マーシュマロウ(アルテア)|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

マーシュマロウ(アルテア)|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

マーシュマロウの特徴・形状

  • 別名は「ビロードアオイ」で、茎や葉にやわらかい毛が生えている
  • お菓子のマシュマロの原料になったハーブ
  • 粘液質が豊富で体内の粘膜を保護する

マーシュマロウは科名アオイ科ビロードアオイ属の多年草で、ヨーロッパから中央アジア北アフリカにかけての地域を原産とします。約1000種以上もあるマロウ類の1つです。

マーシュマロウはお菓子の「マシュマロ」の由来になった名前で、以前はアルテア根と呼ばれる根部から取れる樹液(でんぷん)がマシュマロの材料として使われていました。

植物的な特徴

草丈は約1m、大きいものは2m近くに育ち、茎や葉に柔らかい綿毛が生えており、ビロードのような肌触りがあるため、別名ビロードアオイとも呼ばれます。

直立する茎に、6~7㎝ほどの卵型で浅く分裂状した葉が互生し、この葉の縁には鋸歯(ギザギザ)もあります。

花期は夏7~8月頃で、約3㎝の薄桃色をした花が咲きます。雄しべ・雌しべのある中心部分に向かって色がやや濃くなるものもあり、花は5弁で、茎先や節の部分に複数の花をつけます(円錐花序)。

効果・効能

マーシュマロウはのどや気管支、胃腸の粘膜を保護するハーブとして知られています。

この粘膜保護作用は、マーシュマロウが持つ豊富な粘液質によるもので、特に根部には多くの粘液質が含まれます。

抗炎症作用や痰を切る作用もあるため、風邪時ののどの痛み、気管支炎など呼吸器系の症状や、胃炎、胃潰瘍など消化器の炎症に優れた効果をもたらします。

この作用は外用でも利用でき、湿疹や皮膚炎のある時にティーで浸した湿布を患部にあてると、皮膚の修復を早めてくれます。また、粘液質が腸内の保護をするため、便秘や下痢がある時にも良いといわれます。

その他、体内でカリウムやカルシウムなどのミネラル類を吸収するのに役立つアスパラギン酸が含まれるため、利尿作用があるといわれています。

適応

咳、口腔・咽頭・胃腸の粘膜の炎症、感染症

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 粘膜保護作用
  • 去痰作用
  • 鎮痛作用
  • 創傷治癒作用
  • 抗炎症作用
  • 殺菌作用

禁忌・副作用

他の薬剤と共に利用すると薬剤の吸収を遅らせることがあります。そのため、薬剤はマーシュマロウを摂取する1時間以上前に飲むか、薬の服用後2時間は飲用しないようにします。

安全性・相互作用

安全性クラス1…適切な使用において安全
相互作用クラスA…相互作用が予測されない

『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

マーシュマロウの主な使い方

使用部位
  • 葉、花、根

マーシュマロウは主にハーブティー、薬用酒、料理、観賞用に使用されています。

料理

ティーで摂取することが多いハーブですが、花・葉・根いずれも料理に使え、花や葉は洗ってサラダに加えることができます。

昔はマーシュマロウの根を粉末にして、砂糖と水に溶かしたゼリー状のものを「マシュマロ」といいました。現在ではゼラチンに卵白・砂糖・水などを加えて作られます。

ハーブティー

トロっとした口当たりで、口内やのどの、胃腸に炎症がある時にハーブティーで飲むと症状が緩和されます。

抗菌作用のあるタイムやペパーミントなどとブレンドすると相乗効果が得られます。風邪・感染症予防には、免疫力UPに役立つエキナセアなども良いでしょう。

薬用

ティーを使ってうがいをすると、口内の炎症を鎮めるのに役立ちます。ローションやクリームの材料に加えて肌トラブルの解消に、便秘には根の粉末が良いとされます。

味・香り

ほのかに甘味のあるマイルドな味。あまり香りはない。

マーシュマロウの基本情報

学名Athaea officinalis
英名Marsh mallow
和名・別名ウスベニタチアオイ(薄紅立葵)
科名アオイ科ビロードアオイ属
分類多年草
原産地ヨーロッパ、中央アジア
使用部位葉、花、根
主要成分アスパラギン、ミネラル、粘液質など
作用粘膜保護、去痰、鎮痛、創傷治癒、抗炎症、殺菌
適応咳、口腔・咽頭・胃腸の粘膜の炎症、感染症

語源・由来

属名のAthaeaはギリシャ語でalthaino「治療」に由来し、種小名のofficinalisは「薬用の」という意味があります。

英名の由来ですが、マーシュマロウ(Marsh mallow)のmarshには「湿地の」という意味があり、mallowはアオイ科の植物を指します。その名の通り低湿地や沼地に自生します。

歴史・エピソード他

マーシュマロウはヨーロッパの民間療法・伝統医学で2000年以上の歴史を持っており、古代ギリシャ・ローマ時代には既に薬用されていました。

中世ヨーロッパでは薬として利用するほか、野菜としても食べられていました。(現在でもサラダに加えられているそうです) 8世紀頃、カール大帝が皇帝菜園で栽培を命じた際に作られたハーブリストにもマーシュマロウの名があり、当時から有用な植物として認識されていました。

ドイツでは、子供たちに歯磨き粉代わりに、フランスでは子供の葉が早く生えるようマーシュマロウの根を噛ませる伝統がありました。

参考文献

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