大豆(ダイズ)|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

大豆(ダイズ)|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて
目次

大豆の特徴

  • 植物性タンパク質が豊富で和食にも欠かせない
  • 脂肪の分解やホルモン分泌を調整に役立つ働きがある
  • がん予防に効果があるとされる食品のひとつ

大豆(Soy beans)は、中国東北部、シベリアなどの東アジアを原産地とする、マメ科ダイズ属の多年草。大豆は、日本でもおなじみの食材として料理に使われていますよね。

日本食に欠かせない食材ですが、国内での生産量は少なく、中国やアメリカからの輸入が大半。脂肪やタンパク質が多く、ヴィーガン食にも利用されるため世界的に食されています。

植物的な特徴

大豆の茎は草丈30㎝~70㎝ほどで直立しますが、一部つる性の品種もあってこちらは2m近くまで伸びます。茎は葉腋(葉の付け根)から分岐し、茎、枝、果実のさやは固い毛に覆われています。葉は3~7枚の小葉から形成される複葉で、先の尖った卵形をしており、全縁(ギザギザ状ではない)で茎に互生します。

花の色や形は品種によって様々ですが、5月~8月にかけて、葉腋から短い穂状花序を生やして薄紫色や白色の蝶形花を咲かせます。

長さ5cmほどの豆果の中には種子が含まれており、未熟なものは「枝豆」として流通。種子(豆)は基本的に楕円形で5~10mmの大きさです。

効果・効能

大豆は植物性タンパク質が豊富。植物の中では大豆だけが、肉と同じくらいのタンパク質を持つそうです。

肉類と比べてカロリーが低いので、カロリーの数値が気になる時にもおすすめ。野菜中心のヴィーガン料理などでは欠かせない食材となっています。

大豆の主な作用・効能

①体内で脂質の代謝を助ける

大豆に含まれるサポニンの一種・ダイズサポニンには脂質の酸化抑制作用があります。

また、脂質の代謝を助ける働きがあり、動脈硬化などの血管系疾患や肝臓への負担を減らす作用を持ちます。そのため、血中コレステロール値の低下や肥満予防にも効果が期待できます。

②ホルモンの調整を行う

さらに、大豆にはフィトエストロゲン(イソフラボンなど)によるホルモン様作用があります。

フィトエストロゲンは女性ホルモンのような働きをし、主にホルモンの分泌を調整するなどの作用をもたらします。

大豆を摂ることでタンパク質とフィトエストロゲンの働きにより、更年期の諸症状や骨粗しょう症などに良い効果が期待できます。

③がん予防効果

ホルモンが原因と考えられるがん(乳がんや子宮がんなど)を予防するのに役立つと考えられています。

1990年にアメリカで発表された、ガン予防に効果があるとされる食品「デザイナーフーズ」にも、大豆は最も効果的な食材の1つとして位置づけられました。

ホルモンに働きかけるので摂りすぎは良くないですが、豆腐・味噌・納豆などを献立に加えることで

④その他の効果・効能

大豆の含有成分で注目されるのはたんぱく質ですが、大豆には各種ミネラル、ビタミン、アミノ酸なども含まれます。

認知症予防に効果があるとされる物質・コリン(大豆の場合は大豆レシチン)が含まれるので、記憶力を高める効果があるとされます。また、コリンには①で書いたような脂質の分解に役立つ働きもあります。

適応

動脈硬化・心筋梗塞などの生活習慣病の予防、更年期障害、がん予防など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 糖質代謝調整作用
  • ホルモン分泌調整作用
  • 癌のリスク低減作用

禁忌・副作用

特に知られていません。

安全性・相互作用

相互作用『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』には未収載
安全性『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』には未収載

大豆の主な使い方

使用部位
  • 種子

大豆は主に料理、薬用、オイル、に使用されています。

料理

大豆の種子は豆腐・納豆・味噌・醤油・食用油に加工されて日常的に食べられています。

菜食主義や動物性食物を避ける宗教では、植物性のタンパク質が豊富に摂れることから重要視され、精進料理でもよく用いられます。日本でも、肉の代替食品として肉の食感に似せた「大豆のお肉」などが販売されています。

