房上の黄色い花が咲きます。
果実のココナッツは一年中実るため、時期を問わず収穫できます。一本の木から年に約80個の実が収穫できるといわれており、種類によっては200個以上になることもあるといいます。
ココナッツは硬い内果皮と繊維質の果皮で覆われており、これを割ることで中の白い果肉が採れるようになります。
学名 | Cocos nucifera |
英名 | coconut |
科名・属名 | ヤシ科ココヤシ属 |
原産地 | ポリネシア~熱帯アジア |
使用部位 | 果実 |
主なキャリアオイル
アプリコットカーネル | アボカド | アルガン |
アルニカ | イブニングプリムローズ | ウィートジャーム |
オリーブ | カメリア | カレンデュラ |
キャスター | ククイナッツ | グレープシード |
ココナッツ | サンフラワー | シアバター |
スイートアーモンド | セサミ | セントジョンズワート |
ピーチカーネル | ピーナッツ | フラックスシード |
ヘーゼルナッツ | ホホバ | ボリジ(ボラージ) |
マカダミアナッツ | ローズヒップ |