ガラムマサラの特徴
カレーにもよく使われるガラムマサラはインドの代表的ミックススパイス。ヒンディー語でガラムには「熱い」「温かい」、マサラには「香辛料」という意味があり、インドでは各家庭で好み見合わせて独自に調合が行われるそうです。
3~10種類のスパイスを自由に配合し、主に料理の香りづけ目的で使います。よく使われるのはシナモン、クローブ、ナツメグなど。カイエンペッパーを入れて辛味をプラスする場合もあり、カレーとも相性の良いスパイスミックスです。
煮込み料理や肉・魚の下味付け、炒め物やピラフなど様々な料理で活躍!インド風味のエスニックな香りが簡単に取り入れられます。
カルダモン、コリアンダー、クミン、シナモン、クローブ、ナツメグ(メース)、ローレル、カイエンペッパー(唐辛子)、ブラックペッパーなど
地域によってはスパイスを酢、水、またはココナッツミルクと一緒にすりつぶしてペースト状にするそうですよ。
カレー粉との違い
ガラムマサラとカレー粉どちらもカレーに使われるスパイスですが、ガラムマサラにはカレーの黄色を作るターメリック(ウコン)は入れません。ガラムマサラは香り付け用に使い、カレー粉は色・味・香りを活かしたい時用に使うという違いがあります。
カレー粉はターメリックの色素により料理の素材が黄色くなるので、気になる時はガラムマサラを活用してみましょう♪
ガラムマサラの味・香り
配合によって風味が変わるがクミンの甘さとほろ苦さ、コリアンダーの少し酸味があるような香り、カルダモンのエキゾチックな香り、クローブの薬っぽい香りなど様々な芳香を感じられる。
料理での活用方法
ガラムマサラは香りを生かしたスパイスミックス。出来合いの商品が販売されているのでそちらが便利ですが、材料があれば自分で作ることもできます。
- スパイスをホールのままフライパンなどで乾煎りする
- ミルやすり鉢で砕いて粉末にする
- ブレンドしてガラムマサラにする
粉末にすると香りが飛びやすくなるので、保存面では本来料理を作る前にスパイスを挽くのが良いといわれます。
スパイスカレー作りで必須級のミックス
ガラムマサラはスパイスカレーのレシピによく登場します。市販のカレー粉・カレールーを使わなくても良いので、カレーが好きな方は是非ストックを。ガラムマサラ自体の配合、肉・魚・野菜といったカレーに加える素材により香りや風味が変わるので、とても奥行きのある味わいになります。
香りは加熱により失われやすいので、煮込み料理に加える時は鍋に蓋をしたり、火を止める直前に使うのが良いといわれます。
ガラムマサラを使った主な料理
カレー、タンドリーチキン、チキンティッカ、ビリヤニ、ラッサム、サブジ、シークカバブ、マサラチャイのほか、インド料理店で良く出されるヨーグルトに振りかけてもOK。スペアリブ、チリコンカン、ケバブなどエスニック系料理とも好相性です。
食材では肉類、魚、野菜、豆、牛乳を使った料理に合わせやすく、菜食が多いインドではオイルと一緒にサラダにかけて食べることもあるそうです。
ガラムマサラによく使われるハーブ・スパイスの種類
カルダモン
「スパイスの女王」と呼ばれる香り高いスパイス。とても強く華やかな香りを持つので、料理に一粒入れるだけで風味が変わります。
多く入れると他のスパイスの芳香を打ち消してしまうため、使用量には注意が必要です。香りには消化促進・リラックス・健胃などに良い働きがあるといわれます。
コリアンダー
コリアンダーは別名「パクチー」「香菜」と呼ばれる独特の香りがするハーブですが、スパイスとして使われるのはコリアンダーシードと呼ばれる丸い種子の方。
ガラムマサラ・カレー粉ではよく使われるスパイスのひとつで、食欲増進・消化促進に役立つ働きがあり、胃腸の不調を改善させるといわれます。
クミン
スパイスカレーでよく使われるスパイスで、甘いようなほろ苦いような独特の芳香を持ちます。この香りには消化促進や駆風(腸内ガスの排出)、去痰などに役立つ働きがあります。世界各地の料理で使われており、油に香りづけをするテンパリングなどで重宝します。
シナモン
インドやスリランカで使われるのはセイロン島周辺が原産地の「セイロンシナモン」。中国原産のカシアよりも風味がマイルドで上品さのある香りが特徴です。その香りには毛細血管を拡張させて血流を促す働きがあり、体を温めるのによい効果があります。
クローブ
薬のような独特の芳香で、香りが遠くまで届くことから「百里香」と呼ばれることもあるスパイスです。
クローブはつぼみを乾燥させたもので、抗菌作用に優れウイルスや細菌から体を守る働きがあるといわれます。他にも歯の痛みを鎮める効果があり、口内のケアに使われることがあります。
ナツメグ
ナツメグの刺激的な甘い香りは肉の臭み消しに役立ち、ハンバーグの材料としても使われます。煮込み料理や卵・牛乳を使った料理と相性が良く、シチューやスープに入れると良い香りに。同じ植物から採れるメースを代わりに使うこともできます。
ローレル
月桂樹とも呼ばれ、カレーや肉料理の風味づけに活躍するハーブ・スパイスです。牛乳を使った料理と相性が良いので、シチューやグラタン、クリーム煮などにおすすめ。ガラムマサラのほか油に香りを移すテンパリングにもよく使われます。
カイエンペッパー(唐辛子)
カレーの辛味に欠かせない香辛料ですね。唐辛子の辛味はカプサイシンという成分によるもので、特に果実の皮に多く含まれています。体を温めて代謝を促したり、食欲を掻き立てる働きがあります。
唐辛子は体内でビタミンに変わるβ-カロテンや、ビタミンEが豊富に含まれており、実はアンチエイジング効果も高い食材です。
ブラックペッパー
粗びきは日本でもおなじみですね。コショウはインドが原産地です。野性的なピリリとした辛みとコショウの爽やかな香りが混じった人気のスパイス。この辛味には体の代謝力UPに役立つ働きがあるといわれます。
ステーキやカルボナーラなどの味の濃いものと合わせやすく、パンチの効いた味わいが食欲をそそります。
ガラムマサラの基本情報
スパイス名 | ガラムマサラ |
英名 | garam masala |
原材料 | シナモン、クローブ、ナツメグに、好みでブラックペッパー、カルダモン、コリアンダー、クミンチリペッパーなどをブレンドする。 |
発祥 | インド |
歴史・エピソード
ガラムマサラはインド北部が原産で、ムガル帝国の料理が起原だとといわれます。