メディカルハーブ検定に出題されるハーブの学名と由来について|学名は特徴を知るためのヒント

メディカルハーブ検定に出題されるハーブの学名と由来について 特徴・基本的な機能・使うタイミング

メディカルハーブ検定の試験では、ハーブの学名が問題文などに登場することがあります。

既に試験を受けた人であれば、学名を覚えるのは結構大変だったという人も多いのではないでしょうか。

ペパーミントとスペアミントなど、ハーブでも種類が違うと薬効がやや異なる場合が多いため、ハーブの特徴を学ぶ際に学名を覚えるときちんと使い分けができるようになります。

学名の由来自体は試験に出てこないですが、ここではメディカルハーブ検定で出題されるハーブの由来について紹介したいと思います。

学名には、そのハーブの起源や由来につながる情報も含まれるので調べてみると面白いですよ。

目次

メディカルハーブ検定で出題される15種類

ウスベニアオイ・エキナセア・エルダーフラワー・ジャーマンカモミール・セントジョンズワート・ダンディライオン・ネトル・ハイビスカス・パッションフラワー・ペパーミント・マテ・マルベリー・ラズベリーリーフ・リンデン・ローズヒップ

の15種類です。

学名のしくみ

すべての動植物にはラテン語で「学名」がつけられ、分類が行われます。

学術上の名前なので普段使われる名称とは異なりますが、ハーブの中にはエキナセアのように学名がそのまま活用される場合もあります。

学名は例えばジャーマンカモミールなら、下記のように表記します。

Matricaria chamomilla 

正式にはイタリック体(斜め表記)を使うルールがあり、属名、種小名の順に単語が並べられます。

ジャーマンカモミールの場合は「Matricaria 」が属名で「chamomilla」が種小名。

2つの名称で設定される「二名法」と呼ばれる方法で学名がつけられています。

属名学名の前半の部分で、生物学上の属に与えられる名称のこと。
種小名属名に続いく名称で、その種の特徴を表した形容詞が使われる。

学名の由来

ウスベニアオイ

学名:Malva sylvestris(マルヴァ・シルヴェストリス)

属名(ゼニアオイ属)のMalvaは「柔らかくする」という意味のmalacheという言葉が基になっています。

これはウスベニアオイの持つ粘液質が症状を和らげる効果を持つためです。

種小名のsylvestrisは、「森林性の、野生の」という意味です。

植物成分の1つである粘液質は胃や腸の細胞壁など、内臓にある組織に働きかけて保護する作用があります。炎症のある時などに組織の修復をサポートしてくれます。

エキナセア

学名:Echinacea purpurea(エキナセア・プルプレア)

Echinaceaはギリシャ語のechinos「ウニ、ハリネズミ」が語源で、エキナセアの花の中心部分が盛り上がって針のように突き出す形から名づけられました。

purpureaは「紫色の」という意味があります。

メディカルハーブ検定の公式テキスト表紙に描かれているピンクの花はエキナセアで、アメリカでは最も人気のあるハーブといわれています。免疫力を高めるのに優れた働きがあります。

エルダーフラワー

学名:Sambucus nigra(サンブクス・ニゲラ)

学名のうちSambucusは、ギリシャ語のsambuce「古代の楽器」に由来し、ラッパの一種の楽器がこの木で造られました。

種小名の nigraは「黒の」という意味で、エルダーの熟した果実が黒っぽい色になるため名づけられました。

樹木の一種で5月~6月になると、白またはクリーム色の星みたいな形をした小さな花がたくさんつきます。イギリスでは飲み物のコーディアルに活用されるハーブです。

ジャーマンカモミール

学名:Matricaria chamomilla(マトリカリア・カモミラ)

学名のMatricariaはmatrix「子宮」とmather「母」から派生し、 種小名のchamomillaは「丈の低いリリンゴ」という意味があります。

古くはMatricaria recutitaと呼ばれていたこともあり、recutitaは「反り返る」という意味を持ちます。

これはカモミールの花びらが反り返っているように見えることから名づけられました。

リンゴの香りがするため、ギリシャ時代から「大地のリンゴ」と呼ばれていたハーブです。ハーブティーの定番で、幅広い症状に対応できる万能ハーブの1つです。

セントジョンズワート

学名:Hypericum perforatum(ハイペリカム・パフォレイタム)

学名のうち属名のHypericumは、古ギリシャ語で「あらゆる病気や悪魔に打ち勝つ」という意味があります。

種小名のperforatumは「貫く、孔の開いた」という意味があり、葉の腺点を表現しています。

うつ病など精神面の落ち込みに効能を持つハーブで、気持ちを明るくさせることから「サンシャインサプリメント」と呼ばれます。英名についている「セントジョーンズ(St. John’s )」は、キリストに洗礼を授けた聖ヨハネのことを言います。

ダンディライオン

学名:Taraxacum officinale(タラクサカム・オフィスナリス)

属名のTaraxacumはアラビア語のtharakhcakom「苦い草」やギリシャ語のtaraxoxに由来し、種小名のofficinaleは「薬用の」という意味があります。

日本ではセイヨウタンポポの名で知られます。

葉の形がライオンの牙に見えるため、ラテン語・フランス語で「ダンディライオン(Dandelion)」と呼ばれます。緩下作用で体内の毒素を排出する働きがあり、苦味が肝臓に良い効果をもたらします。

ネトル

学名:Urtica (ウルティカ・ディオイカ)