タンパク質以外にも脂肪、鉄分、カルシウム、ミネラルといった栄養素が含まれるので、貧血予防・骨粗鬆症予防にも効果的です。

ハーブティー

ハーブティーとしては、黒豆やおからを使ったティーが販売されています。

黒豆はイソフラボンを含むほか、眼精疲労の解消や抗酸化に役立つ成分「アントシアニン」が含まれており、がん防止や老化防止におすすめ。

大豆のティーには、大豆特有の香りがあるので、気になるときは香りのあるハーブとブレンドすると飲みやすくなります。

薬用

薬用にはよく黒豆が用いられます。どの腫れや咳止には煎じ液が良く、利尿や解毒には炒った黒豆に、ほうじ茶を加えて服用すると症状が静まるとされています。

胃もたれや消化不良の際には、1日量8グラムのおからを適量の水で煎じて飲むとよいそうです。

オイル

大豆の種子を圧搾すると「大豆油(だいずゆ)」が採取できます。サラダ油やマヨネーズ、マーガリンなどの原料になり、リノール酸やオレイン酸が多く含まれるのが特徴です。日本では菜種油の方が人気ですが、世界的には一般的な食用油のひとつで大豆需要の87%を占めているそうです。

味・香り

大豆特有の香り・味があり、口当たりがよく優しい味わい

大豆の基本情報

学名Glycine max
英名Soy beans
和名・別名
科名マメ科ダイズ属
分類一年草
原産地東アジア
使用部位種子
主要成分タンパク質、イソフラボン、サポニン、レシチン、フィトステロール(β-シトステロールなど)、オリゴ糖、油脂、ビタミンE、ミネラル(カルシウム)など
作用糖質代謝調整、ホルモン分泌調整、癌のリスク低減
適応動脈硬化・心筋梗塞などの生活習慣病の予防、更年期障害、がん予防など

語源・由来

属名のGlycineはギリシャ語のglukus「甘い」に由来し、ラテン語に転用したものです。種小名のmaxは起源が良く分かっておらず、スリランカで豆という意味があるなどの説があります。

歴史・エピソード他

古事記や日本書紀にも登場する

東アジアに分布するツルマメが原種とされ、日本にも縄文時代または弥生時代初期頃(紀元前7000年ごろとも)に入ってきたと考えられています。「大豆」という名称自体は1世紀ごろに使われ始め、それ以前では「菽荏(じんしゅく)」という名で表記されていました。

『古事記』や『日本書紀』に「大豆(おおまめ)」が登場するほか、『正倉院文書』にも記載があります。中国との交流が盛んになった7世紀以後に大豆の利用が活発になり、和食の形成に用いられました。

中国でも古代から重要な食材だった

古代中国の神話では、紀元前2853年に三皇五帝の一人である神農が、大豆、米、小麦、大麦、キビの5つを神聖なもの「五穀」と宣言したといわれています(現代では、米・麦・粟(あわ)・豆・黍(きび)または稗(ひえ))。

また、漢代の『神農本草経』にも黒大豆の薬効が記されています。

東南アジアには12世紀から13世ごろに伝来し、栽培が始まりました。ヨーロッパには16世紀頃に入ったとみられています。

ヨーロッパに大豆が伝わったのは比較的後の時代

1603年に長崎のイエズス会の僧侶が編集した日・ポルトガル語の辞書の中で、大豆食品について言及があり、これがヨーロッパで最初に大豆が言語化されたものといわれています。

さらに、1792年に長崎に滞在したドイツ人医師のエンゲルベルト・ケンペルは、『廻国奇観』という本の中で大豆を醤油の原料として紹介しました。

19世紀まで、大豆はアジア圏以外では重要視されておらず、油脂を取るための目的として次第に生産量が増えていきました。ヨーロッパで大豆が初めて生産されたのは1929年とされます。

参考文献

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