マカ|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

マカ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

マカの特徴・形状

  • アンデス高地の厳しい気候で育つ、栄養価の高い植物
  • 「アンデスの人参」と呼ばれ、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが含まれる
  • 代謝力UP、疲労回復、美肌などにうれしい効果が期待できる

マカはペルー・アンデスを原産とするアブラナ科マメグンバイナズナ属の二年草で、「アンデスの女王」「アンデスの人参」とも呼ばれる栄養価の高いハーブです。

見た目は野菜のカブのような形をしており、8㎝ほどのサイズになる塊茎を薬用または食用にします。

日本でもサプリメントなどでよく知られるようになってきましたね。マカには滋養強壮に役立つ働きがあります。

植物的な特徴

地上部は草丈12〜20 cmほどで、地を這うようにして成長します。花は白く総状花序(柄のある小花が長い円錐形に並ぶ)で、自家受粉します。

マカは標高3000~4500mの温度差が激しく強烈な紫外線を伴う、他の植物が生育しない厳しい気候条件の下で育ちます。そのため、地面の栄養素を吸い取ってしまう性質があり、現地でマカを育てた後、その土地は数年間作物が育ちにくくなるといわれています。

効果・効能

マカはその豊富な栄養で体に活力を与え、心身の機能を活性化する滋養強壮作用のあるハーブとして知られています。

栄養素が豊富

ハーブに多く含まれる各ビタミン類や鉄・カルシウム・たんぱく質といったミネラル類だけでなく、リノール酸、アミノ酸など数多くの栄養素に富んでいるのが特徴。

加齢による体力の低下や、記憶力の減退が見られるときにも有効とされています。

アミノ酸の一種アルギニンが含まれる

マカにはアミノ酸の一種アルギニンという成分が多く含まれています。

アルギニンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあるため、代謝力をUPさせて脂肪の燃焼や疲労回復、美肌などにつながる効果があるといわれています。

また、代謝が良くなることで基礎体温が上がると血行が良くなるので、冷え性や肩こりなどの解消も期待できます。

アンチエイジング効果

マカに含まれるミネラル類のカルシウム・鉄は骨の強化や鉄分不足に、亜鉛は免疫力の強化や皮膚や髪の健康維持のほか、抗酸化作用のあるビタミンAの活性化に役立ちアンチエイジングを促してくれます。

これらの効能から、更年期の症状がある時にも用いられています。

また、亜鉛には男性の生殖能力を高める働きがあるとされます。

適応

疲労、気力・体力の低下、更年期などの活力の低下

効果については人によって感じ方が少しずつ異なります。ハーブの使用について、妊娠中・授乳中、持病がある、薬を常用しているなどの場合、注意が必要になることがあります。

主な作用

  • 滋養強壮作用
  • 性機能の向上作用

禁忌・副作用

特に知られていません。

安全性・相互作用

安全性クラス1…適切な使用において安全
相互作用クラスA…相互作用が予測されない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

マカの主な使い方

使用部位
  • 塊茎

マカは主に料理、ハーブティー、サプリメントに使用されています。

料理

マカの実は日本ではあまり販売されていませんが、マカの粉末を使うと普段の食事にさらっと取り入れられます。ヨーグルトやサラダ、カレー、みそ汁など様々な料理に加えて、栄養素をプラスするのにおすすめです。

きな粉・菊芋のような風味といわれますが、調理時に他のスパイスを加えて香りづけをするとあまり気にならなくなります。

ハーブティー

マカの粉末を利用してハーブティーを作ることもできます。ミネラルやビタミンなど水溶性の成分が手軽に摂れるので、栄養補給に活用できます。

サプリメント

疲労回復、ED対策などを目的としたサプリメントが販売されています。亜鉛とブレンドされたものが多く、マカ特有の匂いが気になる人はサプリメントを使うとよいでしょう。

味・香り

辛みのある独特な強い香りで、 菊芋のような味がする。

マカの基本情報

学名Lepidium meyenii
英名Aacamaca、Aaino、Ayak chichira,、Ayak willku
和名・別名
科名アブラナ科マメグンバイナズナ属
分類多年草
原産地ペルー
使用部位塊茎
主要成分辛味成分、アルカロイド、油脂(リノール酸など)、フィトステロール、アミノ酸、ビタミン群、ミネラル(鉄、カルシウム、亜鉛など)
作用滋養強壮、性機能の向上(動物)
適応疲労、気力・体力の低下、更年期などの活力の低下

語源・由来

属名のLepidiumは「小さな鱗片」という意味があり、実の形が鱗のように見えることに由来します。種小名のmeyeniiは、ドイツの分類学者エルンスト・ハインリヒ・フリードリヒ・マイヤー(Ernst Heinrich Friedrich Meyer)(1791-1858)にちなんでつけられました。

歴史・エピソード他

マカはペルー原産のハーブで、約2000年前にはアンデス高地で栽培がおこなわれていました。

インカ帝国時代、マカは王族など上流階級が食べられる食物として珍重され、戦功をあげた兵士への褒美として与えられることもあったといわれます。

さらに、マカを「アンデスの人参」と呼び、家畜のリャマとマカが取引されていました。ペルーではマカと呼ばれる植物が100種類ほどあるとされ、そのうちの11種類がペルーに自生します。

インカ帝国の存亡にかかわった?

マカについて最初に記述されたのは、16世紀のスペイン人征服者であるシエサ・デ・レオン(Pedro Cieza de León)による1553年の記録とされ、現地民によってこの植物の根が利用されたことが記されています。

また、当時のスペイン側の記録による逸話として、ペルーの征服時にスペインから連れてきた馬が高地の環境に適応できず仔馬を作ることなく死んでしまうため、現地民に対策を聞いたところマカの葉を勧められたことがありました。

その結果、馬が元気になり繁殖は成功、インカ帝国の征服成功につながった(!)といわれます。

マカが注目されるようになったのは比較的最近

1990年代以降、世界でマカの効能が注目されるようになると輸出量が増え、現在ではペルーの貴重な外貨獲得資源になっているそうです。

そのため、マカをペルー国外に持ち出すことは現地の法律で禁止されています。

日本でマカが知られるようになったのは、1990年に大阪で開催された『国際花と緑の博覧会』にてペルー政府がマカを紹介したことがきっかけで、2000年代にテレビ番組などで取り上げられるにつれて知名度が上がりました。

参考文献

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