マレイン|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

マレイン|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

マレインの特徴・形状

  • 全草が毛におおわれており、ベルベットのような歯触りがある
  • 風邪時の咳や痰、発熱などに活用される
  • 魔除けの効果があると考えられ、修道院の庭に植えられた

マレインはゴマノハグサ科モウズイカ属の二年草で、ヨーロッパ、西アジアを原産地とします。

およそ360種が存在し、全草がベルベットのような柔らかい毛に覆われていることから、「フランネルの毛布」とも呼ばれるハーブです。

植物的な特徴

草丈1~2mに育ち、植物全体に灰白色の綿毛が生えています。葉は根出葉と茎葉があって、根出葉は10~30cmの卵型、縁には鋸歯(ギザギザ)があります。

茎葉は先の尖った楕円形で、全縁でやや波打ち茎に互生します。

開花期は7~8月で、長さ20~50cmに伸びた花茎の先に、穂状花序の黄色い花が咲きます。この花の大きさは1.5~2cmほどで、花冠は5つに裂けます。花にはかすかに香りがあり、雄しべにも白くて長い毛が生えています。

花後には球形の蒴果がなります。

効果・効能

マレインの葉と花は、呼吸器系の疾患を改善するハーブとして知られており、風邪やのどの不調、気管支炎、咳などのつらい症状を和らげてくれます。

主な作用としては去痰、抗炎症、鎮静作用などがあり、特にマレインに含まれる植物成分のサポニン類と粘液質が、痰の排出を助けて咳を緩和します。発汗・利尿作用のあるフラボノイド類も含まれるので、発汗による解熱効果も期待できます。

また、皮膚の諸症状に対する外用薬としても利用でき、皮膚炎や関節痛、傷などの痛みに浸出液で作った湿布を使うと症状が鎮まります。

そのほか、抗結核作用や胃腸の粘膜を保護する収れん作用、抗菌作用などがあるといわれます。

適応

発熱、咳などの呼吸器系の症状、緊張、不安、関節炎、リウマチ、痛風など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 冷却作用
  • 鎮静作用
  • 鎮痙作用
  • 去痰作用

禁忌・副作用

特に知られていません。

安全性・相互作用

安全性クラス1…適切な使用において安全
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

マレインの主な使い方

使用部位

マレインは主にハーブティー、薬用に使用されています。

ハーブティー

マレインの花を使ったハーブティーはやや甘みがあります。咳が出てのどの痛みがある時は、粘液質の豊富なマーシュマロウやウスベニアオイ、解熱ならエルダーフラワー、口内を清潔にしたい時はセージやタイムなどとのブレンドが考えられます。

薬用

花の浸出液は、皮膚を保護する働きがあるため、肌の炎症や傷、関節炎の痛みなどに湿布すると症状が緩和されます。また、風邪をひいたときに、嗅ぎタバコとして利用すると鼻詰まりが解消されるといわれます。

マレインのエキスは、毛母細胞のもとになる細胞を増やす効果があるため、育毛剤に活用されることがあります。花の浸出液などをヘアリンスにすることもできます。

その他

花からは緑や黄色の染料が取れ、繊維や髪を染める際に利用されました。花はリキュールの香りづけに使うことができます。また、花から摂れる精油は、外傷や腹痛などの症状に適応されることがあります。

味・香り

花はほのかな蜜の香りがある。やや甘く香ばしい、クセのない味わい。

マレインの基本情報

学名Verbascum thapsus
英名Great MulleinCommon Mullein
和名・別名ビロードモウズイカ、バーバスカム、ニワタバコ
科名ゴマノハグサ科モウズイカ属
分類二年草
原産地ヨーロッパ、西アジア
使用部位葉、花
主要成分粘液質(キシログルカン、アラビノガラクタンなど)、イリドイド配糖体(アウクビン)、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリンなど)、セスキテルペン、リグナン、ベスコサポニンなど
作用冷却、鎮静、鎮痙、去痰
適応発熱、咳などの呼吸器系の症状、緊張、不安、関節炎、リウマチ、痛風など

語源・由来

学名のうち属名のVerbascumはラテン語の「ひげ」に由来し、種小名のthapsusはシチリア島にある地名がもとになっています。

英名のマレイン(Mullein)はラテン語の「柔らかい」から来ています。柔らかい毛に覆われた姿から名づけられました。

和名のビロードモウズイカのビロードは柔らかい布のような肌触りを、モウズイカ(毛蕋花)は、雄しべに毛が生えていることを意味します。

歴史・エピソード他

マレインはギリシャ時代から利用されており、1世紀古代ローマの医師・ディオスコリデスは、マレインを呼吸器系の病気に対して良いと説明しています。

古くから去痰、肺結核、乾咳、気管支炎、咽頭炎、痔などの症状に使われていたようです。

魔除けやおまじない、日用品に使われた

また、マレインは悪霊や災厄から身を守る守護の力を持つハーブと考えられて、中世には悪魔を払うために修道院の庭に植えられました。さらに、持ち歩くとその人に勇気が与えられる、異性から愛されるようになると信じられていました。

柔毛のある葉は靴の中敷きにされることがあり、足が温められるため「フランネルの毛布」と呼ばれました。そのため、靴の中に葉を入れておくと風邪にかからないといわれます。

マレインの柔らかい葉や茎は乾燥させると燃えやすくなるため、「キャンデリラ」と呼ばれてたいまつやランプの芯に使われることもあったそうです。

アメリカにも広まる

アメリカでは18世紀初期に輸入され、薬用のほか毒流し漁(海や河川に毒をまいて魚を取る漁法の1つ)、肺病に対して喫煙医薬品などに利用されました。

ネイティブアメリカンの間にも広まり、マレインのシロップを作ったり、葉を燃やして失神した人の意識を回復させる、葉を吸引して喘息や咳を鎮めるなど様々な使い方をしたようです。

日本では明治時代の初めに観賞用として導入されました。当時はニワタバコと呼ばれ、現在では野生化して山野だけでなく市街地でも見られるということです。

参考文献

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