ショウガ(ジンジャー)|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

ショウガ(ジンジャー)|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説
目次

ショウガの特徴・形状

  • スパイスとして料理で辛味づけに活躍する
  • 体の働きを活性化して体を温めたり、疲労回復に良い効果をもたらす
  • アーユルヴェーダや中国伝統医学でも使われる人気食材

ショウガ(生姜)は、英名をジンジャーと呼ぶショウガ科の多年草で、原産地ははっきりしませんが、インド~マレーシアの原産と考えられています。

日本でも様々な品種がありますが、原産地のアジアの熱帯地方では80種ほどの種類があるそうです。

食材として料理使われるのは根茎の部分で、黄色く独特の辛味や芳香を持っています。通常8月頃に地下茎を収穫したものを生姜と呼び、8~9月に出荷するものを新生姜といいます。

植物的な特徴

草丈60㎝~90㎝ほどで、地下に多肉の根茎があり、地上には葉だけが出るのが特徴です。茎があるように見えますが、これは偽茎と呼ばれるもので、実際には葉が茎を抱いて巻き重なっています。

そして、葉は細長く直立し、先端が尖った形(披針形)をしています。また、9~11月頃になると、根茎とは別に約20㎝の花茎が伸び、先端に白い~薄黄色の花穂を咲かせます。

ショウガの種類

新生姜収穫したショウガを貯蔵せずにそのまま出荷したもの。皮の色が白くて、茎のつけ根部分は紅色をしている。
生姜貯蔵され10月以降に出荷される。「古根」「ひねショウガ」とも呼ばれ、皮が薄茶色で新生姜よりも堅くて、辛味や芳香が強い。
葉ショウガ根茎に葉が付いたまま出荷されたもの。根茎の部分は小さく、6月~8月にかけて流通する。柔らかくて辛みが少ない。

効果・効能

ショウガは体を温める作用があるため、民間療法でも冷え性や風邪の引き初めに良く用いられています。

これはショウガに含まれる辛味成分ジンゲロール・ジンゲロンを活用したもので、血行を改善して発汗を促してくれます。

また、胃腸の調子を整え消化を良くするため、消化不良や胃のむかつき、吐き気などの症状にも効果的です。その他、殺菌効果のある成分が複数含まれるため、解毒にも役立ちます。

また、香り成分のシネオールには、疲労回復、夏バテ解消などの効果があるとされています。

ショウガは生か乾燥かで薬効が異なる

ショウガは生か乾燥化で薬効がやや異なるため、漢方の生薬では生のショウガを「生姜」、乾燥させたものを「乾姜」と呼び区別します。

生のショウガにはジンゲロールという成分が含まれており、乾燥または加熱させると一部がショウガオールという成分に変化します。

生のショウガの薬効

生のショウガには血行促進作用があり、血行不良を解消するとともに体を温める効果があります。そのため、冷え性の改善や肩こりなどの痛みにも有効です。

また、鎮痛作用があることから、つわりや関節炎などのつらい症状に効果的です。

そのほか強い殺菌作用を持つため、食中毒の予防にも良いとされます。

乾燥したショウガの薬効

乾燥(または加熱)したショウガはショウガオールが含まれ、コレステロール低下、免疫力アップ、抗酸化に効能を持ちます。体を内側から温める効果があり、脂肪燃焼に役立ちます。

適応

吐き気、腰痛、腹痛、疲労回復、夏バテ、消化不良、冷え性、風邪

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 殺菌作用
  • 健胃作用
  • 矯味・矯臭作用
  • 食欲増進作用
  • 鎮吐作用
  • 血行促進作用
  • 発汗作用

禁忌・副作用

一般的に安全であると考えられています。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が起こりうるハーブ。ニフェジピン(血管拡張薬)との併用で、ニフェジピン単独より明確な抗血小板作用がある。
安全性クラスⅠ…適切な使用において安全。胆石がある場合は医師に相談すること
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

