日本でも普及しているハーブティーはもともと薬草療法の一種として、代替医療で活用されていたものです。古くは、薬草を煎じて作ったお茶が薬として処方されていました。
普通に飲みものとしてもおいしいハーブティーですが、心と体の健康に役立つたくさんのうれしい効果があります。
ハーブティーの基本的な効果・効能を確認してみましょう。
ハーブティーの効果・効能とは?
ハーブによって含まれる栄養素や成分は異なりますが、
ハーブティーには人の体に対してリラックス効果をもたらしたり、消化器の不調を鎮めたりするなど体内の不調を改善させる効果があります。
症状に合わせて様々な作用を用いることで、穏やかな症状の改善が目指せます。※効果の現れ方は人によって異なります。
強壮・健胃・肝機能亢進・鎮痛・抗菌・抗酸化・緩下・発汗・利尿など
同じ成分を摂りすぎると害になることもありますが、体の疲れを感じる時や夜眠れないときに一杯のハーブティーを飲むと痛みや不快な症状が緩和されることは少なくありません。
これまでにハーブティーを飲んだことのある人は、実際に体感したことがあるかもしれませんね。
紀元前から現代まで続くハーブ研究によるエビデンスをもとに、数々のハーブの効能が確認されています。
- 薬と異なり心身へ穏やかに働きかける
- 栄養成分を効率的に摂取できる
- ハーブティーの香りにはアロマセラピー効果がある
- 抗酸化作用がある
- 血糖値の上昇を抑える働きがある
- リラックス・リフレッシュに役立つ
- 自己免疫力UPに役立つ
- 老廃物の排出(デトックス)に役立つ
①~③はほぼすべてのハーブに当てはまり、④~⑧はハーブの種類によって効果のある・なしや度合いが変わってきます。
ハーブティーの主な効果8つ
①薬と異なり心身へ穏やかに働きかける
化学的に合成された薬は、ある症状へピンポイントに働きかけますが、ハーブは体全体の様々な問題点を改善しながら穏やかに症状を収めていきます。
そのため、なんとなく不調を感じる時や、風邪の引き初めなど症状が軽いときはハーブティーを飲むとセルフケアができます。
ハーブティーは東洋医学ともかかわりが深く、インドのアーユルヴェーダ、中国の中医学などでも取り入れられています。
味を楽しみながら、体内からの浄化を促してくれるでしょう。
②栄養成分を効率的に摂取できる
ハーブの多くは、自然の恵みから作られるビタミンやミネラル、ポリフェノール、色素成分などの栄養素が豊富に含まれています。
ハーブの種類によっては特定の栄養価が高いものもあり、不足しがちな栄養を補給するのに役立ちます。
ハーブの中ではビタミン・ミネラルが豊富で「飲むサラダ」と呼ばれるマテ、「ビタミンCの爆弾」と呼ばれるローズヒップなどが知られています。
- ハーブティーでは主に水溶性の栄養素が摂取できます。
- 脂溶性の成分を利用したい時はチンキや植物油などの活用がおすすめです。
③ハーブティーの香りにはアロマセラピー効果がある
ハーブには揮発性の油成分である「精油」が含まれており、この精油にも様々な薬効効果が認められています。
アロマセラピーで使われるのはこの精油を抽出した液体で、エッセンシャルオイルとも呼ばれます。
精油は香りとして鼻から入った後、脳に直接働きかけるためリラックス効果が高く、血行促進や美肌など多彩な効能があるといわれています。
④抗酸化作用がある
植物は紫外線や害虫から身を守るため、独自に自らの体内で「ファイトケミカル(phytochemical)」と呼ばれる成分を作り出します。
この成分は抗酸化物質の一種で、人の身体の中で細胞を攻撃する活性酸素の働きを抑えるのに役立つ働きがあります。
体が老化(酸化)するとがん、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病にかかりやすくなるため、抗酸化作用のあるハーブはこれらの予防に効果があると考えられています。
