何年も花を咲かせる多年草は、ガーデニングでも主役になってくれます。多年草(宿根草)主体で作られたお庭もあり、お庭づくりを楽しむうえで欠かせない植物といっていいでしょう。
多年草といえば、初めに書いた通り数年楽しめるのが大きな特徴ですが、必ずしもメリットばかりではありません。
ここでは多年草について、とりあえず知っておきたい基本知識についてまとめてみました。
多年生植物の特徴
多年草とは
多年草とは、一年を通して枯れずに常緑の状態を保つ植物のことをいいます。
花や果実をつけた後に枯れてしまう場合は「一年草」と呼ばれますが、一度植えた後、毎年花を咲かせる習性を持つ種類は「多年草」に分類されます。
簡単に言えば、通年性の植物のことです。
・・・というのが一般的な多年草の意味合いですが、例外もあります。バジルのように原産地では多年草でも、日本では耐寒性が低いために冬を越せず枯れてしまうため、一年草に分類されるケースなどです。
宿根草とは
多年草の中には「宿根草」と呼ばれる種類もあります。ガーデニングなどでも良く出てくる名称ですよね。
宿根草は多年草のうち、冬に地上部が枯れた後、春にまた芽が出てくる特徴があるときにそう呼ばれます。通常の多年草の場合は、同じ枝からまた新しい葉が生えてきます。
春、新芽が伸びるまでに、昨年伸びた古い枝をカットしておくと、新しい枝が育ちやすくなります。
ここまでを踏まえて、多年草には以下のような特徴があります。
- 毎年収穫できる
- 丈夫な種類が多い
- 冬は休眠する(宿根草)
- 育つまでに時間がかかることがある
- 土替えが必要
- 地植えにする場合は計画をたててから
多年草のメリット
①毎年収穫できる
野菜など収穫目的で育てる場合、基本的に毎年収穫できることが一番のメリットではないでしょうか。
毎年同じ株から新たに新芽が生えてくるので、いちいち種を植えたり苗を買いなおしたりする必要がありません。好きな野菜やハーブなどがあれば、自家栽培で育ててみるのもいいですよ。
②丈夫な種類が多い
数年かけて地中に根を広げる多年草は、丈夫な種類が多いです。繁殖力が強い種類も多く、適切な環境下に置くとどんどん育っていきます。
茎が茶色く木質化する場合もあり、その場合は茎もかなり固くなります。長い期間生き延びるために、植物も様々な工夫を凝らしているわけですね。
③冬は休眠する(宿根草)
必ずしも冬とは限りませんが、宿根草は秋以降、寒さを感じる時期になると枯れてしまいます。
見た目的にも寿命が来てしまったように見え心配になるかもしれませんが、多年草の場合は休眠期間に入っただけの場合が多く、春に温かくなるとまた根の近くから新芽を出します。
実際、根などは見えない場所でゆっくりと成長しており、意外な場所から芽が出てくることも。また、冬の間はあまり水を上げなくても平気なケースが多いようです。
多年草を育てる時の注意点
①育つまでに時間がかかることがある
種まきから収穫までを一年で終える一年草に比べると、多年草は成長のスピードが遅いです。
一年目は育つための時期に当てられることもあり、植えたその年に収穫できないこともあります。
そのため、すぐに使いたい植物はある程度育った苗を購入するのがおすすめです。オリーブやローズマリー、ローレルなど木質のハーブは大きめに育ったものも販売されているので、そちらを購入しても良いかもしれません。
②土替えが必要
何年も同じ場所で育てていると、だんだん養分が減って株が弱ってきてしまいます。それを避けるため、1年~2年ごとに土替えをする必要があります。
鉢植えの場合も同様で、長く同じ鉢で育てていると根が伸びて根詰まりしてしまうことがあります。根詰まりすると排水性が悪くなりうまく育たなくなってくるので、根の状態も適度にみてあげてください。
③地植えにする場合は計画的に
多年草を地植えにする場合は、育つにつれ深く根を張り移植が難しくなるため、植える場所には注意が必要です。
植物は初めは小さな苗でも、時間が経つごとに増えて大きくなってくるので、植える前には将来的にどのくらいのスペースが必要になるのかイメージしておく必要があります。
植えた後も適度に剪定をするなどして、株の形を整えていくことで適切な管理が行えます。
主な多年草の種類
野菜 | アスパラガス、ニラ、フキ、セリ、ミツバ、ワサビ、ネギ、アサツキ、ジャガイモ、サツマイモなど |
ハーブ | ミント、レモンバーム、オレガノ、ワイルドストロベリー、オレガノ、クレソン、タイム、ラベンダー、タラゴンなど |
花 | ゼラニウム、クレマチス、ベゴニア、ペチュニア、桔梗、 インパチェンス、ラナンキュラス、シクラメン、 |
まとめ
基本的に一年草の方が育てやすいとされますが、多年草も丈夫な種類が多いので育てにくいということはありません。(成長がちょっと遅いだけです)
適度に様子見をしてあげた方が良いので、調子が悪そうだったら肥料を与える、根詰まりしていないか見るなどしてその植物に合った調整をします。
鉢やプランターなどで育てる場合は根が増えてきたら、少しカットすることで伸びた根の量を減らすことができます。