ジンジャーの主な使い方

使用部位

ショウガは主に料理、ハーブティー、ドリンク、薬用に使用されています。

料理

ショウガの有効成分は主に根茎の皮の近く多く含まれており、皮が良く乾いていて堅いものが良いといわれています。

栄養素にはカリウム、亜鉛、銅、マグネシウム、食物繊維が含まれており、抗菌作用で食材の劣化を抑える働きがあります。

ショウガが持つ独特の芳香を利用すれば、肉や魚の臭み消しに活躍。下味付けやカレー・煮込み料理などによく使われますよね。

ジンジャークッキーのように砂糖の甘味を抑えるために活用されることもあり、日本でも和菓子や干菓子に使われることがあります。生姜糖や生姜せんべいなどが知られています。

飲み物

飲み物としてはジンジャーエールが有名です。ショウガのお茶「ジンジャーティー」は冬に飲むと保温効果で体が温まります。緑茶や紅茶に少量加えて飲むこともでき、ピリッとした辛みを楽しめます。

薬用

ショウガは漢方薬としても用いられます。漢方の「生薑(ショウキョウ)」は、秋まで、秋に葉が枯れてから根茎を掘り出して洗い、石灰をまぶして天日乾燥させたもので、発散作用、健胃作用、鎮吐作用などがあるとされます。

「乾姜(カンキョウ)」は、表面の皮を取った後に蒸して乾燥させたもので興奮作用、強壮作用、健胃作用などの働きを持ちます。

湯に生姜を入れ、蜂蜜やレモン汁などを加えた「生姜湯」は体を温めて、免疫力を高める働きがあります。

味・香り

シャープな辛みと刺激があり、若干土臭さがある風味。

ジンジャーの基本情報

学名Zingiber officinale
英名Ginger
和名・別名ショウガ(生姜)、生薑、薑
科名ショウガ科ショウガ属
分類多年草
原産地熱帯アジア
使用部位根茎
主要成分ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロン、ビタミン、ミネラル、アミノ酸
作用殺菌、健胃、矯味、矯臭、食欲増進、鎮吐、解毒、血行促進、発汗
適応吐き気、腰痛、腹痛、疲労回復、夏バテ、消化不良、冷え性、風邪

語源・由来

属名のZingiberは、古サンスクリット語のsring「角」とvera「根」が合成された「Singavera」が由来になっているといわれ、古サンスクリット語のペルシア語訳(dzungebir)が語源と考えられています。種小名のofficinaleは「薬用の」という意味です。

生姜(漢字)の由来は、中国の医神・農神である神農が薬を採集する際に毒物を食べてしまい、ジンジャーを食べて生還したという逸話が基になっています。神農の姓である「姜」と生還の「生」を合わせて「生姜」と名付けられたといいます。

歴史・エピソード他

世界での歴史

ショウガは古代からスパイス貿易で重要視され、インドや中国ではかなり昔から食用されており、アーユルヴェーダ医学、中国伝統医学のほかユダヤ人の経典などにも登場し、様々な場所で薬用されていたことがわかっています。

中国では紀元前650年ほど前には利用されていたようで、古典『論語』郷党編に、孔子がはじかみ(ショウガ類)を食していた記述があります。

ヨーロッパでは季候の関係で栽培できなかったものの、古代ギリシャ時代から薬として活用されていました。古代ローマの医師ディオスコリデスは『薬物誌』の中で、ショウガには「体を温め消化を助け食欲を増進させ、緩下作用、解毒作用があり、白内障にも有効」と述べています。

ヨーロッパ中世にはゲルマン諸国家に広まり、コショウと並ぶ人気があったそうです。中世ドイツのハーブ療法家・聖ヒルデガルトは「痩せている人や衰弱の激しい人には、食事の時にジンジャーをスパイスにして摂る」ことを勧めました。

その後、15世紀末にアメリカ大陸が発見されると、西インド諸島に開いたプランテーションでヨーロッパ向けのショウガが栽培されるようになりました。

日本での歴史

日本には3世紀ごろに中国の呉から伝わったという説があり、『古事記』に登場するほか、平城京跡で発見された木簡に「生薑」という字が散見されるため、奈良時代には栽培が始まっていたと考えられています。

古くはショウガを「はじかみ」と呼び、サンショウなどと同視していました。また、区別として「くれのはじかみ」「ふさはじかみ」と称していました。薬用の他、厄除けや魔除けの効果があるとされ、疫病退治の祈祷にも用いられました。

 

参考文献

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