チコリ|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

チコリ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

チコリの特徴・形状

  • 別名は「アンディーブ」。軟白栽培した若芽が野菜になる
  • 体内の水分や老廃物を排出させる働きがある
  • ポリフェノールが含まれ、抗酸化作用が期待できる

チコリはキク科キクニガナ属の多年生植物で、ヨーロッパから中央アジア地域が原産地です。

主に若芽が食用にされており、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが含まれる栄養豊かなハーブ。

ベルギー産やオランダ産のものが有名で、日本ではあまり見かけませんがヨーロッパでは普通に野菜として食べられています。

チコリはフランス語で「アンディーブ」呼ばれ、エンダイブという近縁種の野菜はチコリと同族の野生種が交雑して生まれたものです。北米にも持ち込まれた後、帰化しています。

植物的な特徴

高さ1~1.5mほどで、直根性のため根が深く伸びます。茎はよく枝分かれし、茎の上部と下部で葉の形が異なる特徴があります。

これは根出葉と茎葉の違いによるもので、根出葉は紡錘形に葉が重なった形をしており、この葉を軟白化(日光の光を遮って白く育てる)したものを「チコン」として食用します。茎葉は楕円形で縁に波のあるものや、羽状に切れ込むものなど様々な形があります。

花期は6~10月で、茎先や葉腋(茎の付け根)に直径3~4㎝の青紫色の花を咲かせます。舌状花のみで構成される頭花です。この花は朝開いて昼には閉じる性質があります。

効果・効能

チコリは特に利尿作用に優れるほか、抗酸化や肝機能強化、血糖値のコントロール、デトックスなどに役立つハーブ。

チコリ含まれる成分は毒素の排出に役立ち、余分な水分や老廃物を体外に排出する働きがあります。

また、チコリにはポリフェノールの一種であるチコリ酸が豊富に含まれています。活性酸素を無毒化するという研究結果があり、抗酸化作用による老化や、がん、高血圧などの予防に役立つと考えられています。チコリ酸は肝機能を向上させる作用あり、肝臓を刺激して膵臓や胆のう、腎臓を強化する働きを持ちます。

そのほか、水溶性食物繊維のイヌリンが含まれるため、腸内の環境を改善して便秘や腸内ガスを解消します。チコリ酸やイヌリンは主に根の部分に集中していますが、葉の苦みには胆汁の分泌を促す働きがあります。消化を良くし、血糖値上昇を抑えてくれます。

チコリの栄養素には鉄分、亜鉛などのミネラルやビタミン類が含まれています。貧血にも良いでしょう。胃炎や気管支炎などを抑える消炎作用も知られています。

適応

膵臓・胆のう・腎臓の浄化、腸内ガス、消化不良、便秘、デトックスなど

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 強壮作用
  • 消化促進作用
  • 利尿作用
  • 緩下作用
  • 駆風作用

禁忌・副作用

  • キク科アレルギーの人は注意が必要です。
  • 子供や妊娠中の服用は避けてください。
  • 胆石がある場合は、使用する前に医師に相談してください。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が予測されない
安全性クラスⅠ…適切な使用において安全
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

チコリの主な使い方

使用部位
  • 全草

チコリは主に料理、ハーブティーに使用されています。

料理

日に当てて育てた葉や根には独特の強い苦味があるため、軟白化した「チコン」と呼ばれる芽をサラダなどに加えて生食します。炒めてソテーにするほか、茹でてムニエルやグラタン、リゾットにも使えます。

イタリアでは様々な栽培品種がありラディッキオ(Radicchio)と呼ばれます。中でも赤身のある品種は高級食材とされています。

根はコーヒーの香りがするため、煎って香りづけにも使われており、コカ・コーラの爽健美茶にもチコリが含まれています。

ハーブティー

ハーブティーには乾燥させた根を利用します。コーヒーにも含有されるクロロゲン酸が含まれているため、コーヒーのような香りがあります。「チコリコーヒー」と呼ばれ、ノンカフェインのコーヒーとして飲むことができます。

便秘やむくみを解消したい時だけでなく、美容にも良いといわれています。

その他

葉からは草木染の染料が取れます。

味・香り

コーヒーに似た芳香があり、やや苦みのある味。

チコリの基本情報

学名Cichorium intybus
英名chicory
和名・別名キクニガナ(菊苦菜)、アンディーブ
科名キク科キクニガナ属
分類多年生野菜
原産地ヨーロッパ
使用部位全草
主要成分チコリ酸、イヌリン、タンニン、ペクチン、タラキサステロール、アルカロイド、ヒドロキシクマリン、エスクレチン
作用強壮、消化促進、利尿、緩下、駆風
適応膵臓・胆のう・腎臓の浄化、腸内ガス、消化不良、便秘、デトックスなど

語源・由来

学名のうち属名のCichoriumはアラビア語のkio「行く」とchorion「畑」が組み合わさったもので、畑で作られたためこの名が付いたそうです。種小名のintybusは植物の一種であるキクチシャ(菊萵苣 学名:Cichorium endivia)のアラビア語から名づけられています。

歴史・エピソード他

古代ローマではチコリの芽を料理に用い、プンタレル(puntarelle)と呼ばれる料理に加えられました。

チコリが栽培植物として最初に記述されたのは17世紀で、ナポレオン時代のフランスでは、、チコリはコーヒーの代用品・混ぜ物として利用されました。

アメリカでは開拓時代の入植者が植物を持ち込み、南北戦争中に南軍の兵士によってコーヒーの代用品として利用されたことから、一般化が進んだといわれます。

ドイツの古い伝承で、チコリは帰ってこない恋人の船を待つ少女が姿を変えたもので、青い花は少女の涙であるといわれています。中世ではこの植物に魔力があると考えられ、錠前にかざすと鍵が開いたり、葉の汁を体に塗ると人の心を操れるなど神秘的な働きをもたらすと信じられていました。

花が正午になるとしぼむ性質を利用して、時間を知るための花時計にも用いられたといいます。日本には明治初期に渡来しましたが、当時はあまり普及しませんでした。

 

参考文献

目次
閉じる