サマーセイボリー|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

サマーセイボリー|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説
目次

サマーセイボリーの特徴・形状

  • 和名で「キダチハッカ」といい、スパイシーな香りがある
  • スパイスとして肉の臭みけしや、煮込み料理の風味づけに使われる
  • 消化不良や精神疲労を回復させる働きを持つ

サマーセイボリーは、地中海沿岸やヨーロッパ島南部~イランを原産とするシソ科キダチハッカ属の1・2年草です。

サマーセイボリーは日本では「木立ハッカ」と呼ばれるように、さわやかでスパイシーな風味を持ちます。

一方、ヨーロッパでは「豆のハーブ」といい、豆料理と相性の良い植物として知られています。

近縁種にウィンターセイボリーという種類もありますが、サマーのほうが香りが柔らかく食用に向いています。

植物的な特徴

草丈20㎝~40㎝に育ち、直立した茎に多数の披針形の小さな葉が対生。茎の色はやや薄紫色で7月~9月になると茎の上部を取り巻くようにして、白~薄桃色の小さな花が咲きます。

この花はシソ科植物に多い唇形花(筒状の花びらの先が上下の二片に分かれる)です。

収穫時期は花が咲く前の3月~8月頃で、間引きを兼ねて茎や若葉を摘み取ります。乾燥させてドライハーブにしたり、洗ってハーブティーに入れるなどして楽しむとよいでしょう。

効果・効能

サマーセイボリーは消化不良や胃腸の不調、精神の疲れがあるときにおすすめのハーブです。

消化促進作用で胃もたれを改善するだけでなく、胃の健康維持や整腸にも効果を持ちます。そのため、消化器の不調があるときはハーブティーを飲むと、腹部の不快感を抑えることができます。

サマーセイボリーには粘膜を保護する粘液質や殺菌・抗菌作用のあるタンニンが含まれるため、呼吸器疾患、咳、喘息、風邪・感染症予防にも役立ちます。タンニンには抗酸化作用も含まれるので、動脈硬化など体のサビが原因となる病気予防にも効果が期待できます。

また、精油成分にはカルバクロール・チモールが含まれています。血行を促進する効果があるといわれており、体を温め冷え性など血流の滞りが原因となる症状を緩和してくれます。また、血行促進による発汗作用が期待できるため、解熱にも活用できます。

サマーセイボリーには神経強壮作用があり、気分をリフレッシュさせ精神を強くする働きがあります。神経の乱れがあるときや心が落ち着かないときに取り入れてみるとよいでしょう。

適応

消化不良、胃腸の不調、気分の落ち込み、精神の疲れ、冷え性など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合はハーブの使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 消化促進作用
  • 健胃作用
  • 整腸作用
  • 強壮作用
  • 利尿作用
  • 発汗作用
  • 血行促進作用

禁忌・副作用

妊娠中は使用しないようにします。

安全性・相互作用

相互作用クラスA…相互作用が予測されない
安全性クラスⅠ…適切な使用において安全
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

サマーセイボリーの主な使い方

使用部位
  • 花穂

サマーセイボリーは主にハーブティー、香辛料・料理に使用されています。

香辛料・料理

欧米では各地で料理に利用されています。ヨーロッパではフランスでエルブ・ド・プロバンスやブーケガルニに使用され、ブルガリアの食卓では塩・胡椒の代わりに塩・赤ピーマン・サマーセイボリーの3つの調味料が置かれているそうです。

サマーセイボリーの辛味を利用して魚や肉に臭み消し・香りづけを行うほか、乾燥インゲン豆やエンドウ豆といった消化しにくい食材と一緒に調理して味付けを行います。

それ以外にも卵料理、煮込み料理、ドレッシング、スープ、ソーセージの味付けなど多岐にわたって使用されています。

ハーブティー

食後にハーブティーを飲むと消化が良くなり、お腹の不快感が減ります。ペパーミントなど清涼感のあるハーブと一緒に飲むと気分がすっきりします。

風邪予防として飲む場合は、抗ウイルス作用があるエキナセア、抗菌力のあるタイムやレモンバームなどがおすすめ。味をまろやかにするジャーマンカモミールなどとブレンドすると飲みやすくなります。

その他

サマーセイボリーのハーブティーを作ってうがいをすると風邪・感染症予防になります。

ティーでうがいをすれば、風邪予防に効果的。スチームパックでは肌の引き締め、消毒によい。

味・香り

スパイスのような辛みと、ハッカに似た独特の強い香りが感じられる。

サマーセイボリーの基本情報

学名Satureja hortensis
英名summer savory
和名・別名キダチハッカ、セイボリー、サボリー
科名シソ科キダチハッカ属
分類一年草または多年生草
原産地地中海沿岸、ヨーロッパ島南部~イラン
使用部位葉、花穂
主要成分フェノール酸、樹脂、タンニン、粘液質、精油(チモール、カルバクロール、γ-テルピネン)など
作用消化促進、健胃、整腸、強壮、利尿、発汗、防腐、血行促進、収れん
適応消化不良、胃腸の不調、気分の落ち込み、精神の疲れ、冷え性など

語源・由来

SaturejaはSatyros「サテュロス(ギリシャ神話の半人半獣の精霊)」が由来で、 種小名のhortensisは「庭の、庭園栽培の」という意味があります。

歴史・エピソード他

サマーセイボリーは2000年以上前から利用されており、家庭菜園で育てたものを食用としてソースにしたり風味付けに使いました。また、コショウが貴重だった頃は、最も香りのよいハーブとしてコショウの代用として使われることがありました。。

ギリシャ神話ではサテュロスがこのハーブを媚薬として使い、ニンフたちを追いかけたという伝説が残されています。このエピソードから「愛のハーブ」というイメージが付き、古代ローマ人は芳香に媚薬効果があると信じて液体のポーションを作ったそうです。この媚薬はとても評判が良く、修道院ではその効果を恐れ使用が禁じられました。

古くは心臓病の治療薬として用いられており、16世紀の本草書『バンクスの本草書』では胃腸や催淫に効果があるとされ、17世紀の本草書家ニコラス・カルペパーは目のかすみや耳鳴りに良いとしています。

日本には明治初期に伝来し、ウィンターセイボリーも後から伝わりました。通年で収穫できるためか日本ではウィンターセイボリーの方が流通しています。

 

参考文献

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