ハーブティーなどで手軽に不調を改善できるとして人気のハーブ。
スーパーで販売されているハーブは食用で安全性も高いですが、メディカルハーブとしてその薬効を期待する場合、選び方・使用方法を間違えるとトラブルが起きることも。
購入時に確認するポイントを抑えることで、安全・適切にハーブを使用することができます。
ここでは、実際に買う前に知りたい「ハーブの購入するときの正しい選び方やポイント」をわかりやすく解説していきます。
ハーブを選ぶときに確認したいポイント
ハーブは適した時期に収穫して乾燥した後、1年以内に使い切るようにします。
また、妊婦・授乳中の方に禁忌のハーブなど、種類によっては使用できないハーブもあります。持病がある・薬を服用中の場合も、購入前に医師に相談しましょう。
①食品扱いのハーブを選ぶこと
ハーブをティーにして飲用したり料理などに使用する場合は、必ず「食品」扱いのハーブを選びます。
基本的に食用として販売されるハーブは、体内に取り入れられるため安全なものと考えられます。
基本的にハーブティー用・スーパーの野菜売り場などで販売されているものが「食品扱い」となるので、これらのハーブを購入すればOK。
また、石鹸やコスメなどを作って、ハーブの持つ植物成分を活用したい場合も同じく「食品」のハーブを選びます。
ポプリ用ハーブなどは雑貨扱いとなり、着色料がつけられていたり農薬が残留していることがあるため安全性の確認ができません。そのため、食用としての使用は避けます。
②色・香りを確認
ハーブの色・香りは品質を判断する材料になるため、できるだけ購入前に確認します。
ハーブの入った袋や容器が密封されてても、時間がたつと次第に品質が落ちたり酸化してきます。
ハーブの専門店などで、古いものがいつまでも店頭に出ていることはほとんどないですが、新鮮なものを選ぶためにもしっかり調べましょう。
フレッシュのハーブの場合なら、葉の色が緑から茶色っぽく劣化しているなど善し悪しがわかりやすいのですが、乾燥ハーブの場合見た目的に判別しにくいことが多いです。
販売されているものを購入する時は、パッケージにある消費期限は必ず確認するようにしてください。できるだけ期限の長いものを選ぶようにすると長期間そのハーブを楽しめます。
(ハーブは収穫してから半年~1年以内に使用するのが望ましいとされます。)
③使用部位を確認
色・香りと同時に、使用部位も確認します。
ハーブは「花部」「葉部」「根部」など種類によって使われる部位は異なり、その薬効も様々です。
目的とは違った部位を使用すると期待した効果が現れないだけでなく、場合によっては異なる作用が出ることがあるため注意が必要です。
どの部位を使用するかは長年の研究結果などから、ある程度判別することができます。
- 花部・・・鎮静作用
- 葉部・・・鎮静、発汗、利尿作用
- 木部・・・利尿作用
④学名の確認
購入するハーブの種類は必ず学名で確認します。
学名を調べることで、香りや形の似たハーブを間違って購入するといったミスを防げます。
商品ラベルなどでハーブの種類を表示する際は「2名法」が使用されており、英語ではなくラテン語の学名で表記する決まりになっています。
例えばラベンダーであれば、以下のように表記されます。
Lavandula offcinalis
属名 種小名
2名法とは18世紀にスウェーデンの博物学者・リンネによって生み出された、ラテン語の属名と種小名を組み合わせて固有の種を表す分類法です。
英語と違って読みづらいのが難点ですが、ハーブの種類を確認する際には必ずチェックしたい箇所です。
一例として、ハーブだけでなく精油としても使われるミカン科ミカン属の植物であれば、「Citrus」がミカン属を意味し、そのあとに続く単語がその種類を表します。
- Citrus sinensis (オレンジ )
- Citrus X paradisi (グレープフルーツ )
- Citrus aurantium (ダイダイ)
- Citrus medica (シトロン)
すべて同じミカン属の柑橘類だと判断できますね。
日常的に使われるハーブ名だけでなく、学名も覚えておくとすぐに判別できるようになります。好きなハーブがあれば覚えてみるとよいかもしれません。
⑤少量ずつ購入
ハーブはホウル(原形をとどめた状態)で、短期間で使い切れる量をこまめに買うようにします。
ハーブの賞味期限表示欄を見ると、1年~2年保存できることもありますが、普通の食品と同じく長期保存すると品質が劣化するため、家庭での使用が目的なら大量購入は避けた方がよいでしょう。
⑥信頼できるお店で購入
きちんとした知識を持つスタッフがいる店で購入することが望ましいとされています。
ハーブはネットでも簡単に購入できますが、賞味期限などが確認しづらいため本来あまり勧められません。利用する場合は、ハーブについて十分な説明のあるお店を選ぶようにするとよいでしょう。
これまでに使用したことのないハーブを購入するときや、副作用が気になるときは、ハーブについて詳しいスタッフのいる専門店で購入するのがおすすめです。
色や香りを実際に確認できるのも店舗購入のメリットです。
また、ハーブを海外から購入するときも注意が必要です。日本と海外ではハーブの医学的な基準が異なるため、品質や安全性をきちんと確認することが大切です。
⑦フレッシュハーブを購入するときは新鮮なもの選ぶ
バジル、タイム、パクチー(コリアンダー)、ルッコラなどは葉物野菜としてスーパーなどでも販売されていることがあります。
野菜と一緒ですが、購入するときは葉や茎に痛みのないものを選びましょう。
みずみずしいハーブは香りも良く緑色がきれいです。
その他の選び方
ハーブは有機栽培のものを選ぶ
ドライハーブは有機栽培のものを選ぶとよいとされます。
野菜などでもそうですが、農薬や合成肥料の濃縮残留物の含まれるハーブを使い、栄養素・有効成分と同時にこれらの有害物質を摂取すると身体にストレスを与えてしまいます。
食品としてハーブを使う場合は、なるべく農薬などの含有量が少ないものなどを選ぶようにします。
環境に配慮した商品を選ぶ
有機栽培など地球に負荷をかけない農業でハーブを生産している企業・業者がわかる場合は、そこで生産されたハーブを購入して支援するのも良いでしょう。
自分が住んでいる地元でハーブを生産している場合は、同地でとれたハーブを購入することで地産地消に貢献することができます。
まとめ
ハーブを選ぶときは実際に目で見たり、香りを嗅いだりと五感を使ってチェックするのが良いとされていますが、近場にハーブ専門店がないときはなかなか難しいですよね。
今は通販でも多くの種類のハーブが購入できるので、長年ハーブに携わっているお店やきちんと情報が記載されているお店を選んで購入すると良いでしょう。
10g~など少量で購入できるお店もあるので、まずはお試しで買うのがおすすめです。
- 食品扱いのハーブを選ぶ
- 色・香りを確認
- 学名を確認
- 使用部位を確認
- 少量ずつ購入
- 信頼できる店で購入
- フレッシュハーブは新鮮なものを選ぶ