セージ|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

セージ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説
目次

セージの特徴

  • 葉は薄い灰緑色で特徴的な香りがある
  • 浄化・抗菌作用の強く、うがい薬や歯磨き粉に活用できる
  • 古くから有用性が評価され「寿命を延ばすハーブ」といわれた

セージはシソ科アキギリ属の常緑高木で、地中海沿岸が原産です。もともと日本では学名の「サルビア(salvia)」で呼ばれていましたが、現在は園芸種と区別するため、英名のセージのほか「薬用サルビア」の名で呼ばれます。

日本でいうセージ(英:Common Sage、学名 Salvia officinalis)は、「薬用サルビア」のことを指しますが、英名ではサルビア属全体のことを指すため、500種以上の種類があるとされています。

植物的な特徴

高さは約60cmほどに育ち、株全体から芳香を放ちます。茎の断面が四角いのが特徴で、成長と同時によく枝分かれします。葉は茎に対生し長い楕円形でベルベットのような肌触りがあります。

また、表面に網目状のしわがあり、白い綿毛が生えているため、全体的に白灰色がかって見えます。そのためこの色は「セージグリーン」として色の名称にもなっています。5 ~6月になると枝先から花穂を出して、薄紫または白色の唇形花を輪散花序(茎の周りを取り囲むように花が咲く)で咲かせます。

セージとサルビアは同じ植物?

セージはよく「サルビア」と呼ばれることがあります。これは

  • セージの学名には「アキギリ属」という意味の”Salvia”という属名が付く
  • 和名を「薬用サルビア」という

といった理由によるもので、セージ・サルビアどちらも名称としては間違っていません。

セージは食用できる種類と観賞用の種類とに分けられますが、食用できるものをセージ、観賞用をサルビアと呼んで区別することが多いようです。

効果・効能

セージは殺菌作用、浄化作用、抗酸化作用の強いハーブで、風邪や気管支炎、喉頭炎、扁桃炎など呼吸器系の疾患や、のどの痛み、口内の殺菌などに用いられています。

特にツヨンを含む精油とサルビアタンニンによる、抗菌作用や抗真菌作用、収れん作用が強力で、風邪や感染症の初期症状には有効です。

また、セージはポリフェノールの一種であるカルシノン酸が含まれており、ローズマリーに次ぐ抗酸化作用があるとされ、体の老化防止に活用されます。すっきりとした香りは、記憶力UPや感覚の向上にも用いられてきました。

女性ホルモン様作用のある成分が含まれるため、更年期障害や生理痛等ホルモンバランスの乱れによっておこる症状を緩和しする働きがあるといわれます。

同時に、発汗を抑制する作用があり、ホットフラッシュや寝汗の対策にも役立ちます。その他、痛みを和らげると同時に神経系を強化し、気分の改善にも役立つと考えられています。

そのほか、消化器の筋肉をゆるめて消化不良を改善し、腸内ガスを体外へ出す作用があります。

適応

浄化、神経性の不安、ホルモンバランスの乱れ、更年期障害、月経痛など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 殺菌作用
  • 収れん作用
  • 消化促進作用
  • ホルモン様作用
  • 抗酸化作用
  • 神経強壮作用
  • 鎮痙作用

禁忌・副作用

  • 定められた量(1日4g~6g)以上使用しないようにし、長期服用を避けるようにします。
  • 子供、妊娠中、授乳中の人、高血圧、糖尿病などの症状がある場合も注意が必要です。
  • てんかんのある人は使用を避けます。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が予測されない
安全性クラス2a…外用での使用は避ける
クラス2b…妊娠中に使用しない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

セージの主な使い方

使用部位
  • 地上部(主に葉、茎)

セージは主にハーブティー、料理、薬用に使用されています。

料理

生の葉は苦味があるものの、加熱すると甘みに変わります。殺菌作用・防腐作用を活用して、肉料理の臭み消しにするほか、マトンやレバーなどの内臓系料理の香りづけにも使えます。

ソーセージや加工食品とも相性が良く、ヨーロッパではガチョウや豚の肉料理、中近東ではカバブ料理に用いられています。

ワインやリキュール類に漬け込むと強壮効果が得られるほか、7~8月に採取した葉を陰干しにして乾燥させたものは薬用、香味料に使います。

ハーブティー

胃もたれや食欲不振、疲労回復にセージのハーブティーが役立ちます。

胃の不調を感じる時やおなかにガスが溜まっているときに気分をスッキリさせてくれます。紅茶とも合い、砂糖やはちみつを淹れて甘みを加えることもできます。

薬用

殺菌作用が高いため、余ったティーなどでうがいをすると歯肉炎や口内炎の腫れを鎮めたり、感染症予防をするのに効果的です。また、煎剤はローションや髪のケアにも使えます。

乾燥した葉は細かくパウダー状にして塩と混ぜれば、歯磨き粉になります。漢方では生薬名を「サルビア葉」といい、消毒、駆風に良いとされています。神経系の強壮薬として用いられることもあります。

味・香り

スーッとした香りで、若干薬のような苦味がある。

セージの基本情報

学名Salvia officinalis
英名Common Sage
和名・別名薬用サルビア
科名シソ科アキギリ属
分類多年草または常緑低木
原産地地中海沿岸、ヨーロッパ、アジア
使用部位地上部
主要成分タンニン、フラボノイド、苦味質、サルビン、精油
作用殺菌、収れん、消化促進、ホルモン様、抗酸化、神経強壮、鎮痙
適応浄化、神経性の不安、ホルモンバランスの乱れ、更年期障害、月経痛など

語源・由来

属名のSalviaは「治す」の意味があり、ラテン語でsalvo「健康である」やsadvere「治療する」などに由来します。

種小名のofficinalisには「薬用の」という意味があります。古代から薬効が認められていたことを示しています。

歴史・エピソード他

セージは聖書にも登場するハーブです。聖母マリアがエジプトからの脱出を試みた時に、幼いイエスと共にセージの茂みに身を隠したエピソードが記されています。そのため、セージはマリアの持物(アトリビュート)の1つとなり、「慈愛」や「感謝」を意味するようになりました。

古代ギリシャ・ローマ時代には既に薬用されており、強壮薬や、咽頭炎のうがい薬として利用されるほか、蛇に噛まれた時の解毒や集中力UP、女性の生殖能力を高めるためにも活用されました。

古代ローマの医師ディオスコリデス、『博物誌』で知られる大プリニウス、医学者のガレノスらは、セージを利尿剤、止血剤、催吐剤、強壮剤などに勧めています。

1615年に書かれたジャーヴェス・マーカムの 「The English Housewife」という書物に、セージと塩の歯磨き粉レシピが登場します。

日本にセージが伝わったのは明治初期ですが、当時は高温多湿な気候が合わず栽培は難しかったようです。

長生きのハーブ

カール大帝は中世初期にセージを菜園で栽培することを命じ、カロリング朝時代には修道院の庭で栽培されました。中世、セージの評価は高く、寿命を延ばすハーブとして「S.salvatrix(救世主セージ)」と呼ばれることもあったそうです。

また、イギリスのことわざの1つに、「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」という言葉があり、セージの有用性を示すエピソードは世界各地に残されています。

 

参考文献

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