属名Urticaはuro「チクチクする」というラテン語の古名に由来し、イラクサ科のことを指します。

種小名のthunbergianaは「雌雄異株の」という意味があります。

ネトルは和名で西洋イラクサといい、葉には細かなトゲがあります。この葉に触れるとトゲの先からアレルギーを起こす成分が出るため皮膚に炎症が起きます。そのためその症状が「蕁麻疹」の由来になりました。

ハイビスカス

学名:Hibiscus sabdariffa(ヒビスクス・サブタリファ)

学名のうち属名のHibiscusは、ゼニアオイ(Malva mauritiana)につけられた古代ギリシャ語、ラテン古名で、種小名のsabdariffaは由来がわかっていません。

ジャマイカ語またはトルコ語から来ていると考えられています。

メディカルハーブで使われるハイビスカスはローゼル種と呼ばれ、南の島にあるハイビスカスとはやや異なります。クエン酸が豊富で、ローズヒップと組み合わせると疲労回復に役立ちます。

パッションフラワー

学名:Passiflora incarnata(パシフロラ・インカルナタ)

学名のうち属名のPassifloraはラテン語で「キリストの受難」という意味で、種小名のincarnata「肉赤色」という意味があります。

英名のパッションフラワー(Passion flower)の意味も学名と同じ「キリストの受難の花」で、花の形がキリストの磔刑に見立てられました。

パッションフラワーのキリスト教的な意味
  • 花の子房柱:十字架
  • 3つに分かれた雌しべ:釘
  • 副冠:茨の冠
  • 5枚の花弁と萼:ユダとペトロを除いた10人の使徒
  • 巻きひげ:ムチ
  • 葉:槍

パッションフラワーは精神を安定させる効果が強いハーブで、神経系に働きかけて気分を落ち着かせます。紫色の花びらでかなり独特の形をしています。

ペパーミント

学名:Mentha piperita(メンタ・ピペリタ)

属名のMenthaはギリシャ神話のニンフの名前から命名、または古いラテン語名に由来します。

種小名のpiperitaは「コショウに似た」という意味があります。

良く知られているハーブの1つですね。ペパーミントに含まれるスーッとする成分(メントール)は、心身のリフレッシュに効果的で、ガムなどにも活用されています。消化不良など消化器系の不調に便利なハーブです。

マテ

学名:Ilex paraguariensis(イレックス・パラグアイネンシス)

属名のIlexはラテン語の古い言葉で「ヒイラギ」を指し、種小名のparaguariensisは「パラグアイの」という意味があります。

南米パラグアイなどの国々でマテが生産されることが由来になっているようです。

日本でも良く見かけるようになってきたマテ茶の原料になるハーブです。アルゼンチンやパラグアイなどの南米が原産地で、現地ではマテ専用の壺にマテ茶を入れてストローを使って飲む習慣があります。

マルベリー

学名:morus alba(モルス・アルバ)

属名のmorusはケルト語の「黒」に由来し、ブラックマルベリー(Morus nigra)など、実が黒くなる同じ属種にちなんでつけられた名です。

種小名のalbaにはラテン語の「白」という意味があります。

メディカルハーブとして有名なホワイトマルベリー(Morus alba)は、果実が白いまま赤くならずに熟することがあるためこの名が付いたと考えられています。

クワ(桑)の一種ですが、日本に自生するものとは種類が異なります。ミネラルの豊富なハーブで血糖値を抑える働きもあります。メディカルハーブとしては葉を使いますが、実も食べられます。

ラズベリーリーフ

学名:Rubus idaeus(ルブス・イダエウス)

属名のRubusは古いラテン語で「赤い」という意味があり、種小名のidaeusはクレタ島にある「イディ山」の意味があります。

古代には、この山付近でラズベリーが多く繁殖していたそうです。

ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)は「神様の白いフルーツ」と呼ばれ、ギリシャ神話にも登場するハーブです。出産準備や出産後の疲労回復などに使われるため「妊婦さんのハーブ」という別名もあります。

リンデン

学名:Tilia europaea(ティリア・エウロパエア)

属名のTiliaはボダイジュのラテン語古名で、ptilon「翼」に由来します。

羽や翼のような形をした苞葉からこの名がつけられました。

種小名のeuropaeaは「ヨーロッパの」という意味です。

ドイツなどヨーロッパでは路傍樹として植えられている植物で、主に不安や緊張を和らげる効能があります。和名では西洋菩提樹といいますが、仏陀が悟りを開いた菩提樹とは種類が異なります。

ローズヒップ

学名:Rosa canina(ロサ・カニナ)

学名のうち属名Rosaの起源はラテン語古名rosaを転用したもので、ケルト語のrhodd(ロッド)「赤」やギリシャ語のrhodon(ロドン)「バラ」が由来とされます。

種小名のcaninaは「犬」の意味があります。

果実のような形をした偽果と呼ばれる部位を使用し、ビタミンCが豊富です。ビタミン類の栄養補給に使われることもあるようです。昔は狂犬病に効果があると信じられていました。

まとめ

ハーブの学名には、葉の形やそのハーブが持つ色、原産地、味・香りなどが使われていますよね。

他にも古い伝承が由来になっていたり、誰かに献名されて名前が付く場合もあって千差万別です。

同じ属が数種~数十種ならかわいい方で、ミント類のように600以上~数千種もの種類が存在するハーブもあります。

色々と由来に対するドラマがあるんだろうなーと思いました。

以前に検定を受験したのですが、時間が経っていることもあり色々と忘れ気味なので、復習がてらまとめてみました^^

参考文献

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