ワイルドストロベリー|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

ワイルドストロベリー|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
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ワイルドストロベリーの特徴

  • 和名はエゾヘビイチゴ。北海道で帰化している
  • 炎症を抑える働きや、利尿作用がある
  • 聖母マリアと関連し、「愛情」などの花言葉がある

ワイルドストロベリーはバラ科オランダイチゴ属の多年草。ヨーロッパ、アジア、北米など世界各地に分布しているハーブです。

和名ではエゾヘビイチゴと呼ばれ、スーパーなどでよく見かけるオランダイチゴが主流になるまで良く食べられていた野イチゴの一種。

その味については酸味の少ない種と、酸味の強い種に分かれるようです。

植物的な特徴

草丈は5~25㎝ほどで、根茎から走出枝(ランナー)を出し、節から根を出して子株を形成します。

茎は直立性で、3枚の小葉で構成される葉には鋸歯(ギザギザ)があります。小葉は長さ2~6cmくらいの先の尖った卵型で、葉の両面に柔らかい毛が生えているため、やや白く見えます。

花期は6~7月頃で、花柄の先に白い5弁の花が咲きます。この花は集散花序(茎先に花が咲いてから、その下にも複数の花が咲く)で、10〜15mmほどの1~4個の花がつきます。さらに、花の中心には20個ほどの雄しべ・雌しべが付きます。

果実は赤または白で、卵型で約1㎝ほどの大きさです。

効果・効能

薬用ハーブとしては主に葉の部分を利用し、胃腸の炎症、下痢、消化器の不調、リウマチ、関節炎、むくみなどの症状に効果を発揮します。

消炎作用があるため、胃炎や胃潰瘍などの消化器系の炎症や、リウマチ性の痛風、関節炎などの痛みを和らげる働きがあります。また、肝機能を高める働きがあり、食べ過ぎ・飲みすぎケアにも役立ちます。

さらに、体内の水分を調節するカリウムが含まれるため、余分な水分を排出して体内の浄化を促します。腎臓の働きを向上させ、膀胱炎など泌尿器形の症状がある時には消炎作用で緩和します。

ワイルドストロベリーには鉄分も含まれるので、貧血・鉄分不足のときにも良いとされます。渋味成分のタンニンが含まれるため、抗菌・抗ウイルス作用や収れん作用もあります。

そのほか、果実はビタミン・ミネラル類が豊富なため、美肌にも良い効果をもたらします。

適応

貧血、腎臓や肝臓の強化、リウマチ性の痛風、胃腸の炎症、感染症など

主な作用

  • 利尿作用
  • 強壮作用
  • 収れん作用
  • 肝機能亢進作用
  • 緩下作用
  • 浄化作用

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

禁忌・副作用

  • 生葉には毒性があるためそのまま使用しないこと。(完全に乾燥させれば毒素は消えます)
  • まれにアレルギー症状が起きることがあるようです。

安全性・相互作用

安全性クラスⅠ…適切な使用において安全
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

ワイルドストロベリーの主な使い方

使用部位
  • 葉、果実、根

ワイルドストロベリーは主に料理、ハーブティーに使用されています。

料理

ワイルドストロベリーの果実はジャムやジュース、パイ、ワイン、リキュールなどに加えられます。

果実自体があまり大きくないので、ジャムやジュースを作るにはそれなりの量が必要になります。そのため、普通のイチゴやベリー類などと組み合わせた方が活用しやすくなります。

ハーブティー

胃の痛みがある時や、デトックスしたい時に使いやすいハーブです。あまりフルーツの味はなく草木の香りがあるので、香り・味が欲しい場合は他のハーブとブレンドすると良いでしょう。

胃腸の不調ならジャーマンカモミールやペパーミント、肝臓強化ならミルクシスルやダンディライオン、膀胱炎ならエキナセアやヤロウなどが組み合わせられます。

その他

消炎作用があるため、実を肌に乗せると日焼けなどの痛みを抑え、シミやそばかすなどを薄くする働きがあるといわれます。また、水太りを防ぐ働きがあるため、肥満予防に使われることもあるようです。

味・香り

葉のお茶は草木の香りで、まろやかで甘い番茶のような味がします。

ワイルドストロベリーの基本情報

学名Fragaria vesca
英名Wild strawberry、Woodland strawberry
和名・別名エゾヘビイチゴ(蝦夷蛇苺)、ヨーロッパクサイチゴ、シキナリイチゴ(四季成り苺)
科名バラ科オランダイチゴ属
分類多年草
原産地ヨーロッパ、アジア、北米
使用部位葉、果実、根
主要成分タンニン、ビタミンB、C、E、糖類、鉄分、カリウムなど
作用利尿、強壮、収れん、肝機能亢進、緩下、浄化
適応貧血、腎臓や肝臓の強化、リウマチ性の痛風、胃腸の炎症、感染症など

語源・由来

属名のFragariaはラテン語のfraga「イチゴ」に由来します。ちなみにfragaはfragre「芳香のある」という言葉が基になってできた語です。種小名のvescaは「食べられる」という意味です。

英名のワイルドストロベリー(Wild strawberry)は、Wild「野生」+straw「藁」+berry「小さな果実」の組み合わせです。

歴史・エピソード他

ワイルドストロベリーはキリスト教で、聖母マリアに捧げられた植物で、花言葉では「愛情」や「尊重」などの意味を持ちます。

また、ワイルドストロベリーに限りませんが、イチゴはキリスト教では正義の象徴でもあります。トゲの生えたイラクサの下でも育ち、果実を実らせるため悪や不正に惑わされない「正義の士」という意味があります。

古代ローマ時代、野生のイチゴは食用の他、口臭や消化器系の治療に使われていました。

ワイルドストロベリーは始め、14世紀のフランスなどで花を観賞するために栽培されていましたが、その後に果実の収穫目的で栽培がおこなわれるようになりました。栽培が始まったのは15世紀頃のイギリスとされています。

ドイツのバイエルン地方では、牝牛の角の間に、ワイルドストロベリーの入ったかごを結ぶと妖精が牛の乳の出を良くするという言い伝えがあるそうです。

参考文献

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