ホーソン|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

ホップ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

ホーソンの特徴・形状

  • バラ科の植物で果実をハーブとして使う
  • 心臓の負担を減らし、血流を改善する働きがある
  • キリストがかぶったというイバラの冠はホーソンだったといわれる

ホーソンはヨーロッパ、西アジア、北アフリカなどを原産地とする、バラ科サンザシ属の落葉性小高木で、心臓の働きを助けるハーブとして知られています。

ホーソンの仲間はいくつか種類がありますが、メディカルハーブで主に利用するのは和名をセイヨウサンザシ(学名:Crataegus monogyna)という品種で、ハーブティー、カプセル、錠剤等で摂取できます。

植物的な特徴

樹木の高さは約4mで、バラ科らしく枝には堅くて鋭いトゲがあります。葉は長さ1.5~6㎝ほどの楕円形~卵型をしており、縁が3~5裂して不揃いな鋸歯(ギザギザ)があります。

5月頃になると白~淡い紅色の花が咲き、この花は通常4~25個の花が集まる集散花序を構成します。花弁は5枚で、花後秋になると赤い実がなります。

効果・効能

ホーソンは「心臓を守るハーブ」と呼ばれ、果実には優れた強心作用と血流を改善する働きがあります。

①強心作用があり循環器に働きかける

動悸や息切れ、心臓の痛みなど心臓に関わる症状によく、ホーソンの葉や花も心不全や狭心症、胸の圧迫感がある時に良いとされます。

また、作用が穏やかなため、子供から高齢者まで幅広い年代に利用することが可能で、老化に伴う心臓機能能の低下にも有効です。ホーソンの成分が動脈を拡張し、血液の滞り・血圧を調整して酸素摂取量を改善してくれます。

②リラックス効果

ホーソンの植物成分には安眠をサポートするヒペロシドや、ストレスを抑える効果があるというビテキシンなどが含まれます。そのため、イライラ・不眠など神経性の症状の他、不整脈、高血圧、低血圧などにも一定の効果があるといわれます。

③その他の働き

さらに、フラボノイド類が利尿作用によるデトックスやむくみの解消にも役立ちます。

ホーソンに含まれる栄養素カテキン・ビタミン類には抗酸化作用もあるので、体のサビを防ぎ動脈硬化などの生活習慣病を予防します。美肌にも良い効果があるかもしれませんね。

その他、ホーソンは消化器の働きを良くする作用が知られています。

適応

心臓の機能低下、動悸、息切れ、心臓の圧迫感や重圧感、血行不良、むくみなど

効果については人によって感じ方が少しずつ異なります。ハーブの使用について、妊娠中・授乳中、持病がある、薬を常用しているなどの場合、注意が必要になることがあります。

主な作用

  • 強壮作用
  • 抗酸化作用
  • 利尿作用
  • 鎮痛作用
  • 鎮静作用
  • 健胃作用

禁忌・副作用

特に知られていません。

安全性・相互作用

安全性クラス1…適切な使用において安全
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

ホーソンの主な使い方

使用部位
  • 葉、花、果実

ホーソンは主に料理、ハーブティーに使用されています。

料理

ホーソンの実は酢や酒に漬けるとビネガー、薬用酒、リカーになります。その他ジャム、シロップに加工できます。葉は生食でき、洗った後サラダなどに加えることができます。

ハーブティー

ホーソンは作用が穏やかなため、即効性はないですが長期利用ができます。ホーソンベリー(果実)は甘酸っぱい香りがあり、胃もたれ改善のほか美肌にも効果的です。血管を拡張する働きがあるハーブや神経の緊張を抑えるハーブと一緒にブレンドすると、ホーソンの美点が生かせます。

その他

抗菌作用のあるタンニンが含まれるので、ティーを湿布にして外用に使うこともできます。切り傷、かぶれなどにあてると症状が和らぐとされます。

味・香り

ベリーらしくやや酸味のある香りがする。味はほとんど感じられない。

ホーソンの基本情報

学名Crataegus monogyna
英名hawthorn
和名・別名セイヨウサンザシ(西洋山査子、山樝子)、ヒトシベサンザシ(一蘂山査子)、メイフラワー、イングリッシュホーソン
科名バラ科サンザシ属
分類落葉性小高木
原産地ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ
使用部位葉、花、果実
主要成分サポニン、タンニン、オリゴメトリックプロアントシアニジン、フラボノイド配糖体(ヒペロシド、ビテキシンなど)、カテキンビタミンC、Eなど
作用強壮、抗酸化、利尿、鎮痛、鎮静、健胃
適応心臓の機能低下、動悸、息切れ、心臓の圧迫感や重圧感、血行不良、むくみなど

語源・由来

学名のうち属名のCrataegusはギリシャ語のkratos「堅い」とagein「持つ」が由来で、この種類の植物は堅い枝を持つためこの名が付きました。種小名のmonogynaは「ひとつの雌蕋」という意味があり、雌蕋とは雌しべのことをいいます。

歴史・エピソード他

ホーソンは古代ギリシャでは、「希望」「喜び」の象徴とされ、豊穣のシンボルとして婚礼の際に使われました。

ローマ時代から薬用されており、当時から消化器の不調や腎臓の病気に利用されていました。中世には花と実が心臓の治療薬として用いられ、傷や腫れにも適用されたそうです。

日本へ渡来した時期ははっきりしませんが、江戸時代とも明治時代中期ともいわれています。

神秘・魔術とも関りがある

また、神秘・魔術ともかかわりが深く、キリストが処刑される際かぶっていた冠はホーソンでできていたといわれ、西洋のキリスト教圏でホーソンは神聖視されてきました。

ローマ時代にはホーソンで作られた冠には神秘的な力があると考えられ、中世以降も魔女や嵐を追い払う目的で束ねた枝を屋外に置いたそうです。

また、ホーソンベリーが持つ腐敗臭に似た香りは「病気・死」と結びつけられ、家に入れると不幸になるといわれました。一方で、この香りが肉体的とされたため、愛や結婚、妊娠、春の象徴として婚礼に使われることもあったようです。

メイフラワー(5月の花)の1つ

ホーソンは5月に咲くMayflower(メイフラワー)と呼ばれる花の1つでもあります。

イギリスからアメリカへ入植者を運んだメイフラワー号がたどり着いた場所(現代のマサチューセッツ州)にこのホーソンが自生し、たくさんの花を咲かせていたことが由来で、ホーソンはアメリカの国花・マサチューセッツ州の州花となっています。

参考文献

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