アグリモニー|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説

アグリモニー|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史
目次

アグリモニーの特徴・形状

  • 細長い形の植物で黄色い花を持つ
  • 肝臓などの消化器の不調に効果がある
  • エジプト時代から使われ、万能のハーブと呼ばれる

アグリモニーは基本的に和名でいうセイヨウキンミズヒキのことを指します。

キンミズヒキ属の一種で、アジア中心部~西アジア、サハラ砂漠周辺の、湿った湿地や牧草地などに自生する多年草です。

様々なハーブとの組み合わせの相性がよいことや活用法が多いことから、「万能のハーブ」と呼ばれており、医療目的で世界各地で栽培されています。

日本の山野にも近縁種のキンミズヒキ(金水引)が自生しており、地方によってヌストグサ、サシグサと呼ばれることもあります。

植物の特徴

通常高さは30㎝から60㎝ほどですが、最大100 cmほどになることもあります。たくさんの柔らかい毛(羽状複葉)を持つのが特徴で、植物全体は鮮やかな緑色をしています。

別名「教会の尖塔(steeples or sticklewort)」と呼ばれるハーブで、開花時期の6月から9月にかけて縦に連なるような形で小さな黄色の花を咲かせます。

効果・効能

アグリモニーは肌の収れん作用や抗菌作用、消炎作用など様々な効能を持つハーブです。

花が咲く時期の茎葉には精油やタンニンが含まれており、主成分となるタンニンには肌の細胞組織や消化管の粘膜を引き締める収れん効果があります。

さらにタンニンには消炎作用があるため、皮膚の湿疹・かぶれなどの患部に、アグリモニーの成分を抽出した冷湿布をあてることで炎症を軽減させることができます。

また、アグリモニーはのどの痛み・口内炎時の口内の浄化、うがいに使うこともできます。この働きはアグリモニーに含まれるカテキンやタンニンの抗菌作用に由来します。

フラボノイドの一種アピゲニンが含まれており、利尿作用によって多すぎる尿酸を取り除くため、痛風や関節炎などにも効果があるとされます。その他、ケルセチンによる抗酸化作用などもあります。

適応

消化器官の強壮、胆汁分泌、下痢、痛風、関節炎、口内炎・のどの痛みなど

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合は、使用を控えるか事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 血液凝固作用
  • 消化促進作用
  • 利尿作用
  • 収れん作用
  • 抗菌作用

禁忌・副作用

  • 多量摂取は避けるようにします。
  • 血液をサラサラにする効果があるため、血液凝固剤のワルファリンを使用している場合も使用はできません。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が予測されない
安全性クラスⅠ…適切な使用において安全
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

主な使い方

使用部位
  • 地上部

 

アグリモニーは主に薬用、料理などに使用されています。

薬用

花と葉の浸剤はは濃いめに煮出すと、うがい薬や傷薬として活用することができます。葉の浸出液は化粧水や入浴剤に入れることもでき、筋肉痛緩和や肌荒れにも良いとされています。

料理

アグリモニーの若芽は食用に利用されることがあり、春先の山菜としてお浸しや汁の実、和え物などに活用されています。摘み取った若芽や若葉は、食べる前に軽く茹でて水にさらします。

その他

アグリモニーの花は甘い香りがあるため、ポプリによく、染物の染料(黄色)としても活用できます。フラワーエッセンスでは「心の痛みを癒し平穏をもたらす力」があるとされます。

アグリモニーの味・香り

お茶としては苦味があり、花の穂はアプリコットの香りがある

アグリモニーの基本情報

学名Agrimonia eupatoria
英名Common agrimony、flagellum
和名・別名セイヨウキンミズヒキ
科名バラ科、キンミズヒキ属
分類多年草
原産地ヨーロッパ、南西アジア
使用部位地上部
主要成分カテキン、ケルセチン、ケンフェロール、アピゲニン
作用血液凝固、消化促進、利尿、収れん、胆汁分泌促進
適応消化器官の強壮、胆汁分泌、下痢、痛風、関節炎など

語源・由来

属名Agrimoniaの語源はギリシャ語のargemoneで、「とげの多い植物の名」からきています。

eupatoriaは、「エウパトール」の意味があり、小アジアの王国・ポントスの王ミトリダテス6世エウパトールがアグリモニーを肝機能障害の治療薬として用いたことに由来します。

和名のキンミズヒキは「金水引」から来ており、細長い黄色の花穂を金色のミズヒキ(タデ科)にたとえたことに始まります。ミズヒキは、形状が正月飾りや祝儀袋などに使う「水引」に似ているためその名が付いたそうです。

歴史・エピソード他

肝臓や消化促進の効果がよく知られていますが、古くは眼病の治療薬として用いられていました。

エジプトの文書『エーベルス・パピルス』に、アグリモニーが眼病の治療に用いられていたことが記載されており、古代ギリシャ・ローマ時代には、ギリシャ語でアグリモニーは「目の中の白い傷」と呼ばれ、白内障の治療に活用されました。

さらに中世になるとアグリモニーは傷の治療に活用されるようになります。12世紀ドイツのハーバリスト・聖ヒルデガルトは熱病と健忘症対策や腹痛、ケガの治療薬として修道院の庭で栽培しました。

16世紀に活躍したハーバリストのジョン・ジェラードは、アグリモニーが肝臓の不調に良いと述べています。

北アメリカやカナダの先住民はアグリモニーをマラリヤの解熱剤として使用したそうです。

参考文献

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