アプリコットカーネルオイルの効能・成分・特徴【マッサージに使われるキャリアオイル】

アプリコットカーネルオイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】
目次

アプリコットカーネルオイルの特徴

アプリコットカーネルオイルはアンズやホンアンズと呼ばれる樹木の種子から採れるオイルで、さらさらとしていて肌滑りがよいのが特徴です。

オイルの色は黄金色で、わずかにアーモンドのような香りを感じられます。

よく似た成分を持つスイートアーモンドオイルが用いられることが多いため、キャリアオイルの中ではメジャーな種類ではありませんが、肌になじみやすく敏感肌の人にも使いやすいオイルといわれます。

エピソード

  • プラムややモモなどの仁と呼ばれる部位を、低温圧搾(コールドプレス)することで作られる「パーシック油」の一種です。
  • 成分的には、アプリコットと同じバラ科のアーモンドを原料とするスイートアーモンドオイルによく似た特徴があります。

アプリコットカーネルオイルの効果・効能

アプリコットカーネルオイルは敏感肌、乾燥肌、老化肌に使いやすく、皮膚を柔軟にするのに役立ちます。

また、皮膚の保護作用もあり、湿疹によるかゆみの緩和などにも良い影響があるといいます。

オイルの伸びが良いのでフェイシャルトリートメントに活用しやすいです。また、ビタミン類やミネラル類を多く含むため、肌に潤いを与えて乾燥から守るにも役立ちます。

ビタミンEの含有量が多いので、抗酸化作用が期待できるでしょう。

用途顔、ヘッドのマッサージ、肌ケア用品や化粧品の基材
無色
香りほぼ無臭~アーモンドののような香り
肌タイプすべての肌質
和名杏仁油、アンズ核油

使用時の注意点

アプリコットカーネルオイルの原料となるアプリコットの種子は、シアン化合物のアミグダリンを含むため、使い過ぎには注意が必要です。

含まれる成分

アプリコットカーネルオイルにはオレイン酸が多く、全体の60%以上を占めています。

パルミチン酸 、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸などの高級脂肪酸、なかでも不飽和脂肪酸が多く含まれています。

飽和脂肪酸パルミチン酸 、ステアリン酸
不飽和脂肪酸オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミトレイン酸
飽和脂肪酸とは?

飽和脂肪酸は、炭素間に二重結合を持たない脂肪酸で、肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く、そのほかココナッツ油、やし油にも含まれている脂質です。血中のコレステロール値を上げる作用があり、適量であれば肌を滑らかにするなどの作用が得られますが、必要以上に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることがあります。

不飽和脂肪酸とは?

人の体内では作ることができない脂肪酸類で、食品など外部から摂取する必要があります。魚の皮や植物の種子などに含まれる油分で、多くはn-3系とn-6系のどちらかに分けられます。n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPA等があり、n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸などの種類があります。期待できる効果はアレルギーの改善、血圧やコレステロール値の改善、美肌、抗酸化などです。

アプリコットカーネルオイルの使い道

  • フェイシャルマッサージ
  • フェイシャルスクラブ
  • 整髪料
  • 石鹸
  • 化粧品の原料

アプリコットカーネルオイルは肌へのなじみが良く刺激が少ないため、フェイシャルマッサージにおすすめ。スクラブに用いると肌の古い角質を落とすのに役立ちます。

ヘアオイルもアプリコットカーネルオイルによくある使い道の1つで、皮膚に栄養を与えて健康的な髪づくりを助けます。

フェイシャルでの使用がおすすめされますが、肌への浸透性が良くボディマッサージでも活用できます。

基本的なキャリアオイルの使い方
  • 手にオイルを数滴垂らし、肌や髪になじませて使います
  • オイルのブレンドはメインが8~9:サブが2~1くらいの割合で
  • 精油をブレンドする場合は、使用するキャリアオイルの1%以下の量を使うようにします
  • フェイシャルの場合は0.5%以下にします

原料となる植物:アンズ

アプリコットカーネルオイルの効能・成分・使い方【マッサージに使われるキャリアオイル】

アプリコットカーネルオイルの原料になるのはアンズで、種子を圧搾してオイルを抽出します。

アンズはバラ科サクラ属の落葉小高木で、アプリコットは英語での名前。カーネル(kernel)は英語で「(果実の)仁」という意味です。

アンズは生薬名を「杏仁(きょうにん)」というので、アプリコットカーネルオイルは「杏仁油」と呼ばれることもあります。

中国の東北地方あたりが原産地とされていますが、ヨーロッパにも早くから伝わり、古代ローマ時代の頃には現地でアンズの果樹園が作られていたそうです。

アプリコット(アンズ)の特徴

高さ3~5mほどに育ち、3~4月に白い花が開花。

花が赤くなり始めると実がなり、6~7月に収穫期を迎えます。熟した果実はウメに似た酸味のある味わいで、見た目は小さな桃のようです。

学名Prunus armeniaca
英名Apricot
科名・属名バラ科サクラ属
原産地中国 東北地方
使用部位仁(種子)

主なキャリアオイル

アプリコットカーネルアボカドアルガン
アルニカイブニングプリムローズウィートジャーム
オリーブカメリアカレンデュラ
キャスターククイナッツグレープシード
ココナッツサンフラワーシアバター
スイートアーモンドセサミセントジョンズワート
ピーチカーネルピーナッツフラックスシード
ヘーゼルナッツホホバボリジ(ボラージ)
マカダミアナッツローズヒップ

参考文献

「⁺note」のご紹介


ハーブ・植物療法についての限定記事を公開する
新しいコンテンツができました。
無料会員登録&購入で利用できます。

目次