料理によく使われるハーブのひとつ、「パセリ」。
独特の苦味があるため食べ残されてしまうことも多いですが、実は栄養満点で調理の際にはぜひ使ってみたい食材のひとつです。
パセリはビタミンCやビタミンB₁を含むビタミン類、鉄やカリウムなどのミネラル類、β-カロテン、食物繊維など野菜の中でも多くの栄養素を含有しています。
家庭菜園でたくさん収穫できた時や、大量に入手したときどんな料理で使えるのか紹介します。
パセリはどんな料理と組み合わせやすい?
サラダを中心とした野菜料理、肉料理、魚料理、卵料理、乳製品との組み合わせまで、洋風の料理ならデザート以外、比較的どんな料理にも加えることができます。
野菜料理ではジャガイモと相性が良く、ジャガイモ・パセリ・お肉と一緒に組み合わせるとおいしくなります。
パセリを主役とした料理は見かけませんが、生・乾燥ともにスパイス的に振りかければ彩を与え、香りを良くしてくれるのでストックがあると何かと便利。
ちなみに、パセリの旬は冬(1~2月)です。2年草のため冬越しができ、栽培すると割と年中いつでも収穫できるので、自家菜園にもおすすめです。
イタリアンパセリとモスカールドパセリ
葉がフラットな「イタリアンパセリ」と、縮れた「モスカールドパセリ」の2種類があります。どちらも基本的な風味は同じですが、モスカールド種の方が香りや苦みが強い傾向です。
フレッシュ(生で食べる)
付け合わせ、サラダ
レストランなどに行くと、よくハンバーグなど肉料理の付け合わせとしてパセリが提供されることがありますよね。彩が良いというのも出される理由の1つですが、 お浸しにすることもできます。
パセリは細かくちぎると切り口から香りが漂うので、芳香を料理で活かしたい時は必ず包丁などで切るようにするとよいです。手でちぎっても良いですが、指に細かくなったパセリがくっつきます。
おかずにする
ハーブソーセージ
ハーブの魅力を引き出せる料理の1つがハーブソーセージです。
セージと名のつく通り、肉の臭みを消すために抗菌・消臭作用のある薬草(セージ)が使われたといわれ、伝統的に肉の腸詰めには、セージなど香りのよいハーブが使われてきました。
とはいえ特にセージでなければいけないという決まりは無いので、パセリやバジルを使ってもOK!
豚肉や牛肉を使ったひき肉にパセリやナツメグ、塩コショウ等を加えた後、ラップに包んでレンジまたは蒸し器で加熱して作ります。
ポテトコロッケ
先述の通りパセリはジャガイモと相性が良いので、ポテトコロッケやコーンクリームコロッケの種に加えるとジャガイモの素朴な味わいに良い香りを付けることができます。
茹でてマッシュ上にしたジャガイモに、塩&コショウ・細かく刻んだパセリ、コーン、ハムなどを加えてコロッケの種を作りましょう。
コロッケの種にパン粉をまぶして作る「揚げないコロッケ」なら、フレッシュパセリの風味を十分に引き出すことができます。
グラタン・ドリア、リゾット
チーズをふんだんに使うグラタン、ドリア、リゾットもパセリと好相性です。
チーズはパセリと組み合わせやすい食材なので、グラタンなどのようにチーズ焼きの要素がある料理に使うと〇。パセリが臭み消しの役目をはたしてくれるため、使わないときよりもすっきりとした風味になります。
特に決まりは無いですが、香りを活かすなら焼いた後に振りかけるのがおすすめです。
シチュー・スープ
パセリは牛乳を使用したシチューやクリームスープの飾りとして使えます。苦味があるので具というよりは風味づけに用いた方がよく、白~黄色のスープに緑色が良く映えます。
香り付けに使う場合は、なるべく調理の最終段階で用いることで、その香りが飛ぶのを避けるようにしましょう。
上記以外では、オムレツ、ドリア、カルパッチョなどの料理に使うとおいしく食べられます。
ドレッシング・ソース
タルタルソース
パセリを使った代表的なソースがタルタルソース。タマネギ、茹で卵、マヨネーズ、塩コショウ、レモン汁、砂糖、お酢などを加えて酸味のある爽やかな味わいのソースが作れます。