肌の老化を抑えるため、シミやシワといった美容トラブルの防止にも良い効果が期待できます。
フィトケミカルは色素や香り、辛味などの味を持つものが多く、野菜にも多く含まれる物質です。
⑤血糖値の上昇を抑える働きがある
食事などにより体内の過剰な糖が増えると、たんぱく質と結びついて体の細胞を劣化させてしまいます。
この現象は「糖化」と呼ばれ、糖尿病などの発症につながることがあります。
マルベリーやギムネマなどハーブによっては血糖値を抑える作用もあるので、食事中の急激な血糖値の上昇を抑えたい時にはこれらのハーブを活用するとよいかもしれません。
⑥リラックス・リフレッシュに役立つ
長時間の労働や不規則な生活、ストレスにより自律神経が乱れると、不眠や緊張、頭痛、腹痛、免疫力の低下など様々な症状が起こりがちです。
ハーブに含まれる成分には、自律神経のバランスを整えて体の調子を改善してくれる働きもあるとされます。
鎮静作用のあるハーブは比較的数多く、「ハーブの女王」ラベンダーや、ハーブティの定番・ジャーマンカモミールにもこの作用が含まれます。
スーッとした香りや、華やかな香りのあるハーブも気分転換(リフレッシュ)に一役買ってくれます。
⑦自己免疫力UPに役立つ
疲れや睡眠不足、動不足、加齢などにより人が本来持っている免疫力は弱まってしまいますが、ハーブティーを活用することで免疫力に関わる自律神経の働きを強化し、病気やケガに強い体質づくりを行うことができます。
免疫力をUPさせるだけでなく、同時に抗菌作用や抗ウイルス作用のあるハーブなど使えば、簡単な風邪や感染症予防ができます。
⑧老廃物の排出(デトックス)に役立つ
食べたものは体内で栄養素が吸収された後、老廃物となって体外へ排出されます。
尿や便、汗などがそれですが、便秘などで排出がうまくいかないと老廃物が体内に溜まり、様々な不調が起きやすくなります。
数あるハーブの中には緩下作用や利尿作用のある種類もあり、体が体内の毒素や余分な水分を外へ出そうとするのを助ける働きを持つものがあります。むくみが気になる時にも良い効果が期待できます。
ハーブティーを活用するメリット
ハーブの使い方は様々ですが、ハーブティーを活用する一番のメリットは「それぞれのハーブが持つ薬効成分を効率よく体内へ摂取できる点」ではないかと思います。
水分と共に取り入れるため体内への吸収が良くなり、薬効成分は血液と一緒に全身を循環します。
そのため、ハーブによっては肩こりなど筋肉の痛みや疲労回復にも効果があり、血行を促して冷え性改善に役立つものなどもあります。
ハーブティーは五感を刺激してくれる
ハーブティーは香りや味だけでなく、水中でハーブが浮かぶ様子や色の変化が見れるので視覚的にも楽しいものです。
温かいハーブティーを作ったときは飲む前には、蒸気の香りを嗅いでみてください。
良い香りにはアロマセラピーの効果があるとされ、ハーブに含まれる有効成分が香りを通して脳にリラックス効果を与えてくれます。
また、ハーブティーの多くはカフェインが含まれないため、夜寝る前でも飲みやすいというメリットがあります。
まとめ
ティーバッグひとつ数十円と安くて手軽に作れるハーブティー。熱湯・水に味が付いておいしくなるだけではなく、体にもうれしい効果がたくさんあります。
ブレンドしたり使いこなすには慣れが必要ですが、シングルのハーブティーでも複数の植物成分を摂取することができます。
1日で効果の出ない時もありますが、3日・1週間・1ヵ月と続けることで効果が感じられるようなる場合が多いです。
体の軽い不調を感じた時は、セルフケアとしてハーブティーを飲んでみてはどうでしょうか。
- 薬と異なり心身へ穏やかに働きかける
- 栄養成分を効率的に摂取できる
- ハーブティーの香りにはアロマセラピー効果がある
- 抗酸化作用がある
- 血糖値の上昇を抑える働きがある
- リラックス・リフレッシュに役立つ
- 自己免疫力UPに役立つ
- 老廃物の排出(デトックス)に役立つ