スーパーフードとしても良く取り上げられるヘンプシード(麻の実)。
一粒わずか3~4㎜ほどの小さな種なのですが、とっても栄養価が豊富です。
原料になる大麻は、メディカルハーブ的にも気になる植物だったりするので、ヘンプシードに含まれる成分について少し調べてみました。
ヘンプシード(麻の実)ってどんなもの?
特に珍しい食材でもないですけれど、普段の料理でよく使っているので紹介です。
ヘンプシードは大麻の種子のことで、実はあの麻薬の大麻から採れる食材です。
麻の実とか麻の実ナッツと呼ばれることもあるので、レシピを探すときはそちらの名前で検索しても良いかもしれませんね。
どんな時に使う?
油分が含まれているのでしっとり感があり、食べると口の中でほろほろと崩れます。
味はなんというか固めた小麦粉みたいな感じ。
香りはほとんどなく、振りかける分には特に気になりません。風味を妨げないので和洋中華問わずなんにでもかけられます。
個人的にはパスタとかスープ、サラダに振りかけていますが、お菓子やドレッシングに混ぜ込んで作ることもできるようですね。
貴重な栄養が含まれているので、ストックしておくと便利です。
ヘンプシード(麻の実)の栄養素は?
ヘンプシードに含まれる栄養素をざっと挙げると、
- たんぱく質
- ミネラル類(胴・亜鉛・鉄・マグネシウム、カリウムなど)
- ビタミン(ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸)
- 食物繊維
- 必須脂肪酸
といった成分が含まれます。
また、アミノ酸の一種であるヘンプペプチドという成分により、消化も良いのだそうです。
必須脂肪酸が多く含まれる
必須脂肪酸には大きく分けて、
- n-6系多価不飽和脂肪酸 (オメガ6)
- n–3系多価不飽和脂肪酸 (オメガ3)
という2つの種類があり、ヘンプシードにはどちらも含まれています。
必須脂肪酸はバターなどに含まれる飽和脂肪酸と違って、体内で生成することができません。そのため「必須」といわれるわけですね。
ヘンプシードには、α-リノレン酸(オメガ3)、γ-リノレン酸(オメガ6)、リノール酸(オメガ6)という3つの不飽和脂肪酸が含まれています。
α-リノレン酸(オメガ3) | 血栓の予防、血圧を下げる、アレルギーを抑制などの働き |
γ-リノレン酸(オメガ6) | 中性脂肪の上昇を抑える、コレステロール値の低下を防ぐ、炎症を抑えるなど |
リノール酸(オメガ6) | コレステロール値を下げる、、炎症を抑えるなどの働き。 |
日々の食事でよく摂取されているのは、n-6系多価不飽和脂肪酸のほうで、特にリノール酸はほとんどの油に含まれているといいます。
というワケで注目すべきなのは、α-リノレン酸とγ-リノレン酸。特にα-リノレン酸は、摂取量が少なくなりがちなn-3系多価不飽和脂肪酸です。
理想の比率は「n-6:n-3 = 3:1~2:1」といわれているので、n-3系の方が不足していると感じる時にはヘンプシードを料理に加えてみると良いかもしれません。
α-リノレン酸は亜麻仁油に多く含まれています。
その他にも、n-9系多価不飽和脂肪酸のオレイン酸(オリーブオイルに入っている)も含有します。
ヘンプシードに期待できる効果
- α-リノレン酸が血管の状態を改善させ、血流改善や動脈硬化を防ぐ
- α-リノレン酸がDHAやEPAに変化して中性脂肪を抑制する
- γ-リノレン酸がアレルギー体質を改善させる
- たんぱく質が体の調子を整え、免疫力UPをさせる
- 亜鉛が皮膚や爪などの健康を保つ
- 食物繊維が便秘を改善させる
- 鉄分不足を補い、貧血を防止する
- ビタミンB1が疲労回復に役立つ
含まれる栄養素から見ると、上記のような効果が期待できるといえます。実際には栄養素は体の中で様々な働きかけをするので、ここで書いた以外の効果も実感できるかもしれません。
たくさん食べても病気が治ったりするわけではないので、摂りすぎには注意です。
大麻の危険成分は含まれない?
人によっては麻薬として有名な大麻から採れる種子なので、毒性があるのでは?と感じることがあるかもしれません。
よくよく考えるとわかることですが、食品として安全性が確かめられているから販売されています。つまり、食べても体に害はないということです。
発芽処理した種子だけは販売が許可されている
大麻(アサ)と呼ばれるのは(Cannabis sativa L.”カンナビス・サティバ・エル”)と呼ばれる種類です。日本の法律上で大麻は麻薬に指定されており、大麻法という法律によって所持や譲り渡し、栽培が禁じられています。
大麻を栽培できるのは国から依頼された研究者のみのため、一般人が大麻の苗を持っているだけで逮捕案件になります。
それでも、栽培して逮捕される人は後を絶ちませんよね。
有毒なのは大麻の葉や花穂で、カンナビノイドやテトラヒドロカンナビノールといった、幻覚を引き起こすような危険な成分が含まれています。
しかし、皮から繊維を取った苧殻や、完熟した種子(果実と呼ばれる)には毒性が含まれません。
国が定めている「食薬区分」という薬か食品かを見分けるためのリストの中では、発芽処理された種子のみ食品として流通させてもOKという決まりになっています。
まとめ
ふりかけのようにパラパラと入れるだけで、たくさんの栄養素が摂取できるヘンプシード。
2年ほど前に初めて購入して以来ずっと使ってます。
ヘンプシードに含まれる成分の内ではオメガ脂肪酸が注目されがちですが、たんぱく質やミネラル類も豊富ということで個人的にはイチ押しの食材です。
ヘンプシードオイル(麻の実油)の方もおすすめで、ナッツ系の香りがあり亜麻仁油のような臭みがなく使いやすいです。
油の方も必須脂肪酸が含まれるので、ヘンプシードと同様の効果が期待できますよ。