フェヌグリーク|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

フェヌグリーク|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

フェヌグリークの特徴・形状

  • アーユルヴェーダで消化不良や肝機能の向上に使われる
  • 炎症時の痛みや胃痛・腹痛にも良いとされる
  • 種子は栄養素が豊富で、葉や茎も食べられる

フェヌグリークは西アジア、南東ヨーロッパ、モロッコ、インドなど暖かい地方を原産とする、マメ亜科フェヌグリーク属の一年草です。

ビタミン・ミネラルのほかたんぱく質が豊富で、日本ではコロハ(胡廬巴)という名で知られています。ヒンドゥー語で「メティ」といい、インドの伝統医学・アーユルヴェーダでも使われるハーブです。

植物的な特徴

高さは約40~70㎝、茎は細く直立し、茎の上部でよく枝分かれします。葉は2~4cmの楕円形~涙型をした全縁葉で、葉に互生します。

6~8月頃になると、茎先に白~黄色の円錐花序の花が開花。この花の大きさは直径1.5~2.5cmで、花弁は5つあります。

8月末以降はにさや状の蒴果(さやの中に種子がある)が収穫できます。若葉も食べられますが、主に種子をスパイスとして利用できます。

効果・効能

フェヌグリークは主に消化不良や食欲不振、腸内ガス、関節痛や母乳の出が悪いときなどに利用されてきました。他にも血糖値降下作用や、肝機能を強化する作用があるといわれています。

成分には粘液質が含まれるため、消化器の粘膜を保護する働きがあります。風邪でのどの痛みがあるときや、咳が出る時、便秘などの解消に効果が期待できます。

また、フラボノイドの一種であるアピゲニンも含まれるので鎮痙作用があり、消化の不調で胃痛、腹痛があるときにも有効です。

そのほか、抗炎症作用のあるステロイドサポニン、鎮痛作用のあるアルカロイドなどが含まれます。つらいリウマチなどの関節炎や、消化器官の炎症、生理痛を抑えて痛みを和らげてくれます。

それ以外では男性ホルモンを活性化させたり、筋肉の減少を抑えるホルモン様物質・ジオスゲニンを含むため、強精・強壮作用があるとされています。

適応

食欲不振、消化不良、胃の痛み、高血糖、高コレステロール値、催乳、生理痛など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 滋養作用
  • 健胃作用
  • 駆風作用
  • 血糖値降下作用
  • 抗炎症作用
  • 催乳作用

禁忌・副作用

  • 糖尿病の症状がある場合は、注意が必要です。
  • 妊娠中は使用を控えます。
  • 内用・外用ともに長期・多量摂取は避けてください。

安全性・相互作用

安全性クラス2b…妊娠中に使用しない
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

フェヌグリークの主な使い方

使用部位
  • 若葉
  • 種子

フェヌグリークは主に料理、ハーブティーに使用されています。

料理

全草が食用でき、苦みのある若葉はサラダや料理のの飾りに、種子はカレーのスパイスに使うほか、野菜炒めなどに加えて味付けができます。

特に中東ではたんぱく質が取れる食材として利用されており、種子はお粥や調味料に使われてきました。コロッケやジャムなどにも利用できます。

また、種子はメープルシロップのような香りがするため、香料として用いられることもあります。さらに挽いて炒めるとカラメルに似た芳香が出ます。

ハーブティー

やや苦味があるハーブティーなので、苦味が気になるときははちみつやレモン、三温糖などを加えると飲みやすくなります。ブレンドの一例としては、消化不良の時にペパーミントなど清涼感のあるハーブを、胃のむかつきがあるきに消炎作用のあるジャーマンカモミールなどを加えたりすることができます。

その他

種子をミルサーなどで細かく砕いたものは練ると湿布剤に利用できます。関節痛やリウマチ、捻挫などの痛みに効果的です。また、種子は草木染の染料として使うことができます。

味・香り

セロリのような強い香りがあり、甘みがありながらも同時に苦味のある味。

フェヌグリークの基本情報

学名Trigonella foenum-graecum
英名fenugreek、Sicklefruit fenugreek
和名・別名コロハ(胡廬巴)、メッチ、メティ
科名マメ亜科フェヌグリーク属
分類一年草
原産地西アジア、南東ヨーロッパ、モロッコ、インド
使用部位若葉、種子
主要成分フラボノイド、アピゲニン、クマリン、フィトステロール、粘液質、ステロイドサポニン、アミノ酸、油脂、食物繊維、精油など
作用滋養、健胃、駆風、血糖値降下、抗炎症、催乳、子宮刺激
適応食欲不振、消化不良、胃の痛み、高血糖、高コレステロール値、催乳、生理痛など

語源・由来

属名のTrigonellaは「三角形」と「小さい」で、小さな三角形という意味があります。種小名のfoenum-graecumは古ラテン語で「ギリシャの干し草」という意味があります。

また、英名のフェヌグリーク(fenugreek)は、foenum-graecumが変化たものです。和名のコロハは中国名「胡廬巴」の音読みです。

歴史・エピソード他

古代から栽培されてきたハーブの1つで、紀元前7世紀に古代のアッシリア時代には既に人の手で育てられていたといわれています。インドや中国にも早い時期に伝来しており、5000年の歴史を持つインドの伝統医学アーユルヴェーダでは消化不良や肝機能の向上に薬効を持つハーブとされています。

紀元前1550年ごろに書かれた古代エジプトの薬学書『エーゲルス・パピルス』で、フェヌグリークは出産に用いるハーブとして登場します。古代エジプトの調合香料「キフィ」の材料の1つで、ツタンカーメン王の墓からもフェヌグリークが発見されました。

紀元前2世紀ローマの政治家・大カトーは、牛の乳の出が良くなる効果があるとし、飼料としてクローバーとフェヌグリークの栽培を命じました。また、ローマ時代、フェヌグリークはワインの風味づけに用いられたそうです。

栄養素の豊富なフェヌグリークの種子は、宗教上の理由から肉を食さない人々にとって貴重な栄養源のひとつでした。紀元前1世紀のガリラヤなど、古代では地域によっては主食としても利用されていました。中世にはハーブを愛好したカール大帝によって、栽培が命じられたといいます。

日本に伝来したのは江戸時代で、薬草・漢方薬として利用されたものの栽培は行われませんでした。

参考文献

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