アーティチョーク|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史&学名の由来や味・香りについて

アーティチョーク|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史
目次

アーティチョークの特徴

  • 紫色の花とギザギザの葉を持つ大型種
  • つぼみは野菜として食用できる
  • 苦味が強く、肝臓の働きを強化してくれる

アーティチョークは地中海沿岸を原産地とする、キク科チョウセンアザミ属の多年草です。

独特の形をした植物ですが、総苞の部分は食用もでき野菜として食べられます。

一般的にハーブとして使用されるのは、数種類あるアーティチョークのうち「キク科のチョウセンアザミ属チョウセンアザミ」で、エルサレムアーティチョーク(Jerusalem artichoke)、グローブアーティチョーク(Globe artichoke)は別の種類です。

植物の特徴

草丈1.5~2mと大型になるハーブで、トゲのある葉は50㎝以上に生長します。初夏から夏にかけて肉厚の総苞(蕾を包むように葉が変形した部分)の上に薄紫色の花を咲かせます。

見た目的にも、アザミの仲間らしい特徴を備えている印象です。

効果・効能

肝臓に関わる症状に効果のあるハーブとして知られています。ハーブティーにするととても苦いのですが、お酒が好きな人は取り入れてみると良いでしょう。

アーティチョークの持つ苦味は肝臓機能を強化する働きがあり、胆汁の分泌を促します。アーティチョークに含まれる苦味質成分の1つ、シナリン(フェノール酸)には、脂肪の分解を助ける作用や肝臓の解毒作用があるといわれています。

また、この苦味には消化器の働きを向上させ神経を活性化させる性質があるので、神経性の夏バテや食欲不振の改善にも役立つかもしれません。

アーティチョークは、血中コレステロールや中性脂肪を下げ、動脈硬化を防ぐ作用を持つとされます。そのため、脂質異常症(高脂血症)・脂肪肝などの予防にも効果が期待されています。

適応

肝臓の解毒・消化促進・高コレステロール結晶や動脈硬化の改善・脂質異常の改善・強肝・利胆・胆汁分泌の促進・便秘や貧血の改善など

効果については人によって感じ方が少しずつ異なります。ハーブの使用について、妊娠中・授乳中、持病がある、薬を常用しているなどの場合、注意が必要になることがあります。

主な作用

  • 消化機能亢進作用
  • 強肝作用
  • 利胆作用
  • 解毒作用

禁忌・副作用

  • 授乳中、キク科アレルギーがある場合は注意。
  • 胆石、胆道閉鎖などの胆のう障害や胆管障害がある場合は、使用を避けるか医師に相談してから使用します。

安全性・相互作用

相互作用メディカルハーブ安全性ハンドブック2版には未収載
安全性メディカルハーブ安全性ハンドブック2版には未収載
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

アーティチョークの主な使い方

使用部位
  • 開花前の花床
  • 総苞

アーティチョークは主にハーブティー、薬用酒、料理に使用されています。

ハーブティー

既に書いた通り、アーティチョークは肝臓の働きを助けるハーブティーとして有名。食前や食後、お酒を飲んだ後などに飲むと肝臓の調子を整えて不快感を解消させます。

苦味が強いので、シングルで飲みにくい場合は他のさっぱりしたハーブとブレンドし、分量をやや少なめにすると取り入れやすくなります。ペパーミントなどの清涼感あるハーブもブレンドにおすすめです。

薬用酒

アーティチョークに含まれるシナリンには、甘味受容体の働きを阻害する働きがあるため、アーティチョークを食べた後は何でも甘く感じられます。

そのためワインには向かないとされていますが、肝臓の不調を改善してくれるため、お酒を飲みすぎた時の薬用酒・薬用茶として用いられます。スイーツなど、糖分が多いものを避けたい時の予防としても良いかもしれませんね。

料理

日本ではあまり見かけませんが、欧米では大きな蕾を丸ごと茹でて食べます。

食べ方としては、蕾をレモンなどと共に茹でて蒸した後に、花や繊毛を取り除き蕾の総苞をはがします。肉質部分を歯でしごくように食べ、最後に花床(果実のような部分)を食用にするのが一般的です。

イタリアでは野菜として前菜に出されるほか、フランスではアーティチョークの花を乳に入れて加熱すると60℃で凝固する性質を利用して、チーズに用いることもあるそうです。

味・香り

豆を煮た時のような香りと独特の苦み・甘みがある味で、わずかに塩の風味がある。ハーブティーとしては非常に苦いお茶として知られている。

アーティチョークの基本情報

学名Cynara scolymus
英名Artichoke、Globe artichoke
和名・別名チョウセンアザミ(朝鮮薊)、グローブアーティチョーク
科名キク科 チョウセンアザミ属
原産地地中海沿岸・カナリア諸島
分類多年草
使用部位ティー:葉  食用:若いつぼみ
主要成分フェノール酸、苦味質、フラボノイド配糖体、フィトステロールなど
作用肝臓の解毒、消化促進、消化機能亢進、強肝、利胆、胆汁分泌の促進、便秘・貧血
適応消化不良、食欲不振、高コレステロール結晶や動脈硬化など

起源・由来

アーティチョークという名は、アラビア語のアル・カチェフ(al-kharshuf)「巨大なアザミ」に、学名はラテン語のカニナ(canina)に由来しています。

カニナは犬歯という意味があり、アーティチョークが持つギザギザの葉が犬歯に見えたことから名づけられたといわれています。

歴史・エピソード

ギリシャ神話では、アーティチョークの学名と同じ名前の美少女・キナーラがゼウスに見初められてオリンポスに行ったものの逃げ帰ってしまい、怒ったゼウスによって植物のアーティチョークに姿を変えられたという物語があります。

古代ギリシャ・ローマの時代から肝臓の特効薬として評価されており、古代ギリシャ・ローマ時代以降、品種改良が進んで今の形になりました。

アーティチョークは、よく似た種類のカルドン(ヤスハアザミ)が原種だといわれます。本格的に栽培され始めたのは15世紀のイタリア・ナポリ近辺で、徐々にヨーロッパ全域に広がりました。

アーティチョークは江戸時代にオランダから日本へ渡来しましたが、煮て食べられることは知られていたものの普及せず、主に観賞用として栽培されたようです。

参考文献

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