スーパーではパセリ、バジル、シナモン、クローブなど様々なスパイス・ハーブが販売されていますよね。
しかし、よく見ると同じ種類でも、種のような形状のものや粉末状のものなどに分かれていることがありませんか?
販売されているハーブ・スパイスには
- ホール … 葉や種子、果実などをそのまま使用したもの
- 粗びき … 粗く引いたもの
- パウダー … 粉末状にしたもの
の3種類があります。少しずつ特徴が異なるので、まとめてみました。
粒度による違い
ハーブやスパイスは、基本的に粒度によって大まかに「ホール」「粗びき」「パウダー」の3つに分類されます。
正確にはホール、クラッシュ、粗挽き、グラインド、パウダーの順に粒子が小さくなっていくのですが、クラッシュとグラインドはあまり見かけないので、3つに絞って紹介します。
粒度ごとに販売される商品は、塩や他の調味料などが加えられていない、1種類のハーブ・スパイスのみを使用して作られています。
ホール | 果実や蕾、果皮や葉の形をほぼ原形のままの状態で乾燥させたもの。 |
粗びき | ホールを硬めに粉砕し、粒子を整えたもの。 |
パウダー | ホールを細かく粉砕したもの。 |
ハーブ・スパイスは水分の含まれる新鮮なフレッシュ(生鮮)と、ドライ(乾燥)に分かれますが、ホール・粗びき・パウダーに分類する場合は基本的にすべてドライのものを利用します。
ホール
ホールはハーブ・スパイスの形をのそのまま残した状態で販売・保存されているものを指します。
粗びきやパウダーよりも香りが持続しやすく、料理中にじっくり香りを出したい時などに活用されます。
新鮮な香りがある
果実などホールのスパイスをミルで挽くと、芳醇でフレッシュな香りが漂います。
この香りはハーブ・スパイスに含まれる精油成分によるもので、そのままでも香りを感じられますが、ちぎったり削ったりすることで揮発性の成分が出てきます。
しばらくたつと香りが消えてしまうので、挽く場合は実際に使う直前にミルにかけるようにします。
料理の香りづけに利用できる
インド料理などでは油に香りを移す方法「テンパリング」にホールのスパイスが使われます。
カルダモンやクローブ、シナモンなどそのまま入れて弱火で炒めるのですが、フライパンなどを使って熱を加えるとてもいい香りがします。
香りづけ後に取り除くこともできるので、料理に香りだけを移したい時には特におすすめです。
料理後はそのまま食べることもできる
香りづけに使ったハーブ・スパイスは、食材としてそのまま食べられる場合もあります。
スパイス・ハーブには薬効のあるものが多いので、食感を楽しみながら栄養補給が可能です。
保存期間が長め
賞味期限が3~4年と長めです。密封容器に入れて冷暗所で適切に保存すれば、5年以上保管できることもあります。
カルダモン、クローブ、クミンシード、フェンネルシード、ベイリーフ、シナモン、オールスパイス、ナツメグ、アニスシード、スターアニス、ペッパー(胡椒)、サフラン、山椒、唐辛子など
パウダー
ハーブやスパイスを、粉末状に細かく砕いたものをパウダーといいます。
グラインドスパイスとも呼ばれ、特に手を加えなくても香りが強く出るのが特徴です。
食材の下味付け・仕上げに役立つ
粒子が細かく、料理に味が溶け込みやすいため、食材の下味付けを行う時に便利です。
香りが飛びやすいので、パウダーのスパイス・ハーブを香りづけに利用したい場合は調理後、食べる直前などに振りかけた方が有効に活用できます。
分量を調整しやすい
ホールのハーブ・スパイスは原形の形をとどめるため、細かい計量がしづらい難点があります。
パウダーのものであれば、砂糖や塩と同じように計量スプーンなどで必要量だけを取り出すことが可能です。後から追加したい時にも便利ですね。
開封後は早めに使うこと
袋や瓶の封を開けた後は、空気に触れる部分が多く酸化が早くなるため、開封後は早めに使った方が良いとされます。
1~2年ほどは持ちますが、風味は次第に失われていくので注意が必要です。また、鮮度の高いホールに比べると味は落ちる場合があります。
また、鮮度の高いホールに比べると味は落ちる場合があります。
他のスパイス・ハーブとブレンドしやすい
複数のパウダーがあれば、組み合わせてオリジナルのブレンドが作れます。
カレーに使われるガラムマサラや、フランスのスパイスであるエルブ・ド・プロバンスを参考にしてミックススパイスを作るのもおすすめです。
カルダモン、クローブ、、シナモン、オールスパイス、ナツメグ、スターアニス、レモングラス、ローズマリー、バジル、タイム、ペパーミント、フェヌグリーク、キャラウェイ、リコリス、ペッパー(胡椒)、山椒、唐辛子など
粗びき
ホールのハーブを砕き、大きさを整えたものを「粗びき」といいます。
粗びきのブラックペッパーなどが有名ですね。ハーブやスパイスを砕くと香りが強まるため、ホールのものよりも香りが強めなのが特徴です。
粗びきのメリットは?
粗びきを使うメリットは、ホールとパウダーのおいしいところを利用できる点です。
ホールに比べると空気に触れる部分が多く、香りが飛びやすいというデメリットはあるものの、色や形状を楽しみつつ料理全体にハーブ・スパイスを振りかけたい時には「粗びき」が活躍します。
パウダーは調理中に使うとすぐに香りが飛びがちなのですが、粗びきだとパウダーに比べて調理中でも香りが失われにくいメリットがあります。
ただ、粗びき状態のスパイスは種類があまり販売されていないため、ホールのものを粗く引くのが理想的かと思います。
唐辛子、ガーリック、ペッパー(胡椒)など
↓使うタイミングやメリット・デメリットはこちらでも書いています。
まとめ
ホール・粗びき・パウダーどれも良い点があるので、どれを購入しようか迷ってしまいますよね~。
一般的にはホールを砕いたときが最も風味が良いため、ホールを購入し挽いてから料理に使うのが理想的とされています。
私はスパイスカレーを作り始めるようになるまであまりホールのスパイスを使ったことがなく、基本的にパウダーまたは粗びきのみを利用していました。
今は料理をじっくり作りたい時はホール、挽くのが面倒な時はパウダーと使い分けをしています^^