のどや鼻の調子が悪い時や、空気の乾燥が気になる時におすすめなのがハーブを使った蒸気吸入。
ハーブを浸した熱湯から出る湯気をスーッと吸い込むだけですが、爽やかな香りのハーブを使うと気分もスッキリ。手軽に作れて気分も良くなります。
ここでは、蒸気吸入の基本的なやり方と、おすすめのハーブ・アロマについて紹介します。
蒸気吸入とは?
蒸気吸入とは、ハーブに含まれる精油などの揮発性成分を蒸気と共に吸い込む方法(剤型)で、吸入法とも呼ばれます。
蒸気吸入では、ハーブティーと同じく水に入れると溶ける水溶性の成分を吸収することができます。
植物成分が得られるだけでなく、蒸気の熱によって血行促進効果や保湿効果が得られるのが特徴。直接消化器系に作用するため、粘液質の豊富なハーブを使用すればのどのイガイガなどに効果的です。
蒸気吸入の基本的な行い方は、ボウルなどの容器にドライのハーブを入れて熱湯を注ぎ、その蒸気を吸い込むだけ。いくつかあるハーブ製剤の中で最も簡単につくれるものの1つです。
ハーブの有効成分を取り入れつつ、スキンケアもしたい時におすすめです。
蒸気吸入の効果
①鼻や喉の粘膜に有効成分を直接作用させることができる
蒸気吸入は、のどの痛みや鼻づまりなど呼吸器系のトラブルに有効です。そのほか胃もたれ時など気分をリフレッシュさせたい時にも有効です。
②血行促進につながる
熱い蒸気が肌に触れることで、温熱効果で肌が温められ皮膚のすぐ下にある血管が拡張します。
血行不良になると肌にも栄養がいきわたらなくなり、肌のターンオーバーが遅くなるなどの問題が起きがちですが、血行が促進されることでくすみや、乾燥、シミ・シワ、吹き出物などの症状改善につながります。
③作用が穏やかで刺激が少ない
蒸気吸入でハーブを使用する場合は作用が穏やかなため、子供や高齢者にも安心して使用できます。※その人の感想を聞いて量を調整してください。
蒸気吸入を行う前に(注意点)
- 揮発性の成分は目の粘膜を刺激する場合があるので、必ず目を閉じて行います。
- 熱湯を使用するため顔を近づけすぎないようにします。
- 頻繁に行うと肌が刺激されかえって逆効果になることがあります。
- のどの痛みがある時や、咳が出る時に行う場合は注意が必要です。
蒸気吸入のやり方
必要な道具・材料
- 洗面器または大きめのボウル
- バスタオル 1枚
- 好きなハーブ … 5g~10g
- 熱湯 … 500ml~1ℓ
ハーブや熱湯の量は調整できます。
作り方
- 洗面器にハーブを入れて、熱湯を注ぎます。
- 蒸気を逃がさないようにするため、バスタオルをかぶって頭と洗面器を多い、顔を洗面器に伏せる。
- 蒸気(湯気)を吸い込みます。(約10分)
- 蒸気吸入を行った後には顔に水分が付きやすいので。ぬるま湯で洗い流しましょう。
ポイント
蒸気吸入を行う際は必ず目を閉じ、容器から顔を20㎝以上は離すようにしてください。敏感肌の場合は肌への刺激を避けるため、通常の半分となる5分程度で切り上げます。
フェイシャルスチームと同じような効果があるので、フェイシャルスチームの効果を期待する場合は事前に洗顔して顔を清潔な状態にしておくのがおすすめ。
顔に水滴などが付いたらぬるま湯で洗い流しましょう。その後に冷水で肌を引き締めれば、そのまま普段のスキンケアもできます。
作ったお湯は保存はできないので、使い切るようにします。
蒸気吸入におすすめのハーブ
ゲットウ | 抗菌作用があるため、部屋の空気をきれいにしてくれます。部屋の虫よけにもおすすめ。痰を排出しやすくする作用もあり、風邪などの予防やのどの不調にも良い効果あり。 |
タイム | 高い抗菌作用を持つハーブ。特にのどの痛みや、鼻炎などの呼吸器系のトラブルに働きかけます。秋など、体調を崩しやすい季節の変わり目におすすめです。 |
ミント | 清涼感のある香りが特徴。花粉症の多い春やクールダウンしたい暑い夏におすすめです。眠気を覚まし集中力を高めてくれます。 |
ラベンダー | 心身のリラックス効果があるため、不安や緊張があるときやよく眠れないときなどに用いられます。抗菌作用もあるので、部屋の空気清浄や風の予防にも役立ちます。 |
レモングラス | レモンのような香りでリフレッシュしたいときにおすすめです。抗菌作用があり、風邪など感染症の予防に役立ちます。防虫作用もあるので虫よけにも〇。 |
ローレル | すがすがしい甘い香りで、芳香浴にも適しています。頭をスッキリさせ、集中力を高めてくれるほか、のどの不調にも活用できます。 |
ローズマリー | すっきりした強い香りが集中力を高め、脳の働きを活性化させてくれます。血行促進効果があるので、疲れた時や試験勉強前にもおすすめです。 |
蒸気吸入におすすめのアロマ
アロマセラピーでも、精油の取り入れ方の一つとして蒸気吸入が活用されています。精油を活用する場合はボウルに1滴~4滴ほどの精油を入れ、ハーブを使用したときと同じように蒸気を吸い込みます。
おすすめ精油
スイートオレンジ | オレンジの果実そのままの甘い香りが楽しめます。心配で気分が落ち込んでいる時は、前向きな気持ちにしてくれます |
ユーカリ | 抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪などの感染予防に有効です。のどの不調や花粉症、頭痛などの症状にも役立つ働きがあります。 |
ラベンダー | 刺激が少なく、様々な作用を持つので常備しておきたい精油。香りが強めですがリラックス効果があります。不安があり落ち着かないとき、眠れないときに便利です。 |
注意点
- 体調や年齢によっては使用量が異なる場合があるため、高齢者や子供に使用する場合は初めは少な目の量で調整するようにします。
- 精油を肌から作用させる場合は、精油を希釈してパッチテストを行った方が良いです。
- 精油は香りは強く容器に使用した香りが移るため、芳香浴専門のボウルを用意するのがおすすめです。