ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴|葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮を使う時のヒント

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴|葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮を使う時のヒント

ハーブやスパイスなどの植物は利用する部位によって、使い方や栄養価が違ってきます。

タイムやバジルのように葉の部分を使うものもあれば、ジャーマンカモミールのように花の部分を使うものもあり、使用部位は多岐にわたります。

スーパーなどで販売されているハーブ・スパイスはすぐ使える状態に加工されている場合も多いですが、自分で育てたものを利用する際にはハーブ・スパイスのどこを使えばよいのかよく確認する必要があります。

ここでは、部位ごとの特徴と使い方を簡単にまとめてみました。

目次

ハーブ・スパイスは利用部位を確認してから利用する

スパイスやハーブは種類ごとに利用する部位が異なります。葉や茎、根、果実、種を利用することが多いですが、果皮や蕾、雌しべなどを使うハーブもあります。

また、植物は部位によって栄養価に違いが出てくるので、こちらも気になるところ。

それ以外にも、ダンディライオンのように葉と根で薬効が違うといった、「同一のハーブ・スパイスで使用できる部位が複数あり、それぞれで使い方が異なる」ケースがあります。

特に薬効を期待してハーブを使う場合は、誤った部位を利用すると逆効果になることがあるため、そのハーブの正しい利用部位を確認してから使い始めるようにするのがおすすめです。

使用部位ごとの特徴

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

葉はハーブで最も活用される部位で、種類によっては収穫後に洗えば野菜として料理に使うことができます。緑色が美しく形も様々なのでサラダなどに加えると彩が豊かになります。

害虫からの食害を避けるため、独特の芳香や苦味・辛みを持つ場合も多く、基本的には爽やかな香りを持ちますが、ハーブティーにするとやや青臭さを感じることもあります。

ハーブティーの色は黄色~黄緑色になることが多く、ハーブの自然な色や香りを楽しめます。

シソ科のハーブに多い

ハーブの中ではシソ科のハーブ(ペパーミントやバジル、ローズマリー、セージなど)が、葉の部分を良く使います。それ以外では、アロエのように肉質かつ水分の多く含まれる種類もあります。

根・根茎

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

根には地中から水分やミネラルなどの栄養分を吸い込む役目があり、栄養素が豊富になりやすい部位の1つです。

根や地下茎を利用するハーブにはダンディライオンやジンジャー、ターメリック、バードック(ゴボウ)、朝鮮人参などがあり、いずれも栄養価の高いハーブばかりです。

その他、料理の風味付けに利用するガーリックは、地下茎の一種で養分を蓄えた葉が球根のような形の「鱗茎」を利用します。

ハーブティーを作る時は抽出時間を長めに

根の部位は固い場合が多いため、ハーブティーを作る場合は熱湯を加える前に細かく砕き、他の部位よりも長い抽出時間(5分~10分)を取るようにします。根を使って抽出したハーブティーはやや土臭さがあるのが特徴です。

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

花びらや花部全体を使うハーブにはジャーマンカモミールやエルダーフラワー、オレンジフラワー、ハイビスカス、ローズなどがあります。

乾燥させたハーブにも少量ながら花の蜜が含まれるので、ハーブティーなどに加えると甘い芳香が漂います。

多彩な使い方ができる

ローズやハイビスカスなどでハーブティーを作るとオレンジ~紅色の美しいお茶ができます。仕上げにドライの花びらをハーブティーに数枚浮かせると、雰囲気が華やかになりますよ。

食用バラのように、エディブルフラワーとして食べられるものも。色合いが豊かな種類が多いので、手作り石鹸やキャンドルの材料にして彩りを与えるのもおすすめです。

種子

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

花が咲いた後にできる種もハーブとして活用されます。種子の中には植物が成長するのに必要な栄養が凝縮されているので、栄養価のあるものも多いです。

フェンネルやアニス、キャラウェイなどはそれぞれ「シード」と呼ばれる種子に見える部分を利用しますが、正確には種子でなく果実です。本には種子とか書かれることもあるので注意が必要です。あまり癖がなく爽やかな芳香があります。

香りは良いが、味はシンプルな場合が多い

ハーブティーにする場合は単品だとあまり味が感じられないこともあるので、他のハーブとブレンドすると風味を楽めるはず。また、油に香りを移すテンパリングや、カレー料理などに加えられることがあります。