タラなどの白身魚のフライ、ムニエル、揚げ物、サラダなどにかけると料理がとてもおいしくなりますよ。
パセリのほか、魚料理と相性の良いディルやフェンネルを刻んで入れても良いです。
ドレッシング
パセリはシーザー、フレンチ、イタリアン、タマネギ系など、洋風料理と相性の良いドレッシングにも使えます。
ドレッシングはサラダなど使うケースが多いので、料理の方にパセリを入れる方が多いかもしれませんが、お肉など野菜料理以外にかける場合は、市販のドレッシングにフレッシュパセリを後から混ぜ合わせて使うこともできます。
複数のハーブ・スパイスがある場合は、味の好みに合わせてオリジナルをつくるのもアリですね。
パセリの香り成分には抗菌・消臭効果があるので、ドレッシングの持ちが良くなります。
ハーブバター
バターに香りのよいハーブを練りこんで作る「ハーブバター」もパセリのおすすめレシピ。
無塩バターに塩や胡椒、好みのハーブを練りこむだけです。作り方としては常温に戻したバターに塩や胡椒、好みのハーブを加えてよく混ぜ、ラップに包んだ後冷蔵庫で硬くなるまで冷やします。
パセリ一種類でも作れますし、バジルやチャービル、ディルなど香りのよいハーブをブレンドして自作のアレンジを作ることもできます。
ハーブチーズ
ハーブチーズは一般的にはクリームチーズにハーブを加えて作ったディップソースのようなもので、パセリを使ったものは「パセリチーズ」と呼ばれることもあります。
よくチーズを食べると特有の臭いが口に残ってしまうことも多いですが、パセリを加えることで抗菌・消臭効果により、口臭予防ができます。
茹でたブロッコリーやアスパラ、バゲットなどにつけるとおいしく食べられますよ。
パセリに含まれる栄養素
料理の添え物として残されることも多いパセリですが、ビタミン類、ミネラル類が豊富なハーブで、体の健康に役立つ鉄分、カルシウム、マグネシウム、リン、マンガンといった微量元素が多く含まれます。
抗酸化にも良い効果が期待できる
①アンチエイジング効果
ビタミンC、Eに加えて植物成分のフラボノイドが含まれるので、体内の余分な水分・毒素を排出してむくみを解消します。
抗酸化作用もあるため、血管や細胞の酸化が原因で起こる、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも役立ちます。
パセリには鉄分が含まれるので、貧血や月経時など鉄分が不足しやすいときの補助にも良いでしょう。
②抗菌・消臭に役立つ
さらに、パセリ特有の香りのもととなる精油成分のアピオール、ピネンには抗菌作用があり、消臭効果があります。そのため、パセリを食べることで口臭予防につながります。
③胃腸の働きを整え、精神をリラックスさせる
アピオールには上記以外にも胃の調子を整える、胃液を分泌して食欲を増進させる働きがあるといわれます。
また、ピネンには交感神経の興奮を抑えて、精神をリラックスさせる鎮静作用があるとされます。
④アレルギー症状を和らげる働き
そのほか、フラボノイドの一種であるルテオリンが、アレルギー反応を引き起こす物質・ロイコトリエンの産生を抑えて花粉症などのアレルギー症状を緩和します。
まとめ
パセリは風味が独特なので料理のメインにはならないですが、体にいいものをプラスする気持ちで、少量料理に入れてみるとよいと思います。
自家栽培もおすすめで、モスカールドパセリは、育てるとわしゃわしゃしてブロッコリーみたいな見た目になります。一方で、比較的虫食いも少ないので、どんどん繁殖して増えてしまうことも。
パセリは栄養豊富で、各種料理に使いやすいという優れモノハーブですが、さすがに毎日食べるのは飽きてきます(実体験)。
ここではパセリの風味を生かす料理を中心に紹介しましたが、ドレッシングのように「なるべくパセリの風味を抑えられる料理」も覚えていくといいのかもしれませんね^^