キャッツクロ―|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについて

キャッツクロ―|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説
目次

キャッツクロ―の特徴・形状

  • 葉の付け根にかぎ爪のような鋭いトゲがある
  • 痛みを鎮める働きを持ち、リウマチや関節痛に活用される
  • 中央~南アメリカで伝統医療に使われていた

キャッツクロ―はアカネ科カギカズラ属のつる性植物・灌木で、ペルー・アマゾンの熱帯雨林を原産とするハーブです。

主に標高400~800mのアマゾン奥地で自生し、その他、コロンビア、エクアドル、ベネズエラ、コスタリカ、グアテマラなど中南米の熱帯地域で生育するようです。

キャッツクロ―という名は、この植物の葉の付け根にかぎ爪のようなトゲがあり、それが猫の爪に見えるためことからその名が付きました。

植物的な特徴

葉は先の尖った楕円形で長さ8㎝~18㎝ほどで対生し、この葉の付け根には「猫の爪」という名の通り、反り返った鋭いトゲ(針状突起)が生えています。

このトゲは他の木に巻き付くために使われ、かぎ爪のようにして30mほども登っていくそう。

春になると、5つの花弁を持った黄色い花が、つるを取り巻くようにして一斉に咲きます。ちなみに、花の大きさは直径1.5〜4 cmほどで、雌しべには約1.5mmの楕円形の柱頭があります。

キャッツクロ―の種類

「キャッツクロ―」と呼ばれる植物には、学名:Uncaria tomentosaと学名:Uncaria guianensisの2種類があり、市販のキャッツクロー製品によく使用されるのはUncaria tomentosaの方です。

ハーブとしては主に根の樹皮部分を利用しますが、Uncaria tomentosaの樹皮は黄金色~橙色で、Uncaria guianensisは赤みのある色という違いがあります。

効果・効能

キャッツクロ―(Uncaria tomentosa)は、伝統医学ではリウマチや胃潰瘍、癌などの症状に用いられてきました。

現在では優れた鎮痛作用・抗炎症作用が認められ、特にリウマチなどの関節炎など痛みを伴う炎症を鎮めるために利用されています。

キャッツクロ―の主成分であるオキシインドールアルカロイド(に属する数種のアルカロイド)には、免疫力・自己治癒力を高める効果があるといわれ、抗がん作用や抗HIV作用などへの研究がすすめられています。

治療用途は多く、がんなどの疾患予防や、免疫力の回復、尿路感染症、創傷、発熱、出血などに用いられます。

また、炎症を抑える働きがあるため、胃潰瘍、胃腸の炎症にも活用できそうです。細胞保護作用があり、気管支炎などのカタル症状にも良いとされます。そのほか体のサビを防ぐ抗酸化作用が知られています。

Uncaria guianensisはアルカロイド成分が含まれておらず、免疫系を強化するUncaria tomentosaよりも炎症系の症状に高い効果を持つといわれます。

適応

免疫力の向上、胃潰瘍、胃腸炎、気管支炎、関節炎、リウマチ、ヘルペスなどの感染症

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。持病がある場合や医薬品を常用している場合は、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用
  • 免疫調整作用
  • 抗腫瘍作用
  • 細胞保護作用
  • 抗リウマチ作用
  • 抗酸化作用

禁忌・副作用

  • 妊娠中・授乳中の人は使用を避けるべきハーブとされます。
  • 免疫系を活性化させる働きがあるため、自己免疫疾患の症状がある場合は使用を控えるか、使用する前にかかりつけの医師に相談してください。

安全性・相互作用

安全性クラスA…相互作用が予測されない
相互作用クラス2b…妊娠中に使用しない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

キャッツクロ―の主な使い方

使用部位
  • 樹皮

キャッツクロ―は主にハーブティー、薬用酒、料理、観賞用に使用されています。

ハーブティー

キャッツクロ―は①樹皮を小さくカットしたもの、②繊維状のもの、③粉末など様々な形態の商品が販売されています。

ハーブティーにするなら②がおすすめです。サプリメントの方が多く流通していますが、他のハーブとブレンドして摂取したい時はハーブティーが良いでしょう。

薬用

日本には近縁種のカギカズラが自生しており、とげの部分を生薬「釣藤鈎(チョウトウコウ)」として利用します。

鎮痛剤として日本薬局方にも収載されており、釣藤散(釣藤鈎、橘皮、半夏、麦門冬、茯苓、人参、防風、菊花、石膏、甘草、生姜を加える)と呼ばれる漢方処方が作られています。痛み止め、血圧降下、消炎などの目的で活用されています。

その他

リウマチなど関節炎の症状を緩和する目的などで、錠剤のサプリメントが利用されています。

味・香り

キャッツクロ―の基本情報

学名Uncaria tomentosa
英名Cat’s Claw
和名・別名
科名アカネ科カギカズラ属
分類蔓性植物
原産地ペルー・アマゾン奥地
使用部位根、樹皮
主要成分オキシインドールアルカロイド、トリテルペン化合物、β-シトステロール
作用消炎、鎮痛、免疫調整
適応リウマチ、関節炎

語源・由来

Uncariaはラテン語の「フック」に由来し、 tomentosaには「毛深い」という意味があります。スペイン語では「ウーニャ・デ・ガト(uña de gato)」と呼ばれることもあります。

歴史・エピソード他

南アメリカ・中央アメリカの先住民は、キャッツクロ―を2000年以上前から薬草として利用していました。キャッツクローは口伝で利用法が伝えられた『奇跡の植物』で、インカ時代には、主に病気の治療や免疫力の向上、関節炎の治療に用いていたといわれます。

伝統医学的使用法として知られているのは、アシャニンカとヤネシャの2部族の利用法で、現在有効とされる免疫系の刺激や炎症への対処の他、体内の「不純物」を取り除くため傷の洗浄、血液浄化、腎臓の浄化や、喘息、出血、月経不順などに用いていたそうです。

また、一部の先住民たちはのどの渇きをいやすため、回復の目的で茎に蓄えられた水を利用しました。

アマゾンは「薬草の宝庫」と呼ばれますが、キャッツクロ―はアマゾン原生の薬草の中では欧米で最もよく知られているハーブのひとつ。

ウクライナのチエルノブイリ放射能被爆事故(1986年)の被爆者に対して、キャッツクロ―の錠剤を利用したところ、免疫力の回復に効果が見られたという報告がありました。

1994年5月のジュネーブ会議にて世界保健機関(WHO)は、キャッツクロ―が副作用の少ない抗炎症剤として有用であることを認めました。原産国のペルーではキャッツクロ―による植物療法が公認されています。

参考文献

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