果実

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

クランベリーやラズベリーなど果実を使うハーブは食用すると甘酸っぱい味わいがあり、ハーブティーにしても同様の風味が得られます。ジャムやケーキ、​タルト、スムージーなどに活用できるものもあるので、お菓子作りに加えるとおいしくいただけます。

調味料のコショウになるペッパーや、辛味のあるカイエンペッパーも果実の部位が原料です。スパイスミルなどで挽いて粒子の大きさを調整すれば料理を楽しめます。

眼精疲労に効果的なものも多い

特にベリー類は赤色~紫色をしたものが多いですが、これは赤色色素のアントシアニンによるもので、この成分には人の視力低下の予防に役立つ働きがあるとされています。

アントシアニンなどの植物性の色素は、紫外線をカットしてダメージを防ぐ効果があるといわれ、長時間強い光を浴びる植物はその身を守るため赤みを帯びることがあります。

樹皮

ハーブ・スパイスで利用する部位ごとの特徴 (葉・根/根茎・種子・果実・花・樹皮)

ハーブというと草のイメージですが、樹木の樹皮もハーブとして活用されています。タバコのような形をしたシナモンスティックが有名ですが、ユーカリやキャッツクロ―、キャットニップなどのハーブでも樹皮の部分が利用されます。

シナモンの場合は、通常樹皮をはがした後に干して乾燥させ、巻き癖を付けをつけつつ完全に乾燥しスティックの状態になった後、出荷が行われます。

飾り付けや料理に活躍

ハーブティーを作る場合は、熱湯を入れる前に砕くと成分が抽出しやすくなります。

ホールの樹皮(シナモンなど)であれば細かくちぎられたドライハーブとは異なり、すぐにカップから取り出せるので、飾りとしてハーブティーに加えられることも。

既に粉末になっているものは、料理やお菓子作りで香りを付けたい時に活用しやすいと思います。

その他

上記以外では下のような部位が使われます。

  • 柑橘類の皮 … オレンジピール、レモンピール
  • 花のつぼみ … クローブ、アーティチョーク、ホップ
  • 偽果 … ローズヒップ
  • 雌しべ … サフラン
  • がく … ハイビスカス

使用部位ごとのハーブ・スパイス一例

アーティチョーク アンジェリカイチョウウィッチヘーゼルエキナセアオートオリーブアロエ・ベラオレガノガーリックカイエンペッパーグリーンティーコルツフットギムネマコリアンダーキダチアロエシナモンネトルフィーバーフューフェヌグリークフェンネルホーソンヒソップボリジマーシュマロウマテマルベリーマレインマジョラムメドウスイートヤローユーカリラズベリーリーフリンデンルイボスレディスマントルレモンバーベナローズマリーワイルドストロベリー
根・根茎アシュワガンダ 、アルニカアンジェリカエキナセアオートイエロードッグキャッツクロ―キャットニップコリアンダージンジャーターメリック朝鮮人参バードッグハイビスカスバレリアンブラックコホシュプリムラマーシュマロウヤローリコリスローズマリーワイルドストロベリー
種子アンジェリカイブニングプリムローズアニスシードキャラウェイコリアンダーサフラワータイムダンディライオンディルバードッグフェヌグリークフェンネル(果実)フラックスシード(果実)ボリジペッパー(白胡椒)ミルクシスル
果実カイエンペッパークランベリーソウパルメットチェストベリービルベリーホーソンペッパーラズベリーリーフワイルドストロベリー
アルニカアンジェリカウスベニアオイエキナセアエルダーフラワーオレンジフラワーカレンデュラジャーマンカモミールサフラワーハイビスカスヒース(ヘザー)フィーバーフューフェンネルホーソンヒソップボリジマーシュマロウマレインマジョラムメドウスイートヤローリンデンレディスマントルローズローズマリー
樹皮キャッツクロ―キャットニップシナモンユーカリ

まとめ

ハーブやスパイスで使う部位は種類によって異なります。葉や花などの種類ごとに大まかな特徴があるので、知っていると使い方のイメージが付きやすくなると思います。

アニスやキャラウェイなどのように、よく似た植物から同じ部位が収穫できる場合(アニス・キャラウェイの場合は種子)は、同じような使い方ができます。

注意点は、植物によっては有毒な部位が存在すること。

安全性が確認できないこともあるので、ハーブ・スパイスに薬効を期待する場合は、定められた部位だけを利用してくださいね。

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参考文献

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