オレガノ|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

オレガノ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史
目次

オレガノの特徴

  • 丈夫で育てやすくキッチンハーブとして人気
  • 胃腸の不調、頭痛、疲労回復に効果的
  • スパイスとして香りづけ・肉の臭み消しに役立つ

オレガノはイタリア料理で定番スパイスとして使われるハーブ!キッチンハーブ・園芸用としても人気ですね。

地中海沿岸地域が原産と考えられていて、ヨーロッパから南西アジア、中国、アメリカ北東部まで幅広い地域で自生しています。

オレガノは別名ワイルドマジョラム・ウィンターマジョラムとも呼ばれ、繁殖力が強く丈夫で寒さにも強いのが特徴です。

植物の特徴

高さ60㎝~100㎝に育つシソ科の多年草で、毛深い枝に1.5㎝ほどの濃い緑の卵型の葉がつきます。春に育て始めると、夏から秋(7 ~10月)にかけて品種ごとに白やピンク、紫の花を多数咲かせます。

香りや味は品種や気候、土壌の条件によってかなり違いが出ますが、一般的にはやや乾燥した土地でよく育ちます。

効果・効能

メディカルハーブとしては、唾液を分泌させる苦味質が含まれるため、消化促進や食欲増進、胃腸の調子を整えるのに役立ちます。オレガノのティーは、食べ過ぎた時の満腹感を解消するのにおすすめです。

また、オレガノには渋み成分のタンニンが含まれるため、抗酸化作用・抗菌作用・消臭作用などタンニンの持つうれしい効果を活用することができます。

そのため、老化防止や糖尿病、脳卒中、高血圧といった生活習慣病の予防、風邪・インフルエンザの予防、口臭予防など様々な場面で役だってくれそうです。

オレガノには強壮作用や鎮静作用もあり、神経性の頭痛や筋肉痛を改善すると共に、心身の疲労回復にも適用することができます。疲れた時に、スパイスとして料理に振りかければ穏やかに作用してくれるでしょう。

適応

頭痛・リウマチ・胃腸の不調・消化促進・神経性の頭痛・月経痛など

効果については人によって感じ方が少しずつ異なります。ハーブの使用について、妊娠中・授乳中、持病がある、薬を常用しているなどの場合、注意が必要になることがあります。

主な作用

  • 強壮作用
  • 消化促進作用
  • 健胃作用
  • 整腸作用
  • 殺菌作用

禁忌・副作用

  • 妊娠中の薬効利用は避けるようにします。
  • 精油は皮膚刺激があるため、皮膚に炎症を起こす場合があります。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が予測されない
安全性クラスⅠ…適切な使用において安全
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

オレガノの主な使い方

使用部位

 

オレガノは主にハーブティー、香辛料に使用されています。

ハーブティー

ドライのハーブは苦味がありシャープな味わいです。数あるシソ科のハーブの中で香りが最も強いといわれ、古くから胃腸の調子を整え、つわりの吐き気を抑える薬として用いられてきました。

香辛料

オレガノはイタリアで調味料として最も普及しているハーブといわれ、パスタやピザ、豆料理、シチュー、ソース、ドレッシングなど多岐にわたって使用されます。そのため、ピザスパイスと呼ばれる調味料は、主成分にオレガノが含まれることが多いです。

オレガノは生で使うよりも乾燥させた方が香りが良くなる性質があります。開花時に先端のやわらかい部分を刈り取って乾燥させると、青臭さがなくなり香りが引き立ちます。

ハーブの中ではバジルと相性が良く、トマト料理に使うと風味が豊かになります。香りづけだけでなく、青魚や鶏肉などの臭い消しにも用いられます。

その他

濃い浸出油は消毒用に、ドライの葉は香りが良く抗菌作用があるためポプリに使われます。

漢方では、入浴時に入れることで血行を改善し、冷え症、肌荒れ防止に役立つとされています。

味・香り

スッキリとした香りで、コショウのような刺激と苦みのある味

オレガノの基本情報

学名Origanum vulgare
英名oregano
和名・別名和名:ハナハッカ(花薄荷)、中国名:牛至(ギュウシ)、ワイルドマジョラム、コモンマジョラム
科名シソ科、ハナハッカ属
分類多年草
原産地地中海沿岸が原産と考えられている
使用部位
主要成分精油、タンニン、樹脂、苦味質など
作用強壮・消化促進・健胃・整腸・殺菌
適応頭痛・リウマチ・胃腸の不調・消化促進・神経性の頭痛・月経痛など

語源・由来

属名のOriganumは、ギリシャ語で「山」を意味するorosと、「美しさ」という意味のgnosがミックスされた語です。ラテン語でOriganumは「山の喜び」を意味します。

種小名 vulgareは「普通の」という意味があり、普遍的な品種であることを示しています。

歴史・エピソード

オレガノの歴史は古く、古代エジプトでは肉や魚、野菜やワインの香り付けとして知られていました。王や高官のミイラ保存のため、クミンやアニスなどと一緒にとして用いられていたようです。

古代ギリシャ時代には薬用植物としても重要視されており、医学の父・ヒポクラテスはオレガノを洗浄剤や呼吸器系の不調に利用したといわれています。文化的には幸福のシンボルとされ、古代ローマ時代のギリシャでは、婚礼時に新郎新婦がオレガノの冠を身につけ幸福を願いました。

ヨーロッパなどでペストが流行したときには、殺菌効果のあるハーブの1つとして床に蒔き、踏んだ時の芳香効果で殺菌・消臭を行ったそうです。(ストローイングハーブ)

イギリスでは、腹部を温め吐き気や船酔いに効果あるお茶としてオレガノ茶が飲まれ、消化促進を助けるハーブとして薬屋の棚に陳列されていました。

日本には江戸時代末期に観賞用植物として伝来しています。

参考文献

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