東南アジア原産のハーブ・スパイス|エスニック料理でよく使われる種類は? 特徴と効能を簡単に紹介

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

日本でもよく見かけるようになってきたタイやベトナムの料理。これら東南アジアの料理にもハーブやスパイスが良く使われています。

スパイスの歴史を学ぶと絶対に出てくるスパイスの原産地・モルッカ諸島は東南アジアのインドネシアに数多くある島の1つ。大航海時代以来、この地で西洋諸国がスパイス争奪戦に明け暮れたといいます。

いわばスパイスの聖地ともいえる東南アジア地域で、スパイスを使った料理が多いのもうなずけますね。

ハーブも西洋由来の種類多いような印象ですが、実は熱帯地域で生育するハーブも少なくありません。そこで今回は、エスニック系料理を作る時に使いやすいハーブ・スパイスをまとめてみました。

目次

料理ごとに使われる主なハーブ・スパイス

レモングラス

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

「レモンの草」という名の通り、葉からレモンの芳香が漂います。これはレモンにも含まれる「シトラール」という成分によるもので、抗菌・殺菌作用があるとされます。

お店でいただくトムヤムクンに入っているネギのような葉は、レモングラスであることも多いはず。香りが注目されることが多いですが、胃の調子を整えて食欲不振・消化不良を解消する働きがあります。

レモングラスには抗菌・殺菌作用のほか臭みを消す働きがあるので、お肉や魚の臭いが気になる時に加えて風味に変化を付けるのもアリ。アーユルヴェーダでも使われてきたハーブの1つです。

パクチー

パクチーはコリアンダーの葉のことで、日本や中国では「香菜」の名でも知られていますね。

「カメムシの臭い」といわれる超独特の香りがあるため好き嫌いが非常に分かれるのですが、葉の部位にはビタミンC・Eやβ-カロテンなどの栄養素が含まれるため、体の抗酸化に役立ちます。

抗酸化に役立つビタミン類を「ビタミンACE」といい、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されるため、パクチーはすべて持ち合わせることになります。

他にも、カルシウムや鉄分といった健康維持に必要な栄養素が多数含まれています。

コリアンダーシード

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

コリアンダーの種子もスパイスの1つ。ガラムマサラの材料としてカレーの風味づけには欠かせません。

油に香りづけを行うテンパリングにも使えて便利。ホールのコリアンダーシードを挽くと、スパイシーで食欲をそそる香りが引き立ちます。

香りにはやや酸味のようなものも感じられるので、エスニック料理では活躍してくれるはずです。

消化を促進する効果があり、消化不良がある時に良いとされるほか、鎮静作用と鎮痛作用によるリラックス効果などが知られています。

ホーリーバジル

神聖なバジルという意味を持つホーリーバジル。古代インドではホーリーバジルが神にささげられたそうで、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも取り上げられるハーブです。

タイ料理の1つ・ガパオライスの「ガパオ」は、タイ語で「ホーリーバジル」という意味があり、薬味のような形で調理されています。

普通のバジル(スイートバジル)に比べると、スーッとする清涼感が強いのでお肉の臭み消しなどに使いやすいです。家庭菜園でも育てられるので収穫してエスニック料理に加えてみては。

スイートバジル

日本でよく使われているのがこちらのスイート種。ピザやパスタの材料として活躍しますが、ホーリーバジルの代替品として使われることもあります。

バジルはもともと熱帯~亜熱帯で育つハーブで、寒さに弱いので日本では1年草になりますが、温かい地域では多年草になります。

バジルには、神経の強壮や消化促進に役立つ働きがあるとされ、β-カロテン、ビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれます。

風味はスッキリした香りにやや苦みが含まれるのが特徴。バジルの亜種でレモンの香りを持つ「レモンバジル」も、東南アジアなどのエスニック料理におすすめです。

ガランガル

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

ガランガルはショウガの仲間で、特にインドネシアでよく使われているハーブ・スパイス。ショウガ科はインド~東南アジアを原産とする種類が多く、ガランガルもその一種です。

ガランガルと呼ばれる種類には2種類あり、ナンキョウとリョウキョウに分けられます。それぞれ特徴がありますが、いずれもショウガ科らしい辛味に加えて酸味や甘味を感じられます。

タイ料理のカオマンガイやトムヤムクンに使われることもあるので、好きな方はストックしておくとよいかもしれませんね。

体を温める働きがあるほか、胃の働きを良くする作用があるとされて、お薬のような扱われ方をすることもあるようです。

ナツメグ

伝統的なスパイスの産地・モルッカ諸島で採取され、ニクズク(漢字で肉豆蔲)という樹木の種子をナツメグと呼んでスパイス扱いします。

また、この種子を覆う仮種皮という部分はメースといい、こちらもスパイスとして使われます。

タイカレーの1つ、マッサマンカレーでは必ずといっていいほど使うのでタイカレーに興味のある人はストックしておくとよいかもしれません。香りは甘く、やや苦みのある独特の味でハンバーグの材料に加えられることがあります。

ちなみに、食べ過ぎると幻覚が見えるという副作用があるそうなので、摂りすぎには注意が必要です。

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東南アジア以外が原産地だが、料理に使われるハーブ

タマリンド

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

日本ではあまりなじみのないスパイスですが、タイ料理やインド料理ではよく使われます。もともとアフリカ原産で熱帯や亜熱帯で育つため、気候帯が似ているインドなどで普及した模様。

さやえんどうのような形のさやを熟成させてから収穫すると、酸っぱい果実が採れます。この酸っぱさはクエン酸などに由来するもので、クエン酸回路の活性化による疲労回復効果がきたいできるでしょう。

タイ風焼きそばのパッタイに風味づけで加えられるほか、タマリンドジュースなるものもあるそうです。

ターメリック(ウコン)

インド原産のスパイス・ハーブで、カレーの色付けにも使われる黄色い色素が料理を彩ります。ベトナム風お好み焼きといわれるバインセオの黄色い記事はターメリック由来の色。

インドネシアの黄色いスープ・ソトアヤムでもターメリックが使われています。

ターメリックには肝臓の働きを強化する作用があり、肝臓内での解毒などに良い効果があるといわれています。消化促進や殺菌に役立つ効能があるので、ターメリックライスなどを料理に取り入れてみるとよいかもしれませんね。

唐辛子

東南アジア原産のハーブ・スパイス|料理に使いやすい種類と特徴

唐辛子(カイエンペッパー)はもともと南米原産の植物ですが、トムヤムクン他様々なエスニック料理で見かけます。

東南アジアでトウガラシのことを「プリック」といい、人気なためかプリッキーヌなど東南アジアで開発された品種も多し。

甘め~激辛まで辛さも様々で、トムヤムクンにまるまる1つ入っているのも見かけるほか、緑色の品種はグリーンカレーの材料になります。

シナモン

甘くスパイシーな香りのあるシナモンは、スリランカのセイロン島(インドの近くの島)が原産地。

スイーツの味付けなどに使われる印象ですが、マッサマンカレー、フォーなどの料理にも加えられます。

食欲不振や消化不良によく、香り成分には殺菌・抗ウイルス作用も含まれます。肉料理の中では豚肉と相性が良いとされるので、豚肉を使ったエスニック料理を作る時に加えてみるとよいかもしれません。

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ハーブ・スパイスと主な東南アジアの料理

ハーブ・スパイス名よく使われる東南アジアの料理
レモングラストムヤムクン、トム・セーブ、パッタイなど
パクチーガイヤーン、トム・セーブ、ソトアヤム、フォー、ヤムウンセン、パッタイなど
コリアンダーシードサテー
ホーリーバジル
スイートバジル
ガパオライス、ガパオ・ヌアなど
ジンジャーカオマンガイ、トムヤムクン、ソトアヤムなど
ターメリックバインセオ、ソトアヤム、サテーなど
ナツメグマッサマンカレー
シナモンマッサマンカレー、フォーなど
スターアニスパッタイ、フォーなど
タマリンドパッタイ、シニガンなど
唐辛子トムヤムクン、グリーンカレー、ソムタム、ヤムウンセン、ガパオライス、トム・セーブなど

まとめ

東南アジア原産のハーブは、エスニック料理と相性の良い種類ばかり。もともとその土地のハーブなので、原産地の料理と相性が良いのは当たり前かもしれませんね。

自分で調理を行う時にエスニック系の味付けをしたい時や、エスニック料理の味付けに迷った時は上記のハーブ・スパイスを加えてみると良い感じに仕上がりそうです。

レモングラスやバジル、ホーリーバジル、トウガラシはプランターでの栽培もできるので、家庭菜園で育てる人もいます。

ホーリーバジルなど、なかなかフレッシュなものが見つからない場合は育ててみるという選択肢もありですね